愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!



腎臓病による食事療法あるあるのお話。
猫の代表的な疾患である腎臓病。何よりも大切なのが食事療法ですね。今回のコラムでは猫の腎臓病による食事療法あるあるをお話したいと思います。まずは腎臓病の食事療法を始める事になるところからですが、大半の場合は動物病院で血液検査を行った結果、BUN(尿素窒素)やクレアチニン、SDMAの数値が上昇している事によって腎臓病の診断を受け、獣医師から腎臓病対応の療法食を紹介されると言った流れになると思います。そして、その製品やサンプルを家に持ち帰り、お皿に入れて差し出したり、手のひらに乗せて与えてみるも、思うように食べてくれないので、インターネットで「腎臓病 キャットフード」などで検索して、気に入って食べてくれる腎臓病対応の療法食を探し回ると言う方が多いのでは無いでしょうか。ですが、沢山のフードを試すも、あれもこれも食べてくれずに、結果的には腎臓病の食事療法を行う事が出来ていないと言う事もあるかと思います。今回はそのような方には是非お読みいただきたいコラムとなります。宜しくお願い致します。




食欲が有るか無いかを見極める事が大切!
腎臓病の食事療法を進めるにあたって、最も大切なのが「食欲の有無」の確認です。腎臓病を患うと食欲が低下するとお思いの方が多いですが、実際は病状がかなり進行しないと食欲の低下は起こりません。もちろん若い頃や元気な頃に比べるとある程度の食欲の低下は感じられる事もあるかと思いますが、食べる事が出来ない程の極度の食欲の低下が起こる事は極めて稀なケースです。なのにどうして食べないのか。それは好き嫌いをさせてしまっているからですね。具体的にお話をすると、腎臓病の診断を受ける前は置きエサをしていて、好きな時間に好きな量を食べていた子に、病院から持ち帰ってきたサンプルや、通販で購入した製品をお皿に入れて「これはどう?」と言った感じでご愛猫に差し出してもまず食べないでしょう。食べとしても一口や二口程度。そりゃそうですよ。今まで置きエサをしていて、好きな時間に好きな量を食べていた子に「今すぐ食べなさい!」と言って食べません。また、置きエサをしていなくても、今までは鰹節をトッピングしていたり、ち●~るのような製品を振りかけて食べていた子に、腎臓病の療法食を与えてもすぐに食べる訳がありません。また、今まで食べていたフードと腎臓病の療法食の両方を別々のお皿に入れて差し出したり、置きエサをしていて、今まで食べていたフードしか食べず、「腎臓病の療法食は食べませんでした。」と言う方もおられますが、当然の結果でしょう。腎臓病の療法食は美味しく無いですからね。そこで大切なのが、極度に食欲が低下していないのであれば、飼い主側が諦めない事です。また反対に、ご愛猫に諦めさせる事です。腎臓病の進行を少しでも遅らせる為に食事療法を行うには、今までのように置きエサをしていたり、嗜好品をトッピングする事は出来なくなりますので、今まで食べていたフードを与え続けたり、あれこれを試すのでは無く「今のあなたにはこのフードしか無いの!」と諦めさせてあげてください。それが愛情です。




選択肢があると諦めるのは難しいです!
ご愛猫に諦めさせる為に大切なのが、選択肢を与えない事です。選択肢とは「何を食べる」や「いつ食べる」かの事で、ご愛猫に差し出すフードを一種類に絞り、食事を与える時間を限定する事が重要です。数種類のフードを試す事によって、ご愛猫の頭の中には「何を食べる」かの選択肢が生まれ、食事回数が多かったり、置きエサをしていると「いつ食べる」かの選択肢が出来てしまいます。選択肢があると好きな時間に好きなフードしか食べなくなります。皆さんもホテルやレストランのバイキングに行くと好きな物しか食べないですよね。でも給食のように決まった食事しか出て来なければ好きで無くてもそれを我慢して食べますよね。決まった時間に決まった量の決まった内容の食事しか出て来なければ、どのようなフードでも食べるようになります。それをご愛猫が若い頃から当たり前のように実践出来ておられる飼い主様は世の中に沢山おられます。そのようなご家庭の子の場合は何の苦労も無く食事療法を進める事が出来ますが、若い頃から置きエサをしていたり、嗜好品をトッピングして食べさせていたりする飼い主様は、インターネットで色々調べては、「よその子も一緒なのね。」「やっぱり療法食は美味しく無いから食べないのね。」となってしまうのです。ご愛猫が若い頃から好き嫌いをさせずに、決まった時間に食事を与えており、スムーズに食事療法を行う事が出来た人は、そのような事をインターネット上に書かないですからね。言い方は悪いですが、インターネット上には「間違った悪い例」しか載っていないので。調べれば調べる程、「みんな同じなのね。。。」と勘違いをしてしまいます。このような事にならない為にも、若くて健康な頃から置きエサをしたり、甘やかしたりせずに「何でも食べる子」に育ててあげてくださいね。宜しくお願い致します。