当店のアレルギーについての考え方です。



犬や猫にⅠ型アレルギーはほぼ皆無!
アレルギーと言っても症状や原因は様々です。また、アレルギーには複数の種類があります。例えば、人間に多く見られてアレルギーの代表格とも言える花粉症。この花粉症はⅠ型アレルギーに分類され、アレルギーの原因物質である花粉(アレルゲン)が体内に入った直後に症状を発症するタイプのアレルギーで即時型アレルギーとも呼ばれます。花粉症と同じ即時型のⅠ型アレルギーの重症化がアナフィラキシーショックであり、蕎麦粉アレルギーやピーナッツアレルギーなどがあります。この即時型のⅠ型アレルギーの原因物質を調べる検査がIgE抗体検査となり、動物病院で行われる、いわゆる「アレルギー検査」です。残念ながら犬や猫には即時型のⅠ型アレルギーはほぼありません。ですので、IgE抗体を調べるアレルギー検査の結果はほぼ無意味となってしまいます。ちなみに犬や猫がⅠ型アレルギーを発症するとすれば、ワクチンアレルギーくらいではないでしょうか。ワクチン接種の必要性の有無も考える必要があるかも知れませんね。




食べ物によるアレルギーを疑うならⅣ型アレルギー!
犬や猫には即時型のⅠ型アレルギーはほぼ無いと言いましたが、あるとすればⅣ型アレルギーになります。このⅣ型アレルギーは遅延型アレルギーと言われ、原因物質であるアレルゲンを体内に取り込んでから、半日や数日経って反応が起こる事が多いです。このⅣ型アレルギーの原因物質を調べる検査がリンパ球反応検査(犬のみに使用)と言います。IgE抗体検査をするよりはリンパ球反応検査をする方が良いと思います。ですが、リンパ球反応検査をしたところで答えは見つかりません。何故なら、検査結果は答えでは無く参考資料だからです。検査結果で陽性反応を示しているからと言って、必ずその物質がアレルゲンとは限りません。その為、実際は食する事が出来る物質(食材)までもを除去してしまい、食事の選択肢を失ってしまうケースもあります。また、即時型のⅠ型アレルギーよりは発症率は高いと思いますが、それでも犬猫にとってはⅣ型アレルギーも非常に稀なケースです。




陽性反応があってもアレルギー症状とは限らない!
皮膚に痒みや発疹がある時に、アレルギー検査(IgE抗体検査やリンパ球反応検査)をし、その結果いくつかの陽性反応が出たとしても、陽性反応が出た物質(食材)と発症している症状の原因が一致しているとは限りません。逆に、何の症状も出ていない時にアレルギー検査をすると、複数の陽性反応が出ます。また、その陽性反応が出た物質(食材)を摂取している事も珍しくはありません。結局は、検査結果はあくまでも参考資料で、正しいアレルゲンを調べるには実際に食べてみて反応を確認するしか方法はありません。また、先にも述べました通り、犬猫にとって食物アレルギーは非常に稀なケースです。皮膚に痒みや発疹などの症状があるからと言って、それが食物アレルギーによる症状とは限りません。これはとても重要な考え方です。




アレルギーに似ている食物不耐症!
誰もが食中毒は食物アレルギーでは無いと認識していると思います。でも食中毒で蕁麻疹の症状が見られる事も珍しくありません。食物アレルギーで無くても皮膚疾患は出るのです。決して、「皮膚疾患=食物アレルギー」とは決め付けないようしましょう。また、犬猫の皮膚疾患の原因として最も多いのが、食物アレルギーと似た症状が出る食物不耐症です。食物不耐症は、遅延型のⅣ型アレルギーと同じように原因物質(食材)を摂取してから半日や数日経って反応が起こる事が多いです。その原因は「食物不耐症は腸で起きている!」からです。本来、口から摂取したたんぱく質は体内でたんぱく質分解酵素によってアミノ酸に分解されて腸に届くのが理想ですが、たんぱく質分解酵素の不足によって、未分解のまま腸に辿り着いたたんぱく質に対して、体が反応しアレルギーと似た症状を引き起こしてしまいます。また、未分解のたんぱく質以外には有害な化学物質や農薬などにも反応する事もあります。更に意外ですが果物に含まれる糖分である果糖に反応する子もいます。ですので、食物不耐症の対策としては、安全な食事(フード)を摂る事と、たんぱく質分解酵素が不足しないように、消化酵素サプリメントを積極的に摂取する事に限ります。症状が気になる場合はアレルギー検査よりも、まずは消化酵素サプリメントをご検討ください!

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