アレルギーの付き合い方



アレルギー検査について
皮膚疾患や下痢などのアレルギーを疑う症状が出た場合に、動物病院にて行うアレルギー検査。これはIgE検査と言い、IgE抗体の量を調べる検査です。IgE抗体の量が多いと陽性、少ないと陰性となります。陽性結果となった物質がいわゆるアレルゲンと判断されます。この結果があれば「アレルギーなんか怖くない!もうお悩み解消だ!」とならないのがアレルギーの難しさ。何故お悩み解消にならないのか。検査結果で陽性反応が出た物質や食材を避けて生活すればアレルギー症状を抑えられると思われがちですが、なかなかそう上手くは行きません。原因を考えていきましょう。




アレルゲンは避けられるのか?
アレルギー検査は数十種類の物質や食材について調べる事が出来ます。例えば、鶏肉や鶏卵、牛や小麦、米、じゃがいもなどの食材、そしてブタクサやヒノキの花粉やノミや蚊などの害虫など。食材に関してはドッグフードやキャットフードの原材料表示、スナック類の原材料表示を見ればアレルゲンを避ける事が出来ます。花粉や害虫は正直避けるのは難しいです。それならば、食材にのみ陽性反応が出た場合は摂取を制限すればアレルギーが解消されるのかと言うとそんなに簡単には行きません。何故ならアレルギー検査の結果には「偽陽性」と「偽陰性」の可能性がゼロでは無いからです。偽陽性とはアレルゲンで無いにも関わらず陽性反応が出る事。逆に偽陰性はアレルゲンであるにも関わらず陽性反応が出ない事です。ですので、アレルギー検査の結果は参考にはなりますが「答え」では無い事を知っておく事が大変重要です。もしかすると我が子のアレルゲンと思っていた食材が実は平気で、平気と思っていた食材がアレルゲンである可能性もあると言う事です。




アレルギーとは限らない!
皮膚疾患や下痢などの症状からアレルギーを疑いアレルギー検査を行う場合が多いですが、実際にはアレルギーでは無く食物不耐症が原因である事も非常に多いです。この食物不耐症とは、非アレルギー性食物過敏症とも呼ばれ、特定の食物を体内で消化するのが困難となる症状です。これが犬猫には非常に多いです。特に牛乳に含まれる乳糖や小麦に含まれるたんぱく質のグルテン。この二つはほぼ全ての犬猫達が対象になります。ですので、アレルギー検査で陰性であったとしても、牛乳や小麦製品(パンなど)は全ての犬猫に対してアレルギーに似た症状が出る可能性があると覚えておいてください。実際にアレルギーでお悩みの犬の場合に、ドッグフードやスナックにはアレルギー検査の結果を重要視して注意しているにも関わらず、小麦が検査結果で陰性であるとの理由でパンやクッキー、うどんなどの麺類を与えてしまって皮膚疾患や下痢が解消しないケースが多く目立ちますのでご注意ください。




アレルゲンは日々変化する!
人間の乳幼児多くみられる鶏卵や乳製品のアレルギー。これらの食物アレルギーの場合は成長とともに克服する事が多く、3歳ぐらいには約50%、6歳ぐらいになると約80%のお子さんが食べられるようになると言われています。これは免疫機能が鶏卵や乳製品を「アレルゲンではない!」と判断した事によります。逆に大人なってから花粉症や蕎麦アレルギーになる事もあります。犬猫も同じでアレルギー検査をした当時と現在のアレルゲンが一致しているかどうかは正直分かりません。ですのでアレルゲンを避け続けるのは非常に困難です。




アレルギーに打ち勝つ体作りを心掛けよう!
見えない相手(アレルゲン)と戦うには何よりも防御力を高めなければいけません。どんな相手が来ても大丈夫なように。その為には免疫力を高める必要がありますが、免疫力を高める為には腸内環境の整備がとても重要です。善玉菌である乳酸菌や、善玉菌の栄養源となる食物繊維や発酵食品などの摂取は積極的に行いましょう。また、発酵食品には食物酵素が含まれており消化力がアップしますので、食物不耐症への予防策としても有効です。更に、細胞が活性酸素によるダメージを受けると、免疫力は著しく低下します。体内で活性酸素が増え過ぎないようビタミンCやSOD酵素の摂取をお心掛けください。








Facebookコメント