誰でもいつでも簡単におしっこのpHが計測出来ます！

ストルバイト、シュウ酸カルシウムなどの結石や膀胱炎対策には尿のpH管理が大変重要になります。症状によって注意点が異なりますので下記をご覧ください。また、尿のpHを測定する時は「食前」と「食後」の区別をつける事がとても重要です。基本的に尿のpHは「食前（空腹時）は酸性化」で「食後（満腹時）はアルカリ化」になります。いつどのようなタイミングで尿を計測したのかをしっかりと把握してノートに記録するなどで管理をお願いします。




結石の出来る仕組みを理解しておきましょう！

ストルバイトの結晶は尿がアルカリ化して生成されます。逆にストルバイトの結晶は尿が酸性化して溶解されます。一日の中で尿のpHは酸性に傾いたりアルカリ性に傾いたりしますので、ストルバイトの結晶も生成されたり溶解されたりを繰り返しています。この事を把握しておく事がとても重要です。何故なら、食後に尿がアルカリ化している時点で動物病院で尿検査をうけるとストルバイトの結晶が検出されてしまう場合があります。一時的にストルバイトの結晶が生成されているタイミングで尿検査をうけた事によって「結石体質」と決めつけられ、「一生病院用療法食生活」を強いられることも。

それでは、ストルバイトの結晶が検出された時ですが、その後しっかりとお腹を空かしてみてください。おやつも抜いて次の食事を待ってください。そして空腹時に排泄した尿のpHを計測します。その時にpHが酸性（6.5以下）であれば慌てる事は無いかも。空腹時の酸性尿で再度尿検査をうけてください。それで結晶が検出されなければ一過性の結晶だったと考えられます。但し、空腹時の尿がアルカリ化しており、尿検査でも結晶が検出された場合は、溶解されるタイミングを失い結晶が固まりあって結石になる事が予想されます。注意が必要です。

さて、尿は何故アルカリ化するのでしょうか？原因は食生活です。食事、おやつ、ご褒美、盗み食い、ダラダラ食いなど全てを含んだ食生活です。フードが合っていなかったり、おやつを与え過ぎたり、トッピングをし過ぎたり原因は様々ですが、基本的には食生活の見直しが必要です。

また、シュウ酸カルシウムの結晶はストルバイトとは逆に尿のpHが酸性に傾き過ぎて生成されます。こちらは体質やバランスの悪い食生活が原因になる事が多いですが、ストルバイトよりもお食事によるコントロール（改善・予防）は難しいです。




尿のpHってどうやって測定するの？！

測定の仕方はとっても簡単です。pH測定紙に尿を掛けるだけ。使用するpH測定紙の長さは問いません。もちろん一回に使用する長さが短い方が経済的です。但し、あまり短すぎると上手く計測出来ず正確な尿のpHを得られません。適度な長さに切ってピンセットで挟んで持つか、割りばし等に貼り付けて使用する、単純に素手で持つなどなど。pH測定紙のどの部分でも構いませんので尿を掛けてください。長時間漬けるのでは無くサッと掛けるだけです。そうすると瞬時にpH測定紙の色が変化します。どの色に変化したのかケースに付属している色見本でチェックしてください。たったそれだけです。また、お皿やペットシーツ、猫砂などで尿を受けてから測定しますと、尿が接触した物質の影響を受ける可能性がありますので正確なpHが測定出来ない可能性があります。出来るだけダイレクトに尿をpH測定紙に掛けるようお心掛けください。

尚、尿のpHに関係無く尿路結石を患うケースも稀にございます。動物病院での診察は定期的にお願い致します。また、あくまでも参考値ですが、理想的な尿のpHは食前で6.0前後、食後で7.0前後と考えられています。