コラム


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!


記事一覧

ハミガキしてますか~?
ビートパルプについて
アレルギー体質の子は是非!
あきらめるな!涙やけ
外耳炎対策
日和見菌って???
腎不全対策
コレステロール値の指摘について
尿路結石の最大の天敵は「偏食」
空腹時の嘔吐を止めるには
シニア期に高たんぱく食は必要か???
猫の特発性膀胱炎を予防するには?
今更ですが、乳酸菌とは?
ドライフードの保存方法に悩む。。。
腎臓にやさしい食事とは?
「好き嫌い」や「偏食」の原因は何?誰?
ストルバイト予防食は自分で見つけられる?
ストルバイトを予防する食生活とは?
摂取カロリーを気にするな!
乾いた食事だけでは不安です!
メーカーの言うとおりにする必要は無い!
好き嫌いの何が悪いの?
シニア(高齢期)用のフードの使い方
ビタミンCは必要なのか?
腎不全は便秘で悪化する?!
アレルギーの付き合い方
ローテーションは必要なのか?
【追記ありの再更新】ビートパルプについて
腎機能低下を早期に発見出来る検査が登場?!
とろもろこし(コーン)は本当に悪者なの?
製品について良くある質問をご紹介
尿検査でストルバイトと診断されたら!
オメガ3脂肪酸を理解しておこう!
「フードを食べない」のは間違っているから!
牛乳と乳酸菌
嘔吐の原因って???
今更聞けない「グルテンフリー」と「グレインフリー」
猫の便秘を解消するフードとは?
食物アレルギーを疑うならまずは〇〇の摂取!
うちの子だけ???
メーカー(販売元)の脅しには気をつけろ!
店長は本気で怒っています!!!
正しい猫のご飯の与え方
犬のこんな咳には注意が必要です!
2018年もお世話になりました!
今年最初のコラムもやっぱりこのネタ!
腎不全と診断された猫の食事について
それ本当にアレルギー???
腎臓の負担軽減で腎不全対策を!
膵臓(すいぞう)を大切にしよう!
簡単なダイエット方法教えちゃいます!
便秘解消の秘訣は!?
愛犬のその仕草、見逃さないで!
そのおやつの与え方で大丈夫?
ストルバイトの原因はマグネシウムでは無い!
フードは一日に何グラム与えるのが良いの?
これからの季節に増える膿皮症の対処法!
去勢手術、避妊手術ってどうなの?
ちょっと偉そうな事を言わせてもらいます!
その「しつけ」って本当に必要ですか?
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食べないのは本当に粒が大きいのが原因?
25年間のペットフード事情を振り返る
消化酵素の摂取をうるさく提案する理由は?
心臓病の食事で気を付ける事は?
負のスパイラルに陥らないようにご注意ください!
尿のpHと食品のpHについて
猫の外飼い(放し飼い)は絶対にダメ!!!
正しい子猫のご飯の与え方
猫の慢性腎不全のお食事について
犬の慢性腎不全のお食事について
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まさかトイレットペーパーが買えなくなるとは・・・
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ご飯の与え方でお悩みの際はお気軽にご相談を!
免疫、免疫って。免疫ってそんなに大切なの?
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病院のフードを食べません。。。と言う方へ
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やっぱり予想通り気温の上昇と共に急増しています!
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若い頃は吐かないけど・・・。
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毎日の積み重ねが・・・。関節を守ろう!
何度も言いますが結石と水分摂取量は関係ありません!
カロリーを気にしても意味ないですよ!
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膀胱炎を繰り返さない為の食事はこれ!
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ストルバイト結石の予防に成功!その後のフードは?
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猫に多い口内炎。食事で治せるの?
痩せるからって無理に食べさせてはダメ!
今年最後のコラムですが、改めて・・・。
この思い込みは本当に危険です!
「多頭飼いだから置きエサ」は言い訳です!
不規則な食生活は病気の発見を遅らせる事も!
与えるフードの量はこうやって決める!
食べ過ぎると出なくなるかも。。。
愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!
シニア用のフードを活用しよう!
ストルバイトの結晶に焦らないで!
愛猫が10歳近くになったら必ず検査をしてください!
運動不足なのであれば減らしてください!
夏バテで食欲が落ちるようであれば・・・。
食いつきの良いフードを探していても無駄!
当店で猫用の糖尿ケア(糖尿病サポート)のフードを売らない訳。
こんな謳い文句には注意をしてください!
それって良い事ですよ!
正しい子犬の育て方
自動給餌器は便利なようで・・・。
食生活を見直すだけで改善する事も!
成長期の子猫への正しい食事の与え方!
新入りさんを迎えるにあたって。
低脂肪が正義ではありません!
犬用・猫用に特別に作っています!って必要?
普通のフードってどんなの?
感覚がマヒしてきて都合の良い解釈を・・・。
食べない原因から目をそむけないで!
腎不全で食欲不振にはなりません!
こんな時、まずは絶食ですよ!
あなたの愛猫は草食動物ですか?
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第一章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第三章

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ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケース。
前回のコラムの最後に、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来る流れを軽く説明しましたが、今回はその反対に尿のpHが7.5以上になってしまい、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについてお話をします。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章

前回の内容と重複しますが、食事を摂ると胃酸が分泌されて尿がアルカリ性に傾きます。その後、時間が経つにつれて胃が空っぽになると、胃酸の分泌が治まって尿は酸性に戻って行きます。ですが、食事と食事の間が短かったり、おやつやご褒美を頻繁に貰っていたり、置きエサでダラダラと食べていたりすると、胃が空っぽになる時間が無くなって、尿のpHが酸性に戻るタイミングを失ってしまいます。
どう言う事なのか具体的に説明しますと、食事を摂る前の尿のpHが正常の6.0前後だったとします。この時点ではストルバイトや膀胱炎の発症は考えにくいです。ですが、食事を摂った後に、胃酸が分泌されて尿がアルカリ化して、pHが7.0程度まで上昇したとします。その後、何も食べる事が無ければ、胃が空っぽになり尿のpHは食前の6.0前後まで戻るのですが、あまり時間を空けずに次の食事を与えてしまいますと、pHが6.0前後まで戻り切らない内に、新たに胃酸が分泌され始めますので、先程は7.0程度までの上昇で抑えられていたpHが、危険水域の7.5程度まで上昇をしてしまう事になります。更に、次の食事までの時間が短く、7.5程度まで上昇した尿のpHがあまり下がっていない状態で胃酸が分泌されると、それ以上にpHが上昇してストルバイト及び膀胱炎を発症すると言う流れです。
ですので、1日3回以上食事を与えていたり、置きエサをしてダラダラと食べさせていたり、トイレのご褒美などで頻繁に間食を与えていると、尿のpHが酸性に傾く為の空腹時間を作る事が出来ずに、ストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなると言う訳です。これが第一章で書いた、「ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます」と「犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います」に繋がるのですが、犬よりも猫の方が置きエサによる食生活を行っているケースが多いですし、大型犬よりも小型犬の方が、室内でトイレをする事が多く、トイレで用を足す度にご褒美(間食)を貰っている事が多い事によって、空腹時間が短くなって尿がアルカリ化しやすいのと、人間の感覚で少量と思っている間食の量でも、体の大きさが小さい小型犬にとっては相当な量となって、フードの食べが悪くなり、ダラダラとした食生活になりがちなのが理由となります。また、しつけ教室でのトレーニング時も、ご褒美を貰う回数が多くなりがちなので要注意ですし、お散歩中に食べるおやつも無視は出来ません。

いずれにしても、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまう原因は「飼い方」に問題があると言う事です。獣医師が言いがちな「体質ですね」ではありません。

また、1日の食事回数が多過ぎたり、置きエサをしていたり、ご褒美を頻繁に貰っていると、フードの好き嫌い(選り好み)が激しくなっていきます。空腹時間が無いので好きな物しか食べなくなる、当然ですね。それなのに、フードを好き嫌いする原因が他にあると勘違いをして、どんどん食い付きの良いフードを探すようになり、行きつく先はお肉たっぷりの高たんぱくなフードになってしまいます。そうなると、第二章で述べた「特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。」の通り、空腹時間が短くて尿が酸性に傾くタイミングが無い上に、たんぱく質の摂取過多で食後のpHの振れ幅が大きくなりますので、余計にストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなります。なので、ストルバイトや膀胱炎を発症した犬や猫の多くが、過度な甘やかしによって食生活が乱れてしまっています。そして次のようなケースでもストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースが多いです。

今回はここまでとなり、続きは次回にお話をしたいと思います。


ストルバイトと膀胱炎の関係性。
前回のコラムの最後に「ストルバイトと膀胱炎は原因が同じなのですから。」と書きましたが、まずはその点から解説をしたいと思います。ご覧になられていない場合は先に前回のコラムからお願いします。

ストルバイトの原因と予防について 第一章

ストルバイトの根本的な原因は尿のアルカリ化(正常時は酸性を示す尿のpHがアルカリ性に傾く事)です。また、膀胱炎の原因も同じく尿のアルカリ化です。何故、酸性であるべき尿がアルカリ化するかは後ほど説明をしますが、尿のpHが7.5程度までに上昇(アルカリ化)すると、尿中のマグネシウムやリンなどのミネラル成分が結晶化してストルバイトの結晶が作り出されます。また、尿がアルカリ化しますと、尿中に細菌が繁殖しやすくなります。特に多くの細菌がpH7.5程度の弱アルカリ性の環境を好みますので、尿のpHが弱アルカリ性を示すタイミングで膀胱炎を発症するケースが多いです。まさに犬や猫がストルバイトを発症しやすい尿の環境と一致する為、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られると言う事になります。但し、更にpHが上昇しますと、細菌は死滅して膀胱炎の症状は改善に向くケースが多いです。ですが、ストルバイトはpHが上昇すればするほど悪化しますので、ストルバイトが重症化していくにつれて膀胱炎の併発は少なくなっていきます。このような仕組みで、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られるが為に、ストルバイトの原因が細菌感染(膀胱炎)であると言う説も存在しますが、その考え方は正しくありません。ストルバイトの原因が膀胱炎の発症ではありませんし、膀胱炎の原因がストルバイトの発症でもありません。原因が同じではありますが、どちらかがどちらかを誘発していると言うわけではありません。と言う事で、本来は酸性を維持しないといけない尿のpHがアルカリ性に傾く事によって、ストルバイトや膀胱炎を発症すると言う流れになります。それでは何故、尿がアルカリ化するかを説明していきたいと思います。




尿がアルカリ化する原因。
犬や猫の尿のpHですが本来は酸性です。但し、食べ物を食べると胃酸が分泌され、胃酸が分泌されると尿がアルカリ性に傾くと言ったシステムになっています。特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。ですので、食事を摂る前の空腹時には酸性であった尿のpHが、食事を摂る事によってアルカリ性に傾きます。また、その傾き具合も、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、大きくアルカリ性に傾きます。そうなると、食事を摂る事自体がストルバイトや膀胱炎の原因になるとお思いになられる方もおられると思いますが、当然の事ながら食事を摂らないと生きてはいけません。また、食事を摂った後、時間が経過して胃の中が空っぽになると、胃酸の分泌が治まり、尿のアルカリ化はストップして、尿のpHは徐々に酸性に戻って行きます。ですので、食事を摂る際のポイントは2つあり、1つはたんぱく質を摂取し過ぎない事。その為には、高たんぱくなフードを与えない事と、食事の量を与え過ぎない事が大切です。また、もう1つのポイントは食事と食事の間の時間をしっかりと空ける事です。

ここで少し具体的な数字を使って説明をしますと、本来あるべき尿のpHは犬猫共に6.0前後です。ですが、食事を摂ると胃酸が分泌されて、一時的に尿のpHは7.0程度まで上昇します。しかし、数時間後には胃が空っぽになり、尿のpHは食事前の6.0前後まで下がってきます。そして、尿のpHが6.0前後まで下がった状態で次の食事を迎える事が出来れば、これの繰り返しとなり、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来ると言う訳です。

ですが・・・・。

今回はここまでとなり、次回のコラムではストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについて説明をしたいと思います。


まずはストルバイトとは?
当コラムでは過去にも幾度と無くストルバイトについてお話をして来ましたが、今回はストルバイトの原因から予防法までを徹底的に詳しく説明をしたいと思います。とても長くなりますので、数回にわたってお話をする事になるかと思います。最後までご覧いただけますと幸いです。

初めに、そもそもストルバイトとは何かと言いますと、ご存知の方も多いと思いますが、犬や猫の尿中に含まれるマグネシウムやリンなどのミネラル成分が膀胱や尿道などで結晶化して、血尿や排尿障害などの症状の原因となったり、重症化すると結晶が結合しあって結石となり、尿道を塞いでしまう恐ろしい下部尿路疾患の要因となる物質の名称です。病院や獣医師によってはストラバイトと発音する事もありますが同じです。また、今ではあまりの発症数の多さから、物質の名称と言うよりも「ストルバイトと診断されました」や「ストルバイトを患いました」などのように、病名として使用される事も多くなっていると感じます。当コラムでもそのような表現を使用する事もあるかと思いますが予めご了承ください。

それでは、実際にどのような子(犬や猫、年齢など)に注意が必要になる疾患かと言いますと「全員」です。「犬より猫の方がなりやすい」や「メスよりオスの方が注意が必要」や「1歳以上に発症する疾患」などと言われる事がありますが、年齢や性別は全く関係がありません。犬より猫の方がなりやすいと言う事もありません。生後数ヶ月の子犬や子猫でもなる場合があります。但し、正しい統計ではありませんが、ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます。この理由につきましては後ほど詳しく解説をしたいと思います。また、犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います。これにも明確な根拠があり、今回のコラムを全てご覧いただいた際にはご納得いただけるかと思います。それでは、何故ストルバイトになるのかを詳しく説明をしていきたいと思います。




ストルバイトの原因は何?
多くの動物病院や媒体ではストルバイトの原因を次のように述べているケースが多いです。

「体質」「飲水量が少ない」「マグネシウムやリンなどのミネラル成分の摂取過多」「運動不足」「細菌感染」「排尿回数が少ない」などなど。

ですが、残念ながら全部違います。体質は関係ありませんし、水を飲む量も関係がありません。水を飲む量が少なくてもストルバイトにはなりませんし、水を沢山飲んだとしてもストルバイトの予防にはなりません。また、マグネシウムなどのミネラルを沢山摂取してもストルバイトにはなりませんし、ミネラルを制限してもストルバイトの予防にはなりません。但し、ミネラルを全く摂取しなければストルバイトにはなりませんが、良好な健康状態は維持出来ません。尚、水を沢山飲みますと当然ですが尿量は増えますので、膀胱内や尿道にあるストルバイトの結晶は排泄される尿と一緒に体外に排出されやすくはなりますが、ストルバイトの生成自体が抑制されるわけではありませんので根本的な解決策にはなりません。家中に飲み水(水の入ったお皿)を配置したり、流れる水が演出出来るフィルター付きの給水器を使用して飲水量を増やそうと努力をなされる方がおられますが、残念ながらストルバイトの予防にはなりません。また、排尿回数が少なくてもストルバイトの原因にはなりません。逆に排尿回数が少ないのは良い事です。頻繁に尿意を感じてトイレに行って排尿の仕草をするが、尿が出ない(頻尿)のは問題ですが、トイレに行く回数が少ないのは不必要な尿意が無い証拠なので何ら心配は要りません。水の飲む量が少ない事や、排尿の回数が少ない事を心配なされる方がおられますが逆です。飲水量が多かったり、排尿回数が多いのは何らかの健康上の事情(トラブル)が考えられますので多飲多尿の症状がある場合は注意が必要です。また運動不足も関係がありません。ただ、ひとつだけ惜しいのが「細菌感染」です。いわゆる膀胱炎です。「ストルバイトを発症している多くの犬猫が膀胱炎を併発している」と良く言われるのですが、当然です。ストルバイトと膀胱炎は原因が同じなのですから。なので、頻尿の症状が見られる際に、動物病院で尿検査をするとストルバイトの結晶が見つかるのです。この場合の頻尿の原因はストルバイトでは無く膀胱炎です。

今回はここまでとなります。次回のコラムでは、ストルバイトと膀胱炎の原因を詳しく説明していきます。


草食動物とは?
はじめに草食動物とはどのような動物の事を指すかをお話します。代表的な草食動物と言えば牛では無いでしょうか。シマウマやヤギなども動物園で人気の草食動物です。草食動物は特別な機会を除き、基本的には草や木の実、花や果実などの植物しか食べません。また、消化に時間が掛かる食べ物(植物)を主食としていますので、非常に長い消化器を持っており、牛や羊など一部の草食動物は、4つの胃を持ち、一度飲み込んだ食べ物を再び□の中に戻して再び咀嚼をします。その行為を反芻(はんすう)と呼び、牛や羊などを反芻動物と分類しています。牛や羊などが、常に口を動かしているのはその為です。このように牛や羊などが、一日中ダラダラと食事をしているのには理由があります。決して飼育員さんが牛や羊などを甘やかして「置きエサ」をしているわけではありません。




肉食動物はどうなの?
消化に時間が掛かる食べ物を主食としている為、長い消化器を持つ草食動物に対し肉食動物である猫は、比較的噛みやすく消化しやすい肉を主食としますので、草食動物に比べると消化器は短く、口の中に入った食べ物を咀嚼する歯を持ち合わせていません。ですので口の中に入った食べ物は丸のみで食べる事が出来、事情があって全抜歯した場合でも、硬いドライフードを問題無く食べる事が出来ます。たまにドライフードを噛まずに食べる事を心配なされる飼い主様がおられますが、それが肉食動物である猫本来の食べ方ですので心配は要りません。また、草食動物は基本的には植物しか食べない動物ですが、肉食動物は肉しか食べない訳では無く「肉も」食べる動物です。肉以外の植物も大切な栄養源となります。但し、肉食動物は体の構造上、植物を消化する事がとても苦手な為、草食動物の内臓で消化が始まっている植物を食して栄養バランスを整えています。よって、肉食動物である猫だからと言って、お肉に偏った食生活ではいけないと言う事が分かります。




毎日食べないのが肉食動物!
多くの動物園では、トラやライオン、チーターなどの肉食動物には週1回~数回の絶食日を設けています。また、食事を与える日であっても食事の回数は1日1回です。これが肉食動物の食生活です。また、野生の肉食動物も毎日狩りはしません。また、1日に何回も狩りはしません。猫も同じなのです。本来は、草食動物のように毎日食事をしたり、1日に何回もダラダラと食べたりはしないのです。それなのに、キャットフードメーカーや動物病院、ペットショップ、ペットフーディストなどの資格をお持ちの方などが、猫の食事は1日3回以上に分けて、一度に沢山与えずに少量ずつ食べさせるような食生活を推奨なされます。ですが、このような誤った食事指導によって、尿がアルカリ化して、膀胱炎やストルバイト結石などの下部尿路疾患を患う子が多くなってしまっています。資格や免許を持った人間が必ずしも正しい情報のみを発信しているわけではありません。肉食動物である猫本来の食生活を考えれば、どの情報が正しいかを判断していただく事が可能かと思います。肉食動物である猫にとって、1日3回以上の食事や、置きエサによるダラダラ食いは身体にとって害でしかありません。くれぐれもご注意ください。


与えない事も食事管理のひとつです!
まず、絶食(ぜっしょく)とは?
インターネットで検索すると次のように出てきました。「食を絶つこと。食物をまったくとらないでいること。断食(だんじき)。」
ひと昔前は絶食や断食と言うと、宗教的な精神修行のイメージがありましたが、今はファスティングなど腸活や健康管理のイメージが強くなってきたように感じます。ファスティングは「何も食べない!」と言うよりは、一定期間において固形物は食べずに、酵素ドリンクやプロテインなど、ある程度の栄養を摂取出来るドリンクは口にすると言った感じで、日頃働いてくれている胃腸や内臓、消化器官などを休ませ、体内に蓄積した老廃物や毒素の排出を促し、腸内環境を整える為に行う食事管理の事を言います。また、一定期間と言っても、時や場合、目的などによって異なり、12時間程度の絶食もあれば、数日間による場合もあります。それでは、犬や猫にとって絶食はどのような効果が期待出来るかをお話したいと思います。




まずは絶食をして様子を見て欲しい時は?!
当店では基本的に1日2回の食事を推奨しておりますので、12時間何も食べない事は絶食とは言わないです。それが当たり前の食生活になります。しかし次のようなケースでは、12時間に1回の食事も抜いて様子をご覧いただきたい場合があります。それは、頻尿が見られる時です。頻尿とは、猫に多いですが、短時間の間に何度もトイレへ行って排尿のポーズをとるが、殆ど尿が出ない事を言います。その多くの原因は膀胱炎やストルバイト結晶です。いつも言いますが、膀胱炎やストルバイトの原因は尿のアルカリ化です。また、尿のアルカリ化の原因は空腹時間の短さやたんぱく質の過剰摂取ですので、一定の期間絶食をする事で、尿が酸性を維持し、膀胱炎やストルバイトの解消に繋がります。実際には24時間~36時間程度の絶食をおすすめします。もちろんお水は常に飲めるようにご用意をお願いします。食事を摂らない分、お腹が空くので、いつも以上に水を飲むはずですのでたっぷりとご用意をお願いします。そして、その後は1日2回の食事を徹底して、食べ残しがあっても置きエサをしないようにお願いします。




こんな時も絶食が一番の特効薬!
犬や猫でも、原因不明でお腹を壊したり嘔吐をしたり、事情があって日頃は与える事は無い変わった物を食べて下痢をしたり、食べ過ぎで嘔吐をしたりする事があります。そのような時は絶食が一番の特効薬です。もちろん動物病院で診察を受けて適切な治療を施してもらう事も大切ですが、まずは慌てずに絶食をお願いします。良くある間違いが、食事を食べた後に食べた分をそのまま吐いたので、先程の食事では栄養補給が出来ていないであろうと判断し、再度食事を与えてしまうケースです。一食や二食程度、栄養補給が出来ていなくても大きな心配は要りません。それよりも、吐き気がある時に食べ物を与えると高確率で再度嘔吐をします。下痢の場合も同じです。下痢をしている時に食べ物を与えると再度下痢をする可能性が高いです。ですので、まずは絶食をお願いします。一定の期間、絶食をして胃腸を休めてあげましょう。1日や2日程度の絶食で栄養不足(栄養失調)にはなりませんのでご安心ください。また、愛犬愛猫が少しお腹を痛そうにしている時や、ゲップをしている時、おならをしていたり、お腹がキュルキュル鳴っている時なども絶食がおすすめです。規則正しく食事を与える事も大切ですが、食事を与えない事も健康管理になります。必要な時には勇気を持って食事を抜いてあげてくださいね。


食べない原因は他にある!
猫に多い慢性腎不全。多いと言うかほとんどの猫が加齢とともに患います。その猫の慢性腎不全をインターネットで調べると、「多飲多尿」「食欲不振」「嘔吐」などが代表的な症状であると言う事が分かるかと思います。その為、動物病院で「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断された飼い主様は、下記のような内容で当店にお問い合わせをいただく事が多いです。

「先日、健康診断で初期の腎臓病と診断されました。腎臓病対応のフードを与えたいと考えていますが、腎臓病の影響により食欲があまり無く、腎臓病対応のフードを食べてくれません。何か良い方法や、良いフードはありませんか?」

言葉は違えど、同じような内容のご質問を非常に多く頂戴致します。ですが、、、、、




本当に食欲不振なの?
確かに腎不全を患うと食欲が低下して、何も食べる事が出来なくなります。そう!何もです。腎不全による食欲不振を舐めてはいけません。本当に何も食べる事が出来なくなるのです。それ程しんどくなる病気です。そして、そのような状態に陥るのは腎臓病の末期です。「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」では食欲不振にはなりません!例えば、BUN(尿素窒素)の値が60台や80台程度、クレアチニンの数値が2.6や2.8程度であれば、確かに「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断がくだされるかと思いますが、何も食べる事が出来ない程の食欲不振にはならないはずです。ですので、「いつも食べているフードは食べるけれど、腎臓病対応のフードは食べてくれない。」や「数種類の腎臓病対応のフードを試してみたが、食べるのは初めの一口だけだったり、ニオイを嗅ぐだけで一口も食べないフードもあった。」などは、食欲が無いとは言いません。それは腎不全による食欲不振では無く、若い頃から甘やかして育てて来た事によるワガママです。




長生きをしてほしいのであれば厳しくしないと!
腎臓病の治療は何と言っても食事療法です。投薬をして治るような病気ではありません。1日でも長く一緒にいたいのであれば、食事を徹底するしかありません。腎臓病の場合は、「病気だから甘やかして食べたい物を食べさせる」と言ったような事は通用しません。食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせてください。過去のコラム●「愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!」でも書きましたが、食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせるには、ご愛猫に選択肢を与えない事が大切です。沢山のサンプルを取り寄せたり、小さなサイズの製品を買っては諦めるなどのような事はしてはいけません。

尚、「猫は好き嫌いが激しい」や「猫は同じフードを続ける嫌がる」や「猫はちょこちょこ食べしか出来ない」などは誤った情報であり、間違った飼い方(食事の与え方)や甘やかしが原因です。病気になってからでも食生活を見直す事は可能ですが、出来れば若い健康な頃から、規則正しい食生活を実践し、好き嫌いをしない子に育ててあげてくださいね。


甘やかしていると後悔しますよ!
犬でも猫でも同じ事が言えるのですが、甘やかしてしまった結果、食生活が乱れてしまうと、結果的にかわいそうな目にあうのは犬猫達です。甘やかすとは具体的にどのような事なのかと言うと、あくまでもここでは食生活においての甘やかしについてお話をしますが、最も多い甘やかしが、間食の与え過ぎです。間食とはおやつやご褒美の事を言いますが、基本的には与え無くても良い食べ物の事です。人間も同じですが、おやつは食べなくても良い物ですし、ご褒美はおやつを与えたい飼い主側の都合の良い呼び名とも言えると思います。おやつを与え過ぎるのは犬猫にとって良くない事と認識されておられるのですが、ご褒美はおやつに含まれないとお考えの方が多いです。実際に、「おやつは与えないけど、トイレのご褒美は与えています。」なんて方が多いですから。ご褒美であっても、犬猫からするとおやつです。間食を全く与えてはいけないとは思いませんが、朝晩の食事の食いつきに影響が出るほどの量や回数を与えるのは、完全な甘やかしです。結果、おやつは食べるけれどフードは食べないので、「うちの子は好き嫌いが激しい」「うちの子は食が細い」「うちの子は食に興味が無い」などとなるのですが、だいたいそのようなご家庭の犬猫達は太っていますよね・・・。




絶対やってはいけない甘やかしは置きエサです!
もう何度も何度もお伝えをしておりますが、置きエサは絶対にしてはいけません。間食の与え過ぎで朝晩2回の食事の食べが悪くなって置きエサをしているケースや、1日に3回も4回も食事を与えるが故に1回の食事への執着心が薄れて食べ残すようになって置きエサをしているケース、1回の食事の量が多過ぎるのにも関わらず完食をしないからと言って置きエサをしているケース、自動給餌器を使用して食事を与えているので食べ残しを下げる事が出来ずに置きエサになっているケースなどなど、置きエサには様々な原因が考えられますが、置きエサをすると必ず好き嫌いが激しくなります。そして、ガツガツと勢い良く食べる事が無くなりますので、食が細いと勘違いをしてしまい、ついつい甘やかしてしまって、日替わりのようにフードを変えたり、1日に何回も手のひらからフードを与えるようになったりしがちです。結果、空腹時間が短くなり、尿のpHに乱れが生じ、膀胱炎やストルバイト結石などを繰り返し発症するようになります。置きエサをしていると、必ずと言っても良いほど、膀胱炎やストルバイト結石を患います。ですので、何があっても絶対にしてはいけない甘やかしが置きエサになります。




フードの追い足しは禁物!
1日2回の食事を徹底し、食べ残しがあっても置きエサをせずにお皿を下げてしまうようにしていただいていれば、どのようなフードが出て来てもガッツいて必死になって食べるはずですなのですが、何故かフードを選り好みしたり、好き嫌いが激しくなる事があります。このようなケースで多いのが、フードの追い足しです。フードの追い足しとは、例えばAのフードをお皿に入れて差し出すとします。しかし、気に入らないのか匂いを嗅ぐだけで食べなかったり、半分程度を残したりしているので、そこにBのフードを加えたり、Cのフードを別のお皿に入れて差し出したりする事です。このような事をしていると、せっかく1日2回の食事を徹底していただいても、好き嫌いが激しくなりフードの選り好みをするようになってしまいます。ですので、一度差し出したお皿の中身に手を加えてはいけません。フードがお皿に残っているからと、そこにふりかけを追い足しするような事は絶対にしてはいけないのです。また、二つ目のお皿を追加で差し出す事も絶対にしてはいけません。うちの子は好き嫌いが激しいとお思いの方、うちの子は食が細いとお思いの方、このような甘やかしによって、苦しい思いや痛い思いをするのは愛犬や愛猫ですよ。可愛いからこそ、食生活に対しては厳しくしてあげてくださいね。


初めの頃を思い出してください。
子犬や子猫の頃から愛犬・愛猫と暮らし始めたと言う方は少なくは無いと思います。ペットショップで購入したり、保護団体から里子として迎え入れたり、知り合いの家で産まれた子を譲り受けたりと、経緯は様々であったとしても、家に迎え入れた当初の頃を思い出していただきたいです。その子が初めて飼ったペットであれば尚更です。当然、初めは誰でも初心者ですので、何をどのようにすれば良いか全く分からない状況だったと思います。誰かに聞いた食事の与え方や食事の内容をそのまま実践しておられたと思います。「こんな感じで良いのかな?」「これで大丈夫なのかな?」などと不安と向き合いながら接しておられたと思います。お皿に入れたフードを完食してくれれば、嬉しかったり安心したり、逆に少し残すと不安になったり。それが数ヶ月や数年経つと、当然の事ではありますが、「慣れてくる」のですよね。良い意味でも悪い意味でも。




最初は強い意志を持っていたとしても・・・。
初めて犬や猫と暮らす方でも「人間の食べる物を与えてはいけない!」と言う事はご存知だと思います。そして、実際に犬や猫と暮らし始めた当初は、「この子の健康の為にも人間の食べる物は絶対に与えない!」と強い意志をお持ちになられていたと思います。しかし、ご自身の食事中にテーブルの横で物欲しそうな目で見てくる愛犬や愛猫の姿に負けて、最初は「1回だけ!」「一口だけ!」のつもりでつい。また、ペット用のおやつに関しても当初は、「少しだけなら」と言うお気持ちで与え始めるのですが、催促に負けてついつい。そう、感覚は麻痺してくるのです。「1回だけ!」「一口だけ!」「少しだけなら」のつもりでも、絶対に量や回数は増えてしまうのです。ですが、「少しだけだから大丈夫でしょ!」と、自分に言い聞かせ、愛犬や愛猫の催促に負けて量や回数が徐々に増えて行ってしまうのです。




最終的には都合の良い解釈で・・・。
こうなってくると当然のように食事を残すようになってきます。今までは朝晩の食事を無我夢中で食べていたのに、徐々に食べる勢いがなくなって来て、完食をせずに残すようになってきます。このような時でも、既に感覚が麻痺しているので、「フードが飽きて来たのかな?」「フードの粒の色や形、香りがいつと少し違うからかな?」「成長期が過ぎて食べっぷりが落ち着いて来たのかな?」「口が大きくなって来たので小粒が食べ辛いのかな?」「暑くなって来たから夏バテかな?」などなどと、ご自身の過ちは棚に上げて、都合の良い解釈をしてしまいがちです。そうなると結果的には「置きエサ」をするようになります。いつも言っていますが、置きエサはストルバイトなどの尿路結石、膀胱炎の原因となります。この置きエサに関しても、「置きエサはしていません。完食していなくてもお皿は1時間程度で下げてしまいます。」のような事を言う方がおられますが、1時間もお皿を出しっぱなしにしていれば充分に置きエサです。また、「おやつは与えておらず食事は朝晩の2回です。寝る前にミルクを飲ませるだけです。」と言うケースも多いですが、それでは食事が3回になります。フードを与えないから食事では無いと言う解釈は間違っています。栄養を摂取していればそれは食事です。更に、「間食は与えていません!」と言う方の中には、食事を1日に4回も5回も与えている方がおられます。この多くが、食事の食べが悪く、1回の食事では少量しか食べないので、回数を多くしているのですが、食事回数を増やせば増やす程、犬や猫は食べなくなっていきます。いわゆる贅沢病です。1日に何回も食事を貰えるので、好きな食事が出て来るのを待ってしまうのです。「今回は食べなくても、次の時に食べれば良いや。美味しいご飯が出てくれば良いのにな~。」となってしまうのです。食べなくても毎回同じ内容の食事を出し続けると諦めて食べてくれるのですが、このようなケースでは大半が味変をした食事を提供してしまいます。そう、犬や猫は味変をしてくれるのを待つようになってしまうのです。結果、味変の為に、ち●~るをトッピングしたり、ボイルしたお肉をトッピングしたりして、栄養バランスの乱れた食事を与えるようになって、体調を崩してしまいます。当然ですよね。なので、毎日のように繰り返していると感覚が麻痺してきて、正しい解釈をする事が難しくなってきます。まずは、初心に戻って朝晩の食事のみの生活を取り戻すようにお願いします。


特にお悩みの無い子のフードはどうして選べば良いの?
意外とフード選びの難しいケースが、何のお悩みも無い子だったりします。尿路結石や皮膚疾患や腎臓病などのお悩みがある場合は、それらを対応としたフードを選んだり、インターネットで調べたり、ペットショップや動物病院で相談をしたりして、フードを選ぶ事が可能ですが、何のお悩みも無い子の場合は、どのようなフードを選んで良いかが分かりにくく、いざ誰かに相談しても「食い付きが良くて、綺麗な便が出ていれば良いのでは?」って言われたり、「インターネットで調べたら、●●●って言うフードが人気ランキングが1位だったよ!」、「〇〇〇のフードが評価が高かったから使ってみたら?」なんて事になり、結局は「このフードで特に体調に問題が無いので、まぁいいか。」ってなったりしがちです。確かに、現時点で健康状態に問題が無ければ、無理にフードを変える必要は無いと思いますが、間違った情報を鵜呑みにしてしまって、良くないフードを選んでしまっているケースも少なくはありません。また、そのようなフードを与えていても、1歳や2歳程度であれば健康状態に影響しない場合が殆どで、年齢を重ねるにつれて、徐々にダメージが大きくなり、健康状態に問題が生じる事が多いです。




何度も言いますが「お肉たっぷり」は危険です!
フードを選ぶにあたって、インターネット検索を使用すると、殆どのケースが「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。実際に「ドッグフード おすすめ」などのキーワードで検索すると、ドッグフードの比較サイトやランキングサイトが上位に表示されます。サイトの中身は、実際に流通しているドッグフードが何種類も紹介されており、ペットフード安全管理者や犬の栄養管理士、ペットフーディストなどの肩書きを名乗った方々が、ドッグフードの選び方や製品パッケージの見方などを語っておられたりしています。そして、最終的には「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」である製品がイチオシとして紹介されるパターンが目立ちます。これはドッグフードに限らず、キャットフードでも同じです。「キャットフード おすすめ」などのキーワードで検索すれば、ドッグフード同様に「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。もう何故かはお分かりいただけますよね。消費者庁にはもう少しきちんと規制をしてもらいたいものです。




何もお悩みの無い子はこんなフードを選ぼう!
現時点で、特に健康状態にお悩みが無い子の場合は、下記のような内容のフードをお選びください。

ドッグフードの場合、成犬であればたんぱく質含有量が20~25%程度のフード、穀物は使用していても問題ありません。但し、小麦(グルテン)を使用しているフードは出来る限り避けてください。トウモロコシや米などは避ける必要はありません。穀物に含まれる食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。また、子犬であっても生後3ヶ月を過ぎれば成犬用で大丈夫です。高齢期に差し掛かってくれば、たんぱく質含有量が18~20%程度のフードに切り替えましょう。

キャットフードの場合は、子猫から高齢猫まで皆、たんぱく質含有量が30%程度のフードをお選びください。子猫用や成猫用、高齢猫用などの表示はあまり気にせず、たんぱく質含有量をチェックしてフードをお選びください。マグネシウムなどのミネラルの含有量は気にする必要はありません。尿路結石とは無関係ですので。また、キャットフードの場合も穀物を避ける必要はありません。犬同様に穀物は腸内環境整備に役立ちます。尚、腎機能の低下が見られる際は、たんぱく質を控える必要が出てきますので、たんぱく質含有量を抑えたフードへの切り替えをお願いします。

また、高齢期や腎臓ケアなどの炭水化物(穀物)を多く含むフードを与える際は、出来る限り消化酵素サプリメントを使用してください。犬や猫は炭水化物を消化するのがとても苦手ですが、消化酵素サプリメントを使用する事で、消化が苦手な食材が使用されているフードでも与えやすくなります。消化が苦手だから健康維持に不要な食材とは限りません。決して、綺麗な便が出るから良いフードと言う考え方はお止めください。宜しくお願い致します。


絶対要らないペット用のおせち料理。。。
この時期になるとネットショップで良く見かけるのがペット用のおせち料理。立派なお重に入っていて2段重ねや3段重ねになっているような物も見かけます。確かに見た目は綺麗でおめでたいお正月にはぴったりだと思います。肝心な中身はどうかと言うと、多くが鶏肉や牛肉、馬肉や鹿肉、魚などを煮たり焼いたりしている物であったり、赤飯やおにぎりなどが入っていたりします。もちろんペット用に作られているので余計な味付けなどはされていないようです。更に謳い文句としては、「人間用食材を使用しています!」「無添加・無着色」「調味料不使用」などが掲げられているケースが多いです。

ん?????

何かおかしく無いですか?人間用食材を使用していて、無添加で無着色、調味料不使用の煮物や焼き物、おにぎりであれば、家にある食材で簡単に作れるのでは?赤飯に関しては塩を振り掛ける前の人間用と同じです。そのような物を数千円も出して買う必要ありますか?そして今回お話をしたい本題が、人間用に味付けされている食べ物は犬や猫に与えてはいけない!と言う考え方。逆に犬猫向けに味付けがされていない食べ物なら与えても大丈夫なのか。。。結構、大切な話です。




クリスマスケーキも要りません!
ペット用のおせち料理と同様に要らないのがペット用のクリスマスケーキや誕生日ケーキ。「脂肪分が多い生クリームは使っていません!」や「豆乳ホイップ使用なので消化が良い!」「砂糖・バター不使用!」「低カロリーだから安心!」などの謳い文句が目につきます。いやいや、、、そんなのどうだって良いんですよ。一年に1回しか食べないケーキなら砂糖が入っていても大丈夫です。カロリーだって低く無くても良いんです。日頃、日常的に与えるおやつやご褒美の場合は気にしないといけない事であっても、一年に1回なら気にしなくて大丈夫です。気にしないといけないのは与える量と、習慣にならない事です。犬や猫は、ペット用に作られているケーキと人間用に作られているケーキの違いを見分ける事は出来ません。誕生日やクリスマスにペット用であったとしてもケーキを貰えた(食べた)子は、次に人間用のケーキを見れば「また貰える!」「また食べたい!」と思ってしまいます。そもそも犬や猫には誕生日やクリスマスの認識すらありませんから。祝って喜んでいるのは人間だけ。そこをしっかりと理解した上で与えなければいけません。




結局は与える量と、その後の諦めさせが大切!
ペット用のおせち料理やケーキをおすすめ出来ない最大の理由が「量」です。ペット用に作られている為、味は薄いですし、人間の味覚では美味しくは感じにくいと思います。人間が食べないのであれば、誰が食べるのかと言うと犬や猫ですよね。一口だけ食べさせて残りを捨てるなんて事はしないと思います。そうなると量を多過ぎるのです。一度に沢山食べさせるか、何日間にわたって少しずつ食べさせるのかは分かりませんが、どっちにしろ食べ過ぎになるのです。添加物や調味料を使用していないからと言っても、沢山食べさせる事が出来るような内容(栄養成分など)では無いはずです。偏った栄養なのに、犬や猫からしたら、いつものフードに比べると超美味。こうなると、いつものフードの食い付きに影響が出て来てしまいます。なので、一年に1回、それも一口程度しか食べないのであれば、人間用のおせち料理やクリスマスケーキで良いのです。もちろんあげないに越した事はありませんよ。あくまでもあげるとしたらの話です。皆さんが食べておられるおせち料理やクリスマスケーキを一口だけ与えて、その後は欲しがっても諦めさせてあげてください。大切なのは与える「質」より「量」です。ペット用に作られた味付けがされていないおせち料理を沢山食べるのと、味付けがされた人間用のおせち料理を一口だけ食べるのであれば、後者の方がかなり安全です。味付けがされていなくても、お肉や魚などを沢山食べると急性膵炎などを発症する可能性もあります。前回のコラムでお話をした「低脂肪だから大丈夫」や今回の「味付けがされていないから大丈夫」の考えは非常に危険です。年末年始はくれぐれもご注意ください。


低脂肪なら良いと思っていませんか?
誤った食事指導をする獣医師やペットショップの店員に多いのですが、「フードの食いつきが悪い時は低脂肪の鶏のササミならトッピングしても大丈夫ですよ。」って。まわりにもおられませんか?低脂肪のお肉なら大丈夫って考えの人。「馬肉は低脂肪だから安心なのよね~。」「おやつで与えるなら低脂肪の鹿肉よね~。」何でしょうね?何故低脂肪なら安心してしまうのでしょうか?低脂肪と言う事は高たんぱくなのですよ!低脂肪で低たんぱくなお肉なんてありませんから。確かにおやつとして少量を与える際は低脂肪の方が好ましい場合はありますが、主食として与えるには低脂肪で高たんぱくなお肉はおすすめ出来ません。




高齢や病気で食欲が無い時には?
実際に多いのが、腎臓や肝臓に不安がある為に、低たんぱくのフードを使用してるにも関わらず、食い付きが悪いからと言って低脂肪の鶏のササミをトッピングしているケース。犬の場合なら、ドライフードはたんぱく質が15%程度に抑えられているフードを使用しているのに、水分を除去すれば70~80%はたんぱく質の鶏のササミをトッピングしているとはまさに本末転倒。そもそもお肉単体のトッピングで嗜好性を高める手法はおすすめ出来ませんが、それでも鶏のササミを使うぐらいであれば脂身の多いお肉の方がマシと言えます。ドライフードやウエットフードのたんぱく質と脂質の比率を見てお考えいただければお分かりいただけると思います。たんぱく質が15%程度に抑えられているドライフードでも10%程度の脂質は含まれています。腎臓ケアのキャットフードの場合は、たんぱく質が25%程度に対して脂質が20%程度含まれています。脂肪を沢山摂取すれば良いと言う訳ではありませんが、バランスで考えると、低脂肪のお肉は主食には向かないと言う事がお分かりいただけると思います。




太っていないからでは安心出来ません!
手作り食を食べている子の多くが、ある程度の年齢を重ねると肝臓や腎臓の数値に指摘を受ける事になります。若い時は問題が無いのですが、高齢期に差し掛かると、手作り食に使用している、高たんぱく・低脂肪のお肉が内臓に負担を掛けてしまうからです。また、手作り食を与えていると好き嫌いが激しくなる傾向がありますので、お肉の量を減らすと食べが悪くなり、ついついお肉の量が増えてしまう事があります。また、飼い主様としては低脂肪のお肉だから少々量が多くなっても大丈夫と勘違いをしてしまいます。結果、低脂肪の食事ではありますが、とても高たんぱくな食事となってしまい内臓が悲鳴を上げる事になるのです。手作り食を与える事やドライフードへのお肉のトッピングを推奨しているわけではありませんが、「低脂肪だから大丈夫!」の考えは危険ですのでくれぐれもご注意ください。低脂肪の食事で太っていないから大丈夫と思っていると危ないですよ。


ふたり(二匹)は仲良くなるのか!?
既に愛犬・愛猫とお暮しの方にとって、新しい家族を迎え入れるかどうかを考えた時に、最も不安に感じたり深く考え込んだりするのが、今居てる先住の子と新しく来る子が仲良く出来るかどうかでは無いでしょうか?先住の子がまだ子供であればそれほど不安にはならないと思いますが、2歳や3歳だったり、ましてや10歳以上の子であれば、新入りさんが来る事で体調を崩してしまうのでは無いかと心配になる方も居られると思います。「ひとり(一匹)だと寂しいのでは無いかと・・・。」と言う事で新入りさんを迎え入れたのに、結果的には先住の子にとっては迷惑な話になってしまって、取り返しのつかない事になったらどうしようかと。そのように思われるお気持ちは分からなくはありません。




犬同士、猫同士、犬と猫。相性が良いのは?
先住の子が犬で新入りさんが猫の場合や、先住の子が犬で新入りさんも犬、先住の子が猫で新入りさんも猫などと複数のケースが考えられますが、初めて新入りさんを迎え入れる際は、犬なら犬、猫なら猫、いやいや猫なら犬などと、どれが一番相性が良いのか分からず悩む方も多いのでは無いでしょうか。私は過去にどのパターンも経験していますので答えは分かっていますが、まずは新入りさんを迎え入れる事が良いのかどうかから始まり、その新入りさんはどのような子が良いのか分からず、いつまで経っても新入りさんを迎え入れる勇気が持てないと言う方も少なくは無いと思います。また、実際に新入りさんを迎え入れたとしても、先住の子との相性が悪く、いつまで経っても喧嘩ばかりの日々を過ごすようになったらどうすれば良いのか。悩みは尽きないですね。もちろん命あるものと向き合う話ですので、慎重になっていけない理由は一つもありません。ですが、決断が出来ずに困っておられる場合には・・・。




犬同士が良いのか?相性の良し悪しを見極めるには?
結論から申し上げますと、「何でもOK!」です。犬と犬、猫と猫、犬と猫、どのケースでも大丈夫です。相性も関係ありません。但し、楽観的に考える事をおすすめしているわけではありません。実際に新入りさんを迎え入れた当初から仲良く出来るかどうかは分かりません。初めから仲良く出来る子も居てるかも知れませんが、初めから喧嘩もせずに仲良く出来る子をお探しであれば新入りさんを迎え入れる事は諦めた方が良いかと私は思います。先住の子と新入りさんが仲良く出来るか分からないので、「お試し(トライアル)期間が必要」のようなお考えであれば、大変失礼ながら新入りさんを迎え入れる資格は無いと思います。「相性が悪そうだから返します。」や「もう少し相性が良さそうな子と交換してください。」のような考えが無ければお試し(トライアル)期間のような時間は必要が無いはずです。新入りさんを迎え入れる決断をしたのであれば、先住の子と新入りさん両方が幸せになれる方法を考えてあげてください。犬と犬、猫と猫、犬と猫、相性など関係無く、時間が経てば必ず仲良くなります。仲良くと言っても、一緒に遊んだり、くっついて寝たりするような事は望んではいけません。同じ屋根の下で家族みんなが幸せに暮らす事が出来れば良しとしましょう。たまには喧嘩をする事もあるでしょう。でもお互いの存在をとても大切に思うようになる事は間違いありません。焦らずに見守ってあげてくださいね。


実際に数多くの子猫を見て来た結果!
私事ですが、行き場の無い猫達を保護して、里親を探す活動をなされている方へのお手伝いとして子猫の預かりボランティアをさせていただいております。産まれて間もない子の場合はミルクを与える事から始まり、ある程度育っている子であればフードを与えて譲渡会の日が訪れるのを我が家で待っています。その為、うちの子では無い子猫が常に数匹、家に居てる環境になっています。ですので、年間に数十匹の子猫と一時的に暮らす事になるのですが、実際にどのような食事の与え方をしているかをご紹介したいと思います。子猫販売をしているペットショップの店員や動物病院、書籍やインターネットなどで紹介されている方法とは少々違っておりますが、実際に行っている食事方法ですので是非、参考にしていただければと思います。子猫の頃からの食生活が習慣化される傾向が強いので、子猫の頃の食事の与え方がとても重要になります。




一般的に紹介されている食事の与え方は。
子猫をペットショップで購入なされた際には店員から、「生後半年程度までは1日に3回~5回程度に分けて食事を与えてください。」や「1歳の誕生日までは1日に3回以上に分けて食べさせてあげてください。」などと、ある時期までは回数を多くして、その後は回数を減らすと言った食事の方法を紹介される事が多いかと思います。動物病院でも「子猫の間は数時間おきに回数を分けて食べさせなさい。」のような食事指導をする獣医師が多いです。ですが、生後2ヶ月程度で家に来てから数ヶ月間、1日5回以上や朝昼晩の3回などと食事を与えてしまうと、飼い主側の感覚でそれが常識となってしまい、いつまでたっても回数を減らす事が出来ずに、子猫の時期からの食事回数を大人(成猫)になっても続けておられる事があります。また、食事以外におやつを与えたり、1回の食事量が多過ぎたりなどで、食事への執着心が薄れ、フードを残すようになり、結果的に置きエサになっているケースが目立ちます。そうなると、当コラムをいつもご覧いただいている方はお分かりになられると思いますが、空腹時間の短さが原因となって、膀胱炎や尿路結石を患うようになったり、腸のぜん動運動が不活化し便秘になったりします。また、それらの原因が食事の与え方では無く、フードの内容にあると勘違いをし、フード選びに困った方が良くお使いになられる言葉の「フードジプシー」に陥る結果となります。大変失礼ながら、そのような方ほど「猫は肉食動物だから穀物は身体に悪い」のようなお考えでおられる反面、草食動物のようにダラダラ食べる事を許してしまっておられるように思います。1日何回も食事を摂るのは草食動物、数日に1回の食事を摂るのが肉食動物です。動物園のトラやライオンは毎日食事を摂りません。元来、猫も同じで毎日食事を摂る必要は無いのです。




成長期の子猫への正しい食事の与え方!
お待たせ致しました。前置きが長くなりましたが、成長期の子猫への正しい食事の与え方ですが、ここで言う「成長期の子猫」とは生後2ヶ月程度とお考えください。ペットショップなどの子猫販売は生後56日以上と定められています。生後2ヶ月程度の子猫を家に連れて帰って来たその日から、食事は1日2回でお願いします。そして与えるフードはお湯でふやかす必要はありません。ドライフードはカリカリのままで結構ですので、お皿に食べ切れない程度の多い目の量を入れて朝晩2回差し出してください。これがポイントです。フードパッケージには、生後2ヶ月の場合は「●●gを1日に5回」などと記載されていますが、生後2ヶ月から3ヶ月程度までは1回分の量を定めず、その時に食べる事が出来る量を食べさせてあげてください。但し、一度でもお皿から離れると、どれだけ残していようがその時の食事は終了です。それを朝晩2回行ってください。成猫にそのように量を定めず食べさせると「食べ過ぎ」となり体重超過に陥ってしまいますが、生後3ヶ月程度までは大丈夫です。1日2回の食事で1回の量は食べ放題で結構です。但し、先にも述べました通り、一度でもお皿から離れたら絶対にお皿は下げてください。そして次の食事の時間までは何も与えない。尚、生後3ヶ月を過ぎれば1回の量を定めて1日2回の食事をご継続ください。そうする事で、猫も飼い主様も「食事は1日2回」が習慣(常識)となります。結果、1日2回の食事の間の時間帯は猫から食べ物を催促してくる事はありませんので、「欲しがるのでついつい、いつまでも1日3回の食事を・・・。」と言う事にはなりません。

このような事を書いているのは当コラムだけだと思いますが、先にも述べました通り、年間に数十匹の子猫と暮らしている実績があります。そしてその子達を正しい食生活が送れるように育てて来た経験があります。決して机上の空論ではございません。1日2回の食事でしっかりと育ってくれます。小さい頃から1日2回の食事の徹底を是非おすすめ致します。これを実践していただくと、フードの選り好みをしない子に育ってくれて、腎不全など食事療法が必要になった際に「療法食を食べさせたいけど食べてくれない・・・。」なんて事にはなりませんよ。


原因が不明と言う事は・・・。
犬の蛋白漏出性腸症や腸リンパ管拡張症、犬猫共に多いIBD(炎症性腸疾患)など、病院で詳しく検査をしても原因が分からないと診断されるケースは少なくはありません。また、それらの多くは病気(疾患)と言うよりも、今現在起こっている症状を表す言葉と言う方が正しいと思います。何の病気が原因でそのような症状に陥っているのかを、動物病院ではしっかりと調べてくれると思うのですが、それでも明らかな病気は見つからずに「原因不明」となってしまうのです。例えば、食欲はあるが下痢や軟便が続くので血液検査をすると、アルブミンの数値が低く、更に詳しく調べると腸リンパ管拡張症が確認され、更なる原因を調べても腫瘍などは確認されずに、原因不明のIBD(炎症性腸疾患)となってしまうようなケースがあります。まぁ、原因が不明だからIBDとなるのですが。でも良く考えてみてください。今の獣医学や検査機器を使っても原因が見つからないようであれば、根本的な原因は食生活にあると疑ってみても良いのでは無いでしょうか。原因が分からないIBDだからと言って諦めずに是非一度ご相談ください。




実際に多くの改善例があります!
当店には毎日沢山のお悩みやご相談が届きます。下痢や便秘、フードの吐き戻しや胃液の嘔吐、尿路結石や膀胱炎など。殆どのケースが、動物病院で診察や検査を受けても原因が分からず、治まったと思っても暫くすると再発を繰り返す。もうこれはうちの子の体質なので仕方が無いと思っていた矢先に当店にたどり着いていただき、いちから食生活を見直していただいた事によって、症状が改善(緩和)した事は数え切れないほどあります。また、「吐くから」とか「下痢をするから」などで1回の食事量を減らし、食事回数を増やすなどの誤った解決策を行ってしまっているケースも多いです。「獣医師に言われた通りしているけど治らない。やはりうちの子の体質かな・・・。」と思い込んでいる方、是非一度ご相談ください。もちろん中には食生活の見直しだけでは症状に変化が無い場合もありますが、意外と良かれと思ってやっている食生活や、良いと思って選んでいたフードやサプリメントが原因になっている事もありますので。あと、当コラムでは何度も言っていますが、獣医師は病気(医学)のプロですが、食事のプロではございません。食事や食生活が関係していると思われる症状に関しては是非当店までご相談ください。




アレルゲンを気にするよりも食生活を!
以前にもコラムで書いた事がありますが、慢性的な下痢や軟便、皮膚の赤みや痒みなどがある時に、動物病院でアレルギー検査を行う事がありますが、アレルギー検査の結果は決して答え(正解)ではありません。症状の原因(アレルゲン)となっているのに陽性反応が出ない場合もあります。また、アレルギーには即時型アレルギーと遅延型アレルギーがあるので、症状に適した検査をしないと意味がありません。更に、犬猫のアレルギーの内、食物アレルギーの確率は非常に低く、お悩みの症状の原因が食物アレルギーである可能性はかなり低いです。また、アレルギーと良く似た症状が出る食物不耐症の可能性もあり、アレルギー検査で陽性反応が出たアレルゲンを全て除去した食生活を行っていても症状が改善しない場合は、良かれと思って与えていた食材が症状の原因になっている場合があったり、良かれと思って行っていた食事の与え方(1日3回以上に分けるなど)が原因で腸内環境が乱れ、免疫機能が正常に機能していない場合もあります。それらを踏まえて、一度食生活を見直すだけで症状が改善する場合があります。ご自身では気付けない点もあると思いますので是非一度ご相談ください。


自動給餌器って知ってますか?
ひと昔前なら「自動給餌器って何?」って感じだったように思いますが、最近ではご存知の方も多いかと思います。時間や量を予めセットしておくと、ドライフードが自動的に出て来る食器?機械?の事です。元々は旅行や出張などで帰宅が出来ずにペットだけでお留守番をしてもらう時に無人でもご飯を与える事が出来るようにと開発された製品かと思いますが、今では日常の食事も自動給餌器で与えていると言う方も増えているようです。特に一人暮らしの方や共働きのご夫婦で、ご帰宅が遅い方などがご利用になられているケースが多いかと思います。また、最近ではスマホで遠隔操作が出来るタイプや、カメラ付きなどもあって、お留守番中の愛犬や愛猫の様子をチェック出来る製品もあります。とても便利な製品だとは思いますが、個人的には日常の食事にご利用になられる事はおすすめ出来ません。




自動給餌器をおすすめ出来ない理由!
とても便利な自動給餌器ですが、最大の弱点(欠点)は食べ残しを下げる事が出来ない点です。旅行や出張などの1日や2日程度なら問題はありませんが、毎日の食事に利用すると必ずと言って良いほど、食べ残しが置きエサ状態になり、ダラダラ食いの悪い習慣がついてしまいます。また、留守中の食事ですので「足らないとかわいそう・・・。」とお思いになられる方が多く、設定するフードの量も多くなりがちです。そのような事からも、日常の食事に自動給餌器を利用なされる事はおすすめ出来ません。少々帰りが遅くなられ、愛犬や愛猫の晩ご飯の時間が遅くなったとしても大丈夫です。朝ご飯が6時で晩ご飯が22時でも問題ありません。出来る限り、目の前で食事を与えるようにお願いします。そして食べ残しがあればすぐにお皿を下げるようにお願いします。また、日中は誰も家に居ないので、自動給餌器が無いと昼ご飯を与える事が出来ないと言う方が居られますが、犬や猫に昼ご飯は要らないです。動物は1日にそんなに何回も「狩り」をしません。朝と晩にしっかりと食べれば充分ですのでご安心ください。




こんな時は自動給餌器がおすすめ!
おすすめしない、と言いながらも私自身も自動給餌器を所持しています。使用するのは年に数回ですが、どうしても帰宅が難しい時には自動給餌器をセットして外出をします。特に猫の飼い主様には覚えておいていただきたいのですが、1泊や2泊でお出掛けになられる場合は、ペットホテルに預けるよりも自動給餌器を利用する事をおすすめします。犬猫にとって最も安心出来る空間は我が家です。誰も帰って来ない家で夜を過ごすのはかわいそうではありますが、慣れない空間であるペットホテルで夜を過ごすよりはマシです。また、猫はペットホテルに預けても、殆どの子が何も食べません。3日目、4日目位になると我慢出来ずに食べ出す事はあっても、1泊や2泊ではほぼ食べません。食事以外にもトイレが出来ない子や、お水も飲まない子も珍しくありません。それどころか1日24時間殆ど動かずに同じ姿勢で固まってしまっている子が多いです。飼い主様の心理としては、ペットホテルに預けて、誰かに任せている方が安心出来るかも知れませんが、それは人間側の都合であって、猫にすると自分の家で待っている方がよっぽど楽だと思いますよ。そのような時は自動給餌器はとてもおすすめの製品です。当店では販売しておりませんが・・・。Amazonなどでお買い求めください(笑)


子犬を迎える為の大切な準備はこれ!
今の時代、殆どのご家庭が室内飼育だと思います。そこで何よりも大切に考えていただきたいのが「床」です。現代のお家の殆どがフローリングだと思いますが、犬と生活するにあたって、最も不適切な床がフローリングです。テレビのバラエティ番組やCMなどでもツルツル滑りながらフローリングを駆け回る犬の姿が映ったりしておりますが、フローリングを中心とした生活を送っていると高確率で膝や腰の関節痛を患う事になります。当然、家中の床を加工や変更する事は難しいと思いますが、愛犬が主に動き回る空間であるリビングや玄関までの廊下、寝室などは滑りにくい床に変更したり、滑りにくい塗装を施したりと工夫をしていただきたいです。また、常に爪を短く切ってあげる事も大切です。爪が長いと余計に滑りやすくなりますので。犬を家の中で飼うにあたって、最も大切なのは間違い無く足腰に負担の掛かりにくい床を用意する事です。今からでも遅くありませんので、愛犬がツルツル滑る床で生活している際は滑りにくい工夫をお願いします。




食事やご褒美の回数を間違えると危険!
インターネットで子犬の食事について調べますと、生後半年位までは1日3~5回程度に分けて食事を与えるように書かれていたりしますが、生後3ヶ月にもなれば1日2回の食事で充分です。また、生後3ヶ月頃になると、トイレやお座り、お手、待てなどのしつけをする事が多く、その際に成功のご褒美として、おやつやフードを与える方が多いです。そうすると、少量であっても朝晩の食事以外に数回食べ物を貰う機会が増えますので、徐々に朝晩2回の食事への執着心が薄れてきます。こうなると、朝晩2回の食事であっても食べっぷりが悪くなってくる場合がありますが、1日3~5回も食事を与えていると余計に食事への執着心が無くなります。この原因に気付かず、生後3ヶ月以降に食事の食べが悪くなり、「このフードは合っていないのかな?」「このフードは好きでは無いのかな?」などと別のフードに手を出し、あれやこれやと与えても数日で食べなくなって、ついついお皿を出しっぱなしにして置きエサになる事が多いです。また、しつけの際にご褒美を与えるのは、ある程度仕方がありませんが、いつまでもご褒美を与える必要はありません。トイレは覚えてしまえば、成功してもご褒美を与え無くて良いですし、お座りやお手は出来なくても問題ありません。しつけをしたいのか、ただご褒美を与えたいだけなのかが分からなくなってしまっているケースも多く見られます。ご褒美はいつまでも与えないようにお願いします。




子犬用はいつでも卒業が可能!
子犬用のフードのパッケージには「生後1歳まで」とか「生後12ヶ月まで」などと言った文言が記載されておりますが、子犬用は生後半年を待たずしてでも卒業していただいて構いません。その後は成犬用や全年齢対応などと言ったフードをご利用ください。栄養面などはあまり難しく考える必要はありませんので、シンプル且つ規則正しい食生活を心掛けてください。変に栄養面を気にし過ぎて、お肉や野菜などをトッピングした食事を与えたりする事はかえって栄養のバランスを崩したり、偏食の原因になったりします。また、朝晩の食事を少しでも残すようになれば、それは危険信号とお考えください。食事の大切さを忘れかけている何か原因があるはずです。多くの原因はおやつやご褒美の与え過ぎです。朝晩の食事の食いつきが悪くなった時ほど、甘やかしたり心配をし過ぎたりせずに、厳しい姿勢で向き合ってあげてください。愛犬が健康な食生活を送れるかどうかは飼い主様の飼い方次第です。甘やかす事と可愛がる事は違います。可愛いから、大切に思っているからこそ、厳しく接してあげないといけない事もあります。程度が分からない場合はお気軽にご相談ください。




補足で良くあるパターンをご紹介
犬との生活で良くあるパターンで、生後3ヶ月程度で家に迎え入れた時はドッグフードしか知らず、ドッグフードが一番のご馳走と感じて必死に食べる愛犬。「うちの子には好き嫌いなんて無縁だわ。」とその頃は。お手やお座り、トイレなどのしつけをする際にボーロやビスケットなどのご褒美を与え始めると徐々にドッグフードの食べっぷりが悪くなり、気が付けばドッグフードを残すように。いつも同じドッグフードに飽きて来たと勘違いをしてフードを変えたりふりかけを掛けたりするが、以前のような食べっぷりには戻らず、ご褒美のおやつは喜ぶが食事は残し気味に。いつの間にか、ドッグフードだけでは全く食べなくなり、ボイルした鶏のササミなどをトッピングして食べさすようになり、定期的な健康診断のつもりで行った血液検査で肝臓の数値の上昇、尿検査でストルバイトの結晶の検出、腹部超音波検査で胆嚢に胆泥を確認などがあり、乱れてしまった食生活を反省。と言ったパターンを幾度となく見て来ました。初めは誰しもが「うちの子に限っては大丈夫」と思っているのです。くれぐれもご注意くださいね。


水は飲まない方が良い!
「うちの子はあまり水を飲まないので心配です。」

このお悩みがめちゃくちゃ多い!何故、水を飲まない事がそれほどまで心配になるのかですが、おそらく尿路結石や膀胱炎などの診察や治療の際に獣医師が「水の飲む量が少ないからですね。」「水を沢山飲ますようにしてください。」「水の飲む量が少ないと危ないですよ。」などと誤った情報を飼い主様に伝えている事や、犬や猫の健康に関する雑誌やインターネット上などの記事で「1日の必要水分量は●●ml」などと書かれている事によると思います。ですが、実際は水の飲む量が少なくても尿路結石や膀胱炎にはなりませんし、水を飲む量が多いからと言って尿路結石や膀胱炎の予防にはなりません。結局は、尿路結石や膀胱炎と水分摂取量は何ら関係が無いと言う事です。また、健康状態に問題があり、水を飲む量が少なくなる事はありませんが、水の飲む量が多くなる事はあります。結果、水を飲まない事は心配する必要がありませんが、水を沢山飲む事は心配をしてあげてくださいね。また、食事の際に水を沢山飲ませようとする方がおられますが、口から食べて胃にたどり着いたフードは、胃液(胃酸)によって消化しやすい形に変えられて、胃液に含まれる消化酵素により分解されます。ですが、フードと一緒に水分を摂り過ぎると胃液が薄まり、胃酸や消化酵素の働きが弱くなります。ドライフードをふやかして与える方が消化が良さそうに思いがちですが意外と逆なのでご注意ください。




トイレの回数は少ない方が良い!
「うちの子はトイレ(排尿)の回数が少ないので心配です。」

これも多いです。これも尿路結石や膀胱炎を防ぐ為には、「しっかりと水分を摂取して尿量を増やす事が大切!」と言う考えから来ているかと思われますが、トイレの回数が少ないことを心配して、家中の数か所にトイレを設置したり、抱っこをしてトイレまで連れて行ったりする方がおられます。そんな事をする必要はありませんし、トイレの回数が少ない事を心配する必要はありません。また、トイレの回数が少ない事が原因で尿路結石や膀胱炎になる訳ではありませんし、トイレの回数が多ければそれらを予防出来る訳ではありません。いつも言うように、尿路結石や膀胱炎の原因は多過ぎる食事回数や長過ぎる食事時間です。水を飲む量やトイレの回数で予防出来る訳ではありません。逆に様々な病気の症状として「多飲多尿」と言う言葉がありますが、水を飲む量が多かったり、トイレの回数や尿量が多いのは、身体に異変がある可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。トイレの回数は多いよりは少ない方が良いのですよ。但し、犬猫共に腎臓病を発症した際は、皮下点滴(補液)を行うなどで、尿量を増やす事は大切になります。




毛玉は吐いた方が良い!
この時期に多いのが猫の毛玉による嘔吐へのお悩みです。犬との生活経験しか無い方からすると「猫って毛玉を吐くの?」ってお思いになられるかと思いますが、猫は本当に毛の塊を吐きます。吐かない子もいますけどね。暑くなり出すと猫は、あの小さな体からは想像が出来ない程に毛が抜けます。そして猫は自分の体を綺麗に舐めまわす習性があるので、その抜け毛を飲み込んでしまうのです。その飲み込んだ毛が胃の中で塊となってそれを吐く事があります。これは悪い嘔吐では無く必要な嘔吐なので心配する必要はありません。但し、吐かなくても排便と一緒に排泄する子もいますので、吐かないからと言って心配する必要もありません。ですが、飲み込んだ毛を吐く事が無く、排便と一緒に排泄する事も無く胃の中に溜まり続けて大きな塊になってしまう事があります。このような時には食欲不振になりますので、診察を受ければすぐに分かると思います。また、このような事態を防ぐ目的で複数の製薬会社から関連商品が発売されておりますが、身体に与える影響を考えますと、あまりご使用をおすすめは致しません。そして、胃の中に毛が溜まり続けてしまう原因は空腹時間の短さです。胃の中の食べ物が空っぽになって、毛玉のみの状態になると胃が刺激されて毛玉を吐きます。ですので、毛玉を吐くタイミングはお腹が最も空いている朝食前が多いです。ですが、置きエサをしていたり、食事回数が多かったりすると、常に胃の中に食べ物があり、胃が刺激されずに毛が溜まり続けてしまいます。ですので、製薬会社から発売されている製品に頼りがちな猫はダラダラした食生活を行っているケースが多いです。常にお伝えしておりますが、置きエサや多過ぎる食事回数によるダラダラ食いに良い事などひとつもありません。どうか1日2食の徹底を宜しくお願い致します。


結石予防のフードに多いこの謳い文句!
尿路結石予防を目的としたドッグフードやキャットフードに多く見られる信用してはいけない謳い文句が、「設定尿pH値:6.2」「尿pH6.0-6.5を目指して」「pH 6.2~6.4」などと言った、あたかもこのフードを与えると尿のpHが安定するかのような文言です。製造元のメーカーは何を根拠にそのような文言を明記しているかは知りませんが、尿のpHは食事の与え方によっても変動しますし、食事の量によっても変動します。更に、そのような文言を明記しているフードに限って、尿路結石予防に適していない内容(成分値など)になっているフードが多いです。尚、当店が取り扱いをしておりますメーカーから尿路結石予防を目的としたフードが発売されておりましても、内容が伴っていない場合は取り扱いを致しません。尿路結石は予防に適したフードを、予防に適した与え方をしなければ意味がありませんのでくれぐれもご注意ください。また、酸性食品を食べれば尿も酸性に傾き、アルカリ性食品を食べると尿がアルカリ性に傾くと勘違いをなされている方がおられます。実際に獣医師から「お肉(酸性食品)だけ食べていればストルバイト(尿のアルカリ化が原因)は予防出来ますよ。」と恐ろしいアドバイスをうけられた方もおられます。酸性食品と酸性尿は関係はありませんのでこちらもご注意ください。




おすすめのキャットフードはこれ!
ドッグフードやキャットフードをインターネットで検索していると必ず目につく謳い文句が「おすすめのキャットフードはこれ!」や「獣医師おすすめのドッグフードはこちら!」など。過去のコラムでも「獣医師監修の文字に騙されないようにご注意ください!」と何度か申し上げておりますが、このような文言を使用したサイトはほぼ全てが広告サイトです。あたかもドッグフードやキャットフードに関して詳しい人間が、実際に使用したり使用した人の意見や感想を踏まえて書かれているかのようになっていますが。。。ランキング形式のサイトや格付け式のサイトも同じく広告サイトです。結局はそのサイトに広告費用を支払っているメーカーの製品が上位に来ます。残念ながら当店で取り扱っているプレミアムフード達は殆ど圏外です(涙)お気付きの方も多いかと思いますが、そのようなサイトで上位に来るフードはいつも同じですよね。そう言う事です。




食事の吐き戻しを軽減!
最近良く見かけますが、キャットフードで「吐き戻し軽減機能」とやらの謳い文句。もう少し詳しく説明を見てみると、胃の中でキャットフードがふやけて膨張する事で吐いてしまうので、フードが素早く崩れる事で膨張を防ぎ、その効果で吐き戻しを軽減するとの事。いやいや、胃の中で膨張しても食べ過ぎていなければ吐き戻しはしません。過去のコラムでも書きましたが、猫の吐き戻しの原因は殆どが食べ過ぎです。一度に沢山の量を食べ過ぎたり、置きエサや食間が短い事により、胃の中に食べ物がある状態で新たに食べると吐き戻しをします。結局は胃のキャパを超えた食事を摂るので吐き戻しをするわけです。ですので、置きエサでダラダラ食べさせたり、パッケージに記載の給与量を鵜呑みにしてその量を与えたりすると高確率で吐き戻しをします。フードの種類は関係無く、食事の回数を1日2回に限定して、パッケージに記載されている量をそのまま与えるのでは無く、その子にとって必要最小限の量を見極めて食事を与えるようにしていただければ吐き戻しは無くなります。尚、必要最小限の食事量とは、その子が痩せ過ぎない量です。人間と同じで、食事は太るほどの量を食べてはいけませんし、痩せ過ぎるほどの量まで制限してはいけません。程良い体型を保つ事が出来る量が理想の食事量になります。判断が難しい場合はお気軽にご相談ください。


まずは猫の糖尿病とは?
人間でも良く聞く糖尿病。糖尿病と聞いてまず初めに思い浮かぶのは「肥満」では無いでしょうか。人間の糖尿病もふっくらされている方が多いイメージがあるかと思います。そもそも糖尿病が何故起こるかを簡単に説明をしたいと思います。糖尿病には1型と2型があり、1型は何らかの原因(原因不明が多い)により膵臓で分泌されるはずのインスリンが欠乏して起こる糖尿病で食生活や肥満とはあまり関係がありません。ですが、2型は主に食生活によって起こる糖尿病です。そして猫の糖尿病の多くは食生活によって起こる2型糖尿病であると言われています。




どのような症状が起きるのか?
猫の糖尿病の症状として多く見られるのが、「多飲多尿」「食欲増加」です。しかしこの2つの症状は他の病気にもみられる症状ですし、特に気にしなければ「元気がある」と判断してしまう症状である為、糖尿病の初期段階で診察及び治療を受けるケースは非常に少ないです。しかし実際には、既に体内で異変が起き始めており、食事を摂る事によって生まれる栄養素である「糖」がインスリン不足によって上手く処理出来なくなり、血中の糖濃度が高くなって血糖値の高い状態が続くようになってしまいます。この頃でも注意深く観察していると、尿が正常時よりも少し甘いにおいがしている事があります。また、この頃は殆どの猫が体重超過(肥満気味)であると考えられます。この時点で気が付かずに対処が遅れると。




症状に変化が見え始めると危険な状態に!
「多飲多尿」「食欲増加」「体重超過」のまま放置していると、徐々に「多飲多尿」「食欲増加」「体重減少」になり、更に進行すると「多飲多尿」「食欲不振」「体重減少」となって行きます。このような症状が見られる時点では糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる非常に危険な状態になっている事が多く、緊急入院を要する可能性がありますので一刻でも早くに動物病院で受診するようにお願いします。このような大変恐ろしい病気の猫の糖尿病ですが、初めに書きましたように主に食生活によって起こります。では実際にどのような食生活を行う事で糖尿病発症のリスクが高くなるかですが。。。。




猫の糖尿病発症の原因の大半が!
もちろん例外もありますが、糖尿病を患う猫の食生活の大半が「置きエサ」です。また、置きエサによる食生活を送っている猫の大半が体重超過(肥満)です。置きエサをしていると、好き嫌いが多くてガツガツ食べる事が無いのに太っており、「うちの子は食が細いのに太りやすい」と勘違いをしておられるケースが多いです。そのような食生活をしながら糖尿ケア(糖尿病サポート)のフードを食べても何の効果もありません。また、糖尿ケア(糖尿病サポート)のようなフードは高タンパク質・低炭水化物(低糖質)になっているフードが多く、糖尿病を発症しやすい高齢期に腎不全や膵炎の発症リスクが高くなる高タンパク食のフードを与えるのは非常に危険です。そのような事もあって、当店では糖尿ケア(糖尿病サポート)のようなフードは販売をしておりません。糖尿病の予防や治療には、糖尿ケア(糖尿病サポート)のようなフードを与えるよりも、食事の与え方を見直す事の方が大切になります。今回の糖尿病に限らず、何らかの疾患に特化した療法食を与える事によって、他の疾患を併発する事も珍しくはありません。くれぐれもご注意ください。


どうして好き嫌いをしてしまうかを考えて!
犬にも猫にも言える事ですが、何故好き嫌いをするのか?何故今まで食べていたフードを食べなくなるのか?多くの方が、「飽きた」「フードの質が変わった」「鮮度が悪い」などの理由を考えてしまいますが、ほぼ全てのケースが「贅沢すぎる食生活」が原因です。贅沢すぎる食生活とは何かと言うと、簡単に言えば空腹時間が短いが為に、貰える食事のありがたみが失われてしまっている事です。人間に例えて考えてみてください。出された食事を食べないってとっても贅沢な話ですよね。食べ物と分かっているのに食べないのですから。あまり好きで無い料理が出て来ても、その食事を食べないとお腹が空いて苦しくなると思うと頑張って食べますよね。もっと言うと、数日間食事を摂る事が出来なくて、極度の空腹状態の時であれば、日頃嫌いで食べたくないと思っている料理であったとしても、飢えをしのぐ為に必死になって食べますよね。そこまで極端な話で無くても、忙しくて朝昼共に食事を摂る事が出来なければ、晩ご飯は好きな料理で無くても美味しく感じたりしますよね。




早速今からお願いします!
愛犬や愛猫が、フードを食べない食べないとお悩みの方。このコラムをお読みいただいた直後より12時間程度、愛犬や愛猫に食べ物を一切与えずに時間を過ごしてみてください。12時間程度何も食べなくても体には何の悪影響もありません。ご安心ください。12時間の間、催促をして来ても一切何も与えないでください。お水だけは自由に飲めるように置いといてあげてくださいね。決してお水を手であげたり、お皿を持ち上げてお口のそばに持っていくなどはしないでください。お水の入ったお皿を置いておくだけで大丈夫です。そして、約12時間後にいつもの食べが悪いとお思いのフードでも結構ですので、お皿に入れて差し出してあげてください。愛犬・愛猫はとてもお腹が空いている状態だと思いますので、差し出されたお皿の中身を覗きに来ると思います。その結果、食べても食べなくても今回はそれで合格です。お皿の中身を覗きに来ると言う事は、食べる意欲はあると言う事です。体調不良で食べられない訳では無いので、結果的に食べても食べなくてもどちらでも構いません。もちろん食べればそれはそれで良い事です。12時間しっかりと空腹時間を維持する事で、言葉は悪いですが「飢えて」食事のありがたみが分かってくれたと思います。反対に食べなくても食欲がある事は確認出来たので、そこは甘やかさすに再度12時間後まで何も与えずに同じ事を繰り返してください。結果的に24時間程度の絶食となる可能性がございますが、何も心配は要りません。その程度の絶食で急に栄養不足や低血糖になる事はありません。




サンプルを取り寄せて色々試すよりも!
今まで食べていたフードを食べなくなった際に、多くの飼い主様が他のフードをご購入なされたり、サンプルを取り寄せて試してみたりなされますが、そんな事をしてもその場しのぎにしかなりません。目新しいフードに惹かれて1食や2食は食べても、どうせまた食べなくなってしまいます。それよりも何故食べなくなったのかをしっかりと考えてみてください。当店の無料サンプルのレビューにも多くの気になる書き込みがございます。「あまり好みで無かったのかプィとどこかに行ってしまいました。」や「サーモンが嫌いなのかひとくち食べただけで終了。」「粒が大きいので食べませんでした。」などなど。。。いやいや、違いますよ。贅沢過ぎるのです。食事を貰える時間が限られていれば、食事のありがたみを感じて、好みの味で無くても食べますし、サーモンが嫌いでも食べますし、粒が大きくても食べますよ。失礼ながら、そのような書き込みをなされている飼い主様はいつまでたっても「フードジプシーです。」などと言ってあらゆるフードを試してはあれはダメ、これもダメと言った感じになってしまうかと思います。ですので、好き嫌いをしてフードを食べない子には食事のありがたみを分からす事が大切です。最後に念の為に書いておきますが、食事を与えないのは虐待ですが、食事を与えて、食べない食事を下げるのは虐待ではありません。立派な健康管理です。逆に、好き嫌いをして食事を食べない子に対して、好きな物を与え続けたり、食事の入ったお皿を置きっぱなしにするのが正しい飼い方(育て方)と言えますでしょうか?病気になってからでは遅いですよ。尿路結石や膀胱炎、慢性的な下痢や便秘なども間違った食生活が関与している事が大半です。是非、規則正しい食生活を宜しくお願い致します。