ストルバイト結石の予防に成功!その後のフードは?



まずはしっかりと食生活を正そう!
当コラムでは何度もお話をして来ましたが、ストルバイトの予防には1日2回の規則正しい食生活が何よりも大切です。置きエサをしたり、1日3回以上の食事や間食を与えますと、尿がアルカリ化して、ストルバイト発症のリスクが高くなります。1日2回の食事以外の時間はしっかりと空腹を維持して、胃を休める事によって尿は酸性化しますので、ストルバイトの予防に繋がります。その際にご利用いただくフードは、動物病院で販売されているフードや下部尿路疾患対応と記載がされている市販のフード、当店でご紹介したストルバイト対策が施されているフードなど、様々な製品をご利用いただく事になると思いますが、多くの方がお悩みになられるのが、「いつまでこのようなフードを食べさせれば良いの?」「ストルバイトの結晶は無くなったけど、ずっとこのままのフードを与え続けて大丈夫なの?」と、症状が改善された後のフード選びです。今回のコラムでは、ストルバイトの予防に成功した後の食生活についてお話をしたいと思います。




これは必ず続けてください!
ストルバイト予防に成功した最大の要因は1日2回の食生活です。食間の約12時間、しっかりと空腹時間を維持する事によって尿は酸性化します。ですのでこれは必ず継続してください。ストルバイトの予防に成功したからと言って、間食を頻繁に与えるようになったり、催促をしてくるからと言って、お昼ご飯や夜食を与えたりは絶対にしないでください。そのような事をすると高確率でストルバイトは再発します。また、食事を1日2回にする事なく、置きエサやダラダラ食いをしながらも、ストルバイトの予防に成功したと言う方は、再発にご注意ください。療法食タイプのフードの効果で一時的に症状が緩和されているだけです。「治ったのかな?」と思った頃に頻尿や血尿が見られて再発に。決して治ったり予防に成功した訳では無く、療法食タイプのフードに含まれる尿酸化成分によって一時的に症状が治まっただけです。結局は1日2回の食事で空腹時間をしっかりと保つ以外にストルバイトの予防方法はありません。




1日2回の食事を徹底する事が出来たら!
飼い主様の意識改革で、1日2回の食事を徹底する事が出来れば、通常食に戻していただいても大丈夫です。但し、通常食と言っても様々ですので、まずは出来ればシニア用のフードをお試しください。シニア用のフードは高齢向きに栄養価が制限されていて、若い子には栄養が不足するのでは無いかと心配になられ、「えっ!まだ若いのにシニア用で大丈夫なの?」と思う方も多いと思いますが、ストルバイト予防が施されているフードの大半は、シニア用のフードよりも栄養価が低いです。例えばドッグフードであれば、成犬用はたんぱく質が25%程度ありますが、シニア用は18%程度、ストルバイト予防のフードは15%程度とたんぱく質の数値だけを見ても、ストルバイト予防のフードよりもシニア用のフードの方が栄養価が高い事が分かります。ですので、犬でも猫でもストルバイト予防のフードから急に成犬用や成猫用に戻すのでは無く、シニア用のフードを試して、栄養価を少し増やしてもストルバイトの再発が見られないかを確認していただくのが良いかと思います。同時に食後の尿のpH(ペーハー)を測定していただくと、愛犬・愛猫がどの程度の内容のフードで尿のアルカリ化を防ぐ事が出来るかを見極める事が出来ます。例えば犬であれば、たんぱく質が20%のフードであれば尿はアルカリ化しないが、たんぱく質が25%だと尿がアルカリ化してしまうようであれば、その子にはたんぱく質20%程度のフードが適している事が分かります。例え、それがシニア用のフードであり、愛犬の年齢に適していなくても問題はありません。逆に愛犬の体質にはシニア用のフードが適していると判断していただければ良いのです。ですので、ドッグフードやキャットフードは「成犬用」や「高齢猫用」などの文言で選ぶのでは無く、愛犬・愛猫にとってはどの程度の成分値のフードが適しているかを把握しておくが大切です。誤ったフード選びをして、ストルバイトが再発をしないように注意をしましょう!

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