とろもろこし(コーン)は本当に悪者なの?



とうもろこしって体に悪いの?
先にビートパルプについても書きましたが、今日はとうもろこしについてお話ししたいと思います。

●ビートパルプについてはこちら

ドッグフードやキャットフードに使用されます「とうもろこし」。まず皆様はとうもろこしがお好きですか?我々人間の食生活には欠かす事が出来ない程、色んなシーンで登場します。甘みがあって美味しいですよね。栄養面でも食物繊維が多く、ビタミンB1、B2、Eも豊富。オメガ6系脂肪酸のリノール酸も含む栄養価の高い食材です。人間にはもちろんですが実は犬猫にとっても大変栄養のある食材なのです。ですが、いつの頃からかとうもろこしが使用されているドッグフードやキャットフードは「粗悪」や「危険」と言われるようになりました。




何故悪者扱いをされるようになったの?
1980~1990年代は第一次ペットブームと呼ばれます。その頃のドッグフードやキャットフードには今のようにプレミアムフードと呼ばれる高品質な製品はありませんでした。ペット先進国であるドイツやイタリアのフードは皆無。アメリカやカナダのフードがポツポツ輸入され出した程度でした。その頃の日本製のドッグフードやキャットフードは決して安全なフードとは言えず、人間用食材として利用価値をを失った物が主な原材料と言われていました。そんな原材料の中に「とうもろこしの芯」を使用していると言う噂が広がり、その頃から「とうもろこし=悪者」になったと記憶しております。但し、「とうもろこしの芯」が使用されていたかどうかは定かではありません。また、その頃のドッグフードやキャットフードはとうもろこしや大豆を主原料としてお肉の色と香りをつけている物が多く、動物性たんぱく質を必要とする犬猫にとって理想的な食事では無かったと言えます。これは今現在売られている安価なフードにも同じ事が言えます。




とある事情でとうもろこしから豆へ
最近良く目立つグレインフリー(穀物不使用)フード。穀物不使用と言ってもお肉ばっかりで構成されているわけではありません。殆どのグレインフリー(穀物不使用)フードがお肉以外に豆類や芋類を使用してます。また、グレインフリー(穀物不使用)フード以外では、玄米や大麦、オーツ麦などの穀物を使用します。それでは何故とうもろこしだけ悪者扱いを受けるのでしょうか?更にそれらとうもろこしを悪者扱いする殆どがアメリカやカナダのフードメーカー。理由は2012年のアメリカで起きた歴史的な干ばつ。アメリカではとうもろこしは、食品としてはもちろん、家畜の飼料やエタノール燃料の原料としてなど使途が豊富な為、干ばつの影響でとうもろこしの価格が高騰しました。その為、アメリカやカナダのメーカーはとうもろこしの使用を停止して豆類や芋類を使用するようになりました。しかし、ドイツやイタリアなどのメーカーは今もなお、犬猫にとって良質な栄養源としてとうもろこしを使用していますので、アメリカやカナダのフードメーカーが戦略的な宣伝文句として「とうもろこし=悪者」と謳っている傾向が強いと考えられます。




とうもろこしは消化出来ないの?!
犬猫にとって、とうもろこしは消化の良い食材とは言えません。但し、それはグレインフリーフードに使用されている豆類や芋類も同じです。更に言うと、それは人間にとっても同じです。人間は米や豆、とうもろこしを生で食べません。加熱しないと消化が悪いからです。犬や猫などの動物は人間のように火(熱)を使う事が出来ません。ですので、自然界では自らとうもろこしや豆類、芋類を好んで食べませんが、草食動物の胃の中で発酵した消化の良い状態の物であれば食します。ドッグフードやキャットフードに含まれます、とうもろこしや豆類、芋類は細かく粉砕して熱処理を施していますので犬猫にとっても消化のしやすい状態になっています。結論的には、とうもろこしを批判する理由は、豆類、芋類、米などにも同じ事が言えると言う事です。それよりも実は豆類や芋類よりもとうもろこしの方が優れた食材のような気も。。。どちらにせよ、とうもろこしや大豆を主原料としてお肉を使わなかったり、お肉の使用量が極端に少ない植物性たんぱく質主体のフードはおすすめ出来ませんが、原材料にとうもろこしを使用しているからと言って、そのフードが粗悪とは限りません。また、余談になりますが、ネット上に数多く存在するのペットフードランキングサイト。信用出来るサイトが減りましたね。残念。




ビートパルプやとうもろこしよりも気をつけないといけません!
ビートパルプやとうもろこしを批判・否定するメーカーやサイトでは必ずと言って良い程、お肉たっぷりの高たんぱく・高脂肪のフードが紹介されています。犬猫達にとってお肉たっぷりの食生活が許されるのは「生食」だけです。加熱されたお肉たっぷりの食事は消化が悪く、腸内環境を悪化させ、肝臓や腎臓に負担を掛けます。その結果、尿石症や膀胱炎を引き起こし、最悪の場合は腎不全や膵炎の危険性も。実際にここ数年、急性膵炎を患う子が急増しています。ストルバイトなどの尿石症や膀胱炎も非常に多いです。ビートパルプやとうもろこしを避けて高たんぱく・高脂肪の食事をする事がかえって病気を増やしているのではと感じます。お気を付けください。

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