去勢手術、避妊手術ってどうなの?



賛否両論なのは知っています。
沢山のお客様からお問い合わせと言うかご相談をいただきます。

「去勢手術(避妊手術)ってした方が良いと思いますか?」

特に初めて犬猫と生活をしだした方からいただくとても多いご相談です。結論から申し上げますと、私は去勢手術(避妊手術)賛成派です。我が愛犬愛猫は全て手術済みです。去勢手術(避妊手術)はもちろんメスを使用した外科手術になります。何も病気をしていないのにメスを入れる事に抵抗がある方のお考えは重々に承知しております。私も出来ればしたくはありません。それでも何故私が、去勢手術(避妊手術)賛成派なのかをお話ししていきたいと思います。決して、強制しているわけではありません。去勢手術(避妊手術)賛成派のいち意見としてお読みください。




去勢手術をおすすめする理由。
まず、男の子の去勢手術とはどのような手術なのか。それは2つある精巣(睾丸)を外科的に摘出する手術です。大抵の場合は、午前中に預けて夕方にお迎えです。日帰りの手術が多いです。術後2、3日は少し元気が無くなる場合がありますが、回復にはそれ程時間は要さない事が多いです。

そして問題の私が去勢手術をおすすめする理由です。去勢手術をためらっている方に多い発言が、「自然のままの体で過ごさせてあげたい。」です。分かります。本当に良く分かるのですが、「自然のまま」と言う事は動物である以上、性行為が必要なのです。生殖機能があるのに性行為が出来ないのは非常に大きなストレスになります。その結果、多いのが食欲不振です。おやつは食べるけれどご飯(フード)は食べない。要は美味しい物、好きな物しか食べなくなります。また、病気の予防にも大きな効果があります。代表的なのは犬の前立腺肥大の予防です。去勢手術をしていない男の子は10歳程度になると前立腺が肥大します。その結果、腸が圧迫され、排便が困難になり会陰ヘルニア等の病気を併発します。もちろん治療が必要ですが、その治療方法は去勢手術です。要は前立腺が肥大する前に予防として去勢手術をするか、前立腺が肥大してから治療として去勢手術をするかです。結果的には去勢手術が必要になる可能性が高いのですが、少しでも体力のある若い時期に去勢手術をなされるのが良いかと私は思います。また、10歳前後であれば去勢手術によって治療が可能ですが、もっと高齢の場合は麻酔を使用する事が出来ず、前立腺肥大の治療が出来ない場合もあります。尚、猫はあまり前立腺が肥大する事はありませんが、睾丸腫瘍や前立腺炎などの予防になり、やはり性欲によるストレス解消が期待出来ます。




避妊手術をおすすめする理由。
女の子の避妊手術には大きく分けますと2タイプあります。病院によって推奨する内容が異なる場合がございますが、ひとつは卵巣摘出手術と、もうひとつは卵巣子宮摘出手術です。言葉の通り、子宮は残し卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮の両方を摘出する手術です。どちらかと言うと後者を進める病院の方が多い気がします。男の子の去勢手術よりも傷口が大きくなりますので、男の子よりも術後の回復には時間を要する事が多いです。また、去勢手術は殆どが日帰りですが避妊手術は一泊の入院が必要になるケースも多く見られます。

そして、私が避妊手術をおすすめする理由は、子宮筋腫や子宮蓄膿症、子宮癌、卵巣腫瘍などの予防です。また、男の子同様に性欲によるストレスも解消されます。もちろん生理がなくなります。猫は元々生理がありませんが、発情は無くなります。それに伴い、食欲の安定も見られます。発情や生理の時期には食欲が落ちる事が多いです。それだけストレスが掛かっていると言う事かと思います。また、早期の避妊手術により乳腺腫瘍のリスクが大きく軽減されると言われています。避妊手術をするなら出来る限り早い方が良いのでは無いかと思います。




去勢手術(避妊手術)をすると太るって本当なの?
聞いた事のある方も多いと思います。「去勢手術(避妊手術)をすると太りやすい。」これは確かに本当です。実際に私も去勢手術(避妊手術)をした後に太ってしまった犬猫を沢山見てきました。でもこれは単純に食べ過ぎ(与え過ぎ)なだけです。体質で太りやすくなるわけではありません。もう少し詳しく説明をしたいと思います。

先にも述べました通り、去勢手術(避妊手術)をしていない子達は性欲のストレスや生理の関係で食欲不振に陥る事があります。それは一時的なものですので無理に食べさせる必要は無いのですが、飼い主様としてはやはり心配になります。それで、フードの食べる量が少ない時に嗜好性の高いトッピングをしたり、好物のおやつを多い目に与えたりしてしまいます。それが日常化してしまい、フードの好き嫌いが激しい子になってしまいます。しかし、去勢手術(避妊手術)をすると今までが嘘だったかのようにフードを食べるようになります。飼い主様としてはとても喜ばしい事ですよね。今までなかなかフードを食べなかった子が空になったお皿を舐めまわす程に食べるようになるわけですから。それで、ついついおかわりをさせたり、フードの量を増やしたり。またまた催促に負けておやつを与えたり。性欲が無くなった分、食欲に「欲」が向かいますので食べ物の催促が強まる可能性はあります。催促されても与えなければ良いですし、与えなければ催促もしなくなります。しかし、その催促に負けてついつい食べ物を与えてしまうので、「去勢手術(避妊手術)をすると太りやすい」となるのです。ですので、去勢手術(避妊手術)をしても太るか太らないかは飼い主様次第と言う事です。

最初にも言いましたが、これはあくまでも私個人の考えです。去勢手術(避妊手術)賛成派のいち意見としてお読みいただければ幸いです。

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