若い頃は吐かないけど・・・。



子猫の時期から正しい食事を!
ペットショップやブリーダーさんから子猫を迎え入れる際に、「1日3回から5回程度食事を与えてください。」や「好きな時に好きな量を食べられるようにフードは常にお皿に入れておいてあげてください。」なんて事を言われたりします。確かに間違いではありませんが、この話が通用するのは生後1ヶ月半程度まで。でも現在の動物愛護法では「生後56日以下の子猫の販売は禁止」のはずです。ですので、「1日3回以上の食事」や「好きな時に好きな量を食べられる」は必要はありません。ペットショップの店員やブリーダーさんは飼い主の方からすると「プロ」です。プロの言う事を信じて実行するのは当たり前ですが、残念ながらプロの言う事が全て正しいわけではありません。獣医師も同じです。くれぐれもご注意ください!




成長期は大丈夫なんですよ!
でも実際に「1日3回以上の食事」や「好きな時に好きな量を食べられる食事」を実践していても生後半年や1歳程度までは何の問題も無く過ごす事が出来ます。だからと言ってそれを続けていると色々な症状が出始めます。まず初めに出る症状(仕草?)が「食べムラ」です。1日3回食事を差し出しているのに、食べるのは3回の内の2回だけになったり、3回ともお皿の中身の半分程度は食べるけれど、半分程度は残してどこかに行ってしまったり。飼い主様としては、半年前までは1日3回の食事をしっかりと完食していたので、「このフードが飽きてきたのかな?」と勘違いをしてしまいます。飽きたのでは無く「求めていないだけ」です。何故求めなくなってしまったのかは様々な原因が考えられますが、成長期の食欲と成猫の食欲との差は原因のひとつとして考えられます。人間でも成長期には良く食べますよね。ですので、残したり食べなかったりで食べムラが生じるようになったのは、愛猫が求めているよりも多い食事を提供してしまっていたのです。




与え過ぎなのに残すと心配に・・・。更に嘔吐が。。。
1日3回の食事を与えていて、その内の1回は食べなかったり、残す事が多くなったりした子に限って痩せていません。食べなかったり残したりするので心配になられると思いますが、まずは愛猫の体型をご覧ください。心配しないといけないような体型をしていますか?食べなかったり残したりしている愛猫がガリガリに痩せていれば心配してあげてください。でも、もしそうでなければ食事の量や回数を減らしてあげてください。また、1日3回以上の食事を与えていたり、常に食べる事が出来る置きエサをしている場合に多いのが、「フードの吐き戻し」です。食後にフードの粒が主体の吐物を吐いてしまった場合には「食べ過ぎ」とお考えください。差し出した食事を残しているのに食べ過ぎなのです。そう、そもそも与え過ぎなのです。なのに、今までは吐かなったフードを吐くようになったので、「フードが合わなくなったのかな?」や「アレルギー症状かな?」と、これまた勘違いをしてしまいます。また、このような症状が出た際に動物病院に相談すると大半の獣医師が、「フードを変えて様子を見てください。」や「もっと少量ずつ回数を分けて与えてください。」と言います。これがまた誤った食事指導です。




若い頃は食べ過ぎても吐きません!
食欲がある成長期には少々食べ過ぎても吐く事はあまりありません。でも成長が緩やかになった頃以降は、一度に食べ過ぎたり、胃の中に食べ物が残っている状態でダラダラ食べたりすると、食べた物を吐き戻すようになります。与えているフードの種類や与え方、与えている量は変わっていないのに、成長期にはなかった嘔吐が成猫になって起こってしまう場合は、ほぼ食べ過ぎです。食事の回数を1日2回にして、間食を控えてしっかりと空腹時間を作ってあげるようにしてあげてください。そうすればフードは変えなくても嘔吐は治まります。それでも嘔吐が続く場合はお気軽にご相談ください。