膀胱炎を繰り返さない為の食事はこれ!



まずは何故、膀胱炎になってしまうのか。
まず膀胱炎とは。膀胱炎は尿をためておく膀胱に炎症が起きている状態を言います。膀胱炎になると、尿の出が悪くなるので、トイレに行く回数が増えたり、トイレ内で排尿の姿勢を長時間とるようになったりします。また、尿に血が混じる事もあり、褐色のような濃い色でアンモニア臭の強い尿が出る事が多いです。それでは、何故膀胱炎になるのかですが、犬や猫の尿は本来酸性です。酸性とはpH(ペーハー)が7.0未満の事を言います。ですが、尿のpHが7.1以上のアルカリ性になると、尿中の細菌が増殖し膀胱炎発症のリスクが高くなります。但し、尿のアルカリ化が一時的で、その後に酸性に戻ると尿中の細菌が減少し、膀胱炎は発症しづらくなります。この時点でお分かりいただけたと思いますが、尿のpHが常にアルカリ性に傾きっぱなしになると、尿中に細菌が繁殖し続けて、膀胱炎を発症しやすくなると言う訳です。食後の一時的にだけアルカリ性に傾いて細菌が繁殖しても、その後に酸性に傾けて細菌を減少させれば良いのです。




それでは何故、尿のpHがアルカリ性に傾くのか。
先程も述べました通り、犬や猫の尿は本来は酸性です。ですが、食事やおやつなどを食べると尿はアルカリ性に傾きます。また、食べる量や食べた物の内容によっては、アルカリ化の度合いが違ってきます。例えば、食前の尿のpHが6.5の酸性であったとして、食事内容が適正であれば食後の尿のアルカリ化はpHが7.2などと、さほど大きくはなりません。ですが、食事内容に問題があると、食後の尿のアルカリ化は激しくなり、pHが8.0や9.0などとなってしまいます。このように食後の尿のアルカリ化が激しくなると、尿が酸性に戻るまでに時間が掛かってしまい、膀胱炎発症のリスクが高くなります。ですので、食後の尿が大きくアルカリ性に傾かないような食事を与える事が大切です。また、食後にアルカリ性に傾いたpHは食事や間食をしなければ、徐々に酸性に戻っていきます。ですので、食事を与えた後は、アルカリ性に傾いた尿のpHが酸性に戻るまでは何も与えないようにしましょう。




急激な尿のアルカリ化を防ぐ適正な食事とは?
尿のpHが食後に大きくアルカリ性に傾いてしまう原因として最も多いのは、動物性たんぱく質の過剰摂取です。いわゆるお肉の食べ過ぎです。動物性のたんぱく質を多く摂取すればするほど、食後の尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。実際に昨今、穀物不使用の高たんぱく質なフードが多く出回るようになったが為に、膀胱炎を発症するケースが多くなっています。また、フードの食いつきが悪い事を理由などに、ドライフードに鶏のササミや馬肉などをトッピングする事によって、食事全体が高たんぱく質になってしまうケースも目立ちます。尚、必ずしも高たんぱく質なフードがダメなわけでは無く、たんぱく質含有量が多いフードは与える量を控え目にするなどで、たんぱく質の過剰摂取にならないように調節が必要だと言う事です。また、何よりも重要なのが、食事の与え方です。pHの振れ幅の大小に関わらず、必ず食後は尿のpHがアルカリ性に傾きます。それを酸性に戻す為には空腹時間を維持する事が必要な為、食事や間食の回数が多かったり、食事を置きエサにして出しっぱなしにしたりすると、空腹時間を維持する事が出来ずに、尿のpHが常にアルカリ性に傾いてしまいます。そうすると尿中の細菌が増殖し膀胱炎を発症すると言う事です。ですので、置きエサをしている猫や小型犬に膀胱炎が多いと言う訳です。




膀胱炎解消の特効薬は絶食です!
重度の膀胱炎の場合は早急に動物病院にて受診をして適切な治療(投薬)を行う必要がございますが、症状が軽い場合は一食から二食程度抜いてあげてください。食事を抜く事によって、空腹時間を長く保つ事が出来ますので、尿がしっかりと酸性に傾きます。そうすれば尿中の細菌を減少させる事が出来、症状の緩和に繋がります。また、症状が緩和した後は、食事の回数を一日二回に徹底して、いつもより少ない量の食事で数日間様子を見てください。また、出来ればその間の食事はたんぱく質含有量が控え目になっているフードをご利用いただくと安心です。若い子でもシニア用のフードを使ってたんぱく質摂取量を控えるのも一つの手段です。高齢の子であれば、腎臓ケアのフードを使用して、たんぱく質の摂取量を控える事もおすすめです。そして何よりも大切なのが空腹時間の確保です。犬や猫は常にお腹が空いているのが普通です。食事やおやつの与え方を見直す事で膀胱炎は予防が可能です。薬に頼らずに正しい食生活で膀胱炎を予防しましょう。ちなみにストルバイトの予防も同じ方法OKです!ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。