ストルバイトの原因はマグネシウムでは無い!



マグネシウムは大切な必須栄養素です!
マグネシウムは犬猫にとって、「主要必須ミネラル」と呼ばれる大切な栄養素です。AAFCO(米国飼料検査官協会)では最低でもドッグフードには0.05%、キャットフードには0.04%のマグネシウムが含まれないといけないと定められています。心臓や関節、血圧などを正常に機能させる為に、大切な働きをする必須ミネラルです。しかし、犬猫の代表的な尿路結石であるストルバイト結石の主要成分であるが故に、「マグネシウム=悪者」のイメージをお持ちの方も多い気がします。果たして本当にそうなのでしょうか?




マグネシウムの過剰な制限にはご注意が必要!
動物病院で尿検査をうけて、ストルバイトの結晶が検出されたが故に、その場で「この子はストルバイトの結晶が出来やすい体質だから療法食以外を食べさせてはいけません。」となるケースが多いです。しかし、それまでにどのような食生活をしてきたかも知らずに、一度の結晶の検出だけで「体質」と決めつけるのは少々乱暴な気がします。また、病院で処方される療法食はマグネシウムを過剰に制限していますので、総合栄養食の基準を満たしていない物もあります。そのようなフードは、ストルバイトの発症は防げたとしても、心臓や関節などを健康に維持する必要量のマグネシウムが摂取出来ません。そもそも主要必須ミネラルであるマグネシウムをそれほど制限する必要があるのでしょうか?




マグネシウムの摂取量は気にするな!
昨今のペットフードに過剰なほどのマグネシウムが含まれるフードは殆ど無いと思います。必要な栄養素だから含まれているのです。「だけどストルバイトが心配で・・・。」と言うあなた!安心してください。マグネシウムを摂取しようが尿が酸性を維持していればストルバイトの結晶は出来ません。ストルバイトの最大の原因は尿のアルカリ化です。マグネシウムの摂取量が多いから尿がアルカリ性に傾くわけではありません。尿がアルカリ性に傾く原因は食事の内容と食べ方です。尿をしっかりと酸性に傾けておけばマグネシウムの摂取量がいくらであろうとストルバイトの結晶は生成されません。なのでマグネシウムの摂取量は気にする必要は無いのです!




尿のアルカリ化を防ぐ方法はこれ!
尿がアルカリ性に傾く原因は大きく分けるとふたつ。胃酸と内臓への負担。胃酸は皆さんご承知の通り、食べ物を消化する為に必要な胃液に含まれる酸。なので食べ物を食べると胃酸が分泌されます。胃酸が分泌されると尿はアルカリ性に傾きます。ですので、食べ物を食べると尿はあるアルカリ性に傾きます。その後、胃酸の分泌がおさまると尿は酸性に戻っていきますので、胃酸の分泌を抑える時間帯を確保する事がとても重要です。それなのに、不規則にダラダラ食べ物を与えたり、消化の悪い食べ物を与えたりすると胃酸が分泌する時間帯が増えて、尿が酸性に戻るタイミングを失うのです。また、高たんぱく過ぎるフードや添加物や調味料が沢山含んだフードやおやつを与えると肝臓や腎臓に負担が掛かります。肝臓や腎臓に負担が掛かると尿がアルカリ性に傾きます。近年、たんぱく質含有量が高すぎるフードや調味料で濃い味付けがされたおやつを多く見かけます。それらが原因となって、ストルバイトの発症数が増加していると考えられます。




好き嫌いをさせない事もとても大切!
尿のアルカリ化を防ぐためにダラダラ食いは禁物です。ダラダラ食いをしてしまう大きな原因は好き嫌いだと思います。好き嫌いをすると朝出したご飯がいつまでも完食せずに出されていたり、一度に食べる量が少ないので一日に何食も与えてしまったり。また、そもそも好き嫌いをしてしまう大きな要因は間食です。おやつを控えて好き嫌いをしないように注意しましょう。そして「主要必須ミネラル」は制限せずにしっかりと摂取しましょう!