まずは食物アレルギーを理解しよう!

食物アレルギーとは、特定の食べ物(食材)に対して体が敏感に反応してしまうことで、免疫機能が大きく関係しています。
本来は、体によってプラスに働くはずの免疫機能が、正常なコントロールを失い過剰に反応してしまい、犬猫では「皮膚の痒み」「皮膚のただれ」「外耳炎」「目やに」「涙やけ」「くしゃみ」等の症状が多く見られます。



免疫機能の過剰反応とは?

体の中には「抗体」と言われるものがあります。抗体は見張り番のような存在で、「悪者が侵入したぞ~!」と、体内に入ってきた敵を撃退するのが仕事です。とても大事な存在です。ですが、体にとって無害であるはずの物質に対しても誤って撃退してしまう反応が「免疫機能の過剰反応」です。



過剰反応の原因は?

まず下の図をご覧ください。
牛肉を口から摂取(食べた)した時の体の中の様子です。

口から摂取する時点では「牛肉」と言う大きな物質ですが、胃や十二指腸を通過する間に、小さく分解されて「アミノ酸」となります。図で見ると●一つまで分解されている物もあれば、4個や5個結合したままの状態の物もあります。分解しきれていない状態です。この分解しきれていない状態で腸壁を通過しようとしますと、見張り番である「抗体」に捕まってしまいます。これで「牛肉=アレルゲン」となってしまいます。食物アレルギーの発症です。逆に、綺麗に分解されたアミノ酸は抗体に捕まることなく腸壁を通過して大切な栄養となります。






どうすれば良いの?

上の図を見ていると、2つの対応策が思い浮かんできます。
ひとつは、4個や5個結合したままのような分解しきれていないアミノ酸をしっかりと分解をする。
もうひとつは、見張り番である抗体を減らす。

まずは、分解の方から。
口から摂取したたんぱく質をしっかりと分解するには「酵素」がたっぷりと必要です。
元々牛肉には自身を分解する為の食物酵素が備わっていますが、この食物酵素は48℃程度の熱処理で失われてしまうと言われています。ですので、焼いたり煮たりしてしまうドライフードや缶詰に含まれる牛肉は食物酵素を持ち合わせていません。ここでは牛肉でお話をしていますが他の食材も同様です。
しかし、体内では消化酵素と言う食物酵素と同様にたんぱく質を分解してくれる酵素が分泌されていますので、食物酵素を持ち合わせていない食べ物が体に入って来た際は、体内で分泌された消化酵素が頑張ってアミノ酸に分解してくれます。

それならば、分解の方はひとまず安心。

とお思いになられると思いますが、これではダメなんです。
何故かと言うと、体内で分泌される消化酵素の量は歳を重ねるにつれて年々減少すると言われています。また、消化酵素を沢山分泌しようとすると、体にとって大変重要な代謝酵素と言う別の酵素の分泌量が減ってしまうからです。逆に言うと、消化酵素の分泌量を減らすと代謝酵素の分泌量が増えると言う事です。
従って、体内で分泌される消化酵素の力を借りなくても済むように、口からしっかりと食物酵素を摂取しなければなりません。

食物酵素を摂取するには、食材を熱処理をせずに「生のまま」食べるか、酵素サプリのような製品で補給するかどちらかになります。


そして、もうひとつの「見張り番を減らす」。
見張り番である抗体は本来、体に入って来た悪者を撃退してくれる大切な役割を持っていますが、食物アレルギーを起こしやすい犬猫はこの抗体が過剰に生産されている可能性があります。原因はストレスであったり、食生活や体質。
しかし、ここ数年の研究で乳酸菌の摂取で抗体の過剰な生産を抑える事が出来、アレルギーの緩和・予防につながる事が分かってきました。ですので、ヨーグルトのメーカーが一生懸命に「花粉症やアトピーにはヨーグルトを!」と宣伝しているんですね。



結論!

従来は食物アレルギーの緩和・予防にはアレルギーの原因食材(アレルゲン)を避ける事が重要視されていました。
しかし、アレルゲンは次々とかわります。牛肉がダメだったのが大丈夫になったと思うと、大丈夫だった鶏肉がダメになったり。。。。ですので、アレルゲンを避けるよりはアレルゲンを摂取しても平気な体作りが重要と考えれらます。

以上となりますが、ここで述べた内容は私(ブロス店長 堀)の私見です。もし、その情報は間違っているよ!という内容がございましたら、ご一報いただけると幸いです。