コラム


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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水を沢山飲ませて治りましたか?
この手のお問い合わせが本当に多いです。何故多いのかと言うと、多くの動物病院の先生方が口を揃えて同じような指導をするからです。それが、

「尿路にある結石が詰まらないように尿量を増やす為、水を沢山飲ませるように!」

大袈裟では無く、1日1回はこの手の内容を含むお問い合わせのメールやお電話をいただきます。
その為、当店のコラムでも過去に幾度と無く解説や注意喚起をしておりますが、一向に後を絶ちません。
もちろん、尿量を増やす事によって、尿路にある結石が詰まりにくくなる場合もあると思いますが、詰まりにくくする為には尿量を増やすよりも、その結石を今よりも大きくしない事の方が大切です。当たり前ですよね。
しかしその指導が無く、水分摂取量を増やす事ばかりを意識した結果、尿量が増えて症状が緩和するのは一時的で、結果的には結石が大きくなってしまい症状が悪化したり、いつまでも尿路結石が解消せずにダラダラと引きずるケースが多いです。




水分を摂取させると何故結石が大きくなるのか。
話がそれますが人間の尿路結石の多くがシュウ酸カルシウム結石です。人間の尿路結石の治療では水分を沢山摂取する事と、食生活の見直しが指示されます。人間は自らの意思で水を無理にでも飲む事が出来るので、水分を沢山摂取して尿量を増やし、食生活の見直しで結石が大きくなる事を防ぎます。
これと同じ感覚で犬猫の尿路結石を対処しようとすると、どつぼにはまる事となってしまいます。
その最たる理由が犬や猫は自らの意思で水を無理に飲まない事です。愛犬や愛猫の前に水の入ったお皿を差し出し、「今日から水を沢山飲んでね!」と言っても飲まないですよね。犬や猫は自分にとって必要な水分しか摂らないのです。
それを無理に飲まそうと思うと水に味をつけるしかありません。味の付いた水を飲ませる事によって尿はアルカリ化しストルバイト結石は大きくなってしまいます。
詳しくは過去のコラムのストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第四章をご覧ください。
また、シュウ酸カルシウム結石に関しても、味の付いた水を飲ませる事によって、余計なたんぱく質や脂質を摂取する事となってしまい、結果的に尿中のシュウ酸濃度が高まり事態が悪化する事に繋がります。また、味の付いた水を飲む事によってフードの食い付きが悪くなって、食生活が乱れてしまうケースも目立ちます。




結石を治すには結石を作らないようにする事が大切!
当たり前の事なのですが、尿路結石の治療及び予防にとって最も大切なのが、結石を作り出さない事です。
水分を沢山摂取して尿量を増やしても、次から次と結石が出来てしまったり、今ある結石が徐々に大きくなってしまうと意味がありません。
まずは、食事を1日2回にして、1回の食事の量も与え過ぎる事無く、理想の体型が維持出来る最低限の食事量の食生活をお心掛けください。食べさせるフード選びも大切ですが、尿路結石対策としては可能な限り小食にする事が何よりも大切です。大半の飼い主様が食べさせ過ぎです。
尿路結石に対してだけではありませんが、とにかく食生活において甘やかさない事。とても大切な事なのですが、これが出来ない方が多いです。
食べないからトッピング、食べないからおやつ、食べないからフードを変える、食べないから置きエサ、食べないから数時間おきに、食べないから手のひらから、などなど。
フードを食べなかったり、好き嫌いが激しかったり、フードの選り好みが激しかったりするのには必ず原因があります。その原因は犬猫の性格や体質では無く、飼い方(食べ物の与え方)にあります。
まずは食欲の有無を確認し、食べる意欲があると判断した場合は徹底的に我慢をさせましょう。ちなみに、お皿の中身を覗きに来たり、においを嗅ぎに来たり、少しだけ食べたり、味変をすれば食べたりすると言う事は食欲はあると言う事です。
もちろん体調が優れずに食べる事が出来ない場合はサポートが必要ですが、食欲があるのに食べない場合は手を差し伸べる必要はありません。
飼い主様であれば、食べない原因が体調不良か否かは分かると思います。
甘やかした食生活を続けている限り、どれだけ水を沢山飲んでも尿路結石は解消しません。一度治ったと思っても必ず再発します。

最後に。犬や猫なんて好き嫌いをして当たり前。毎日同じフードなら飽きて当然。どこの家の子も同じでしょ、と思っている方もおられるかと。
そのように思うのは勝手ですが、後悔の無いようにくれぐれもご注意ください。


それって本当に痩せているの?
ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が肥満です。その為、肥満の体型が標準体型と勘違いをなされている方も多いように感じます。また、獣医師も肥満の犬猫ばかりを見ている(診ている)影響からなのかは分かりませんが、本来は標準体型である子に対して「もう少し体重を増やした方が良い」「少し痩せ過ぎですね」などと伝えてしまう事も少なくはありません。
確かに痩せ過ぎよりは少々ふっくらしていた方が安心感はあると思いますが、少し感覚がマヒしている気がしてなりません。
その為、動物園などでトラやライオンなどを見ると「凄い痩せている」と感じてしまう方がおられると思いますが、あれが本来の姿です。
また、テレビやYouTubeなどに出て来る犬猫達の姿を見て、「うちの子も同じ位の体型だから大丈夫」と思わないようにお願いします。飼い方や食事の与え方を紹介している動画クリエイターの方がおられますが、必ずしも正しい情報を発信しておられるとは限りません。勘違いの無いようにお願いします。
特に猫!肥満は糖尿病や肝リピドーシスの原因となりますのでご注意を!!!




どうして痩せないのか?
まずは我が子(愛犬・愛猫)の姿を今一度見直してみてください。「細いなぁ」「痩せているなぁ」と思われる方はごく一部だと思います。大半の方が「ぽっちゃり気味かな」「お腹にお肉がついているような」「細くは無いかな」「少し痩せた方が良いのかな」と思われると思います。
しかしそのように思う反面、「そんなに沢山食べさせて無いけど太る」「ダイエット用のフードを与えているが痩せない」と感じておられる方も多いのでは無いでしょうか。そのように思われるお気持ちはとても良く分かります。でも、沢山の量を食べさせてはいないと思っていても、または低カロリーのフードを与えていても、痩せていなければ結果的には食べ過ぎなのです。
実際に、製品パッケージ記載の給与量の半分程度しか与えていなくても太る場合がありますが、とにかく結果が全てです。何をどの位の量を与えていようが、太っていれば食べ過ぎです。(一部の疾患が原因の体重増を除く。)




お願いだからとにかく太らせないで!
初めに「ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が肥満です。」と書きましたが、その理由は「ハッキリ言って日本に居てる犬猫達の大半が食べ過ぎ。」だからです。そう、食べ物を与え過ぎです。主食のフードはもちろんですが、間食のおやつやご褒美も与え過ぎです。これにはペット用のおやつを製造販売するメーカーにも責任があるのですが、主食のフードと同様におやつのパッケージの裏にも一日の給与量が書かれていたりします。
ここ数年で需要が急拡大していて、犬猫達の健康を阻害する諸悪の根源でもあるペースト状のおやつにも「1日●本」などと記載があります。
そもそもおやつに給与量の目安なんて必要がありません。食べなければ食べない方が良いのですから。そのような記載があるので与え過ぎてしまう方が後を絶たないのです。製造販売するメーカーとしては、沢山与えてもらって沢山購入をしてもらいたいのだと思いますが、その結果犠牲になっているのは犬猫達です。
ですので、主食となるフードやおやつの量を決めるのはメーカーでは無く、飼い主様がしっかりと適量を見極めてあげてください。
製品に書いてある量や、犬猫が欲しがる量を与えるのでは無く、太らない量でご利用いただくようお願い致します。
1日の食事量の目安としてカップラーメン何杯、おやつ量の目安でポテトチップスは何gやケーキは何個までなどの決まりは無く、太らないように注意しながら食べる人間と同じです。難しく考える必要はありません。宜しくお願い致します。


膿皮症や外耳炎の原因は何?
夏場に多い膿皮症や外耳炎。猫には全く無いとは言えませんが、圧倒的に犬に多いです。
代表的な症状としては、皮膚や外耳に強い痒みが生じます。中には寝る事が困難になるほどの強い痒みに襲われるケースもあります。他には患部に出血や膿を伴うただれが生じたり、かさぶたや脱毛が目立つようになったり、ニオイ(体臭)がきつくなったりと様々です。
また、これらの原因はブドウ球菌やマラセチアなどの常在菌の異常な増殖による事が殆どで、その常在菌の増殖の原因の大半が食生活です。
その原因となる食生活を理解していただければ、膿皮症や外耳炎がどうして猫には少なくて、犬に多いかが分かっていただけると思います。
それでは実際に、どのような食生活が原因になるかを説明していきたいと思います。




これらは絶対に与えてはいけません!
膿皮症や外耳炎の原因が常在菌の異常な増殖によるものだと説明をしましたが、その原因の多くが食物不耐症と薬理活性物質(仮性アレルギー)です。食物アレルギーとは異なります。
食物不耐症とは、特定の食べ物を上手く消化出来ない状態を意味します。上手く消化出来ない理由は消化酵素不足であり、代表的な食物不耐症は小麦によるグルテン不耐症と、牛乳による乳糖不耐症です。また、薬理活性物質(仮性アレルギー)は果物や野菜などが持つヒスタミンが原因でアレルギーのような症状を引き起こします。
ですので、膿皮症や外耳炎の症状でお悩みの際は、パンやクッキーなどの小麦を含む製品や牛乳などの乳製品、果物や野菜は与えてはいけません。
また、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は症状の原因に免疫システムが関与していませんので、血液によるアレルギー検査の結果は全く関係がありません。
よって、アレルギー検査の結果をもとにした除去食(食事療法)では症状の改善に効果が見られない場合が多いです。
参考までに、犬や猫に食物アレルギーは殆どありません。但し、食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は非常に多く見られます。
食物不耐症や薬理活性物質(仮性アレルギー)は免疫システムが関与していませんので、原因物質を摂取したとしても、その時の体調次第によって症状が出る時と出ない時がある為に、症状の原因として見落としてしまうケースが多いのでご注意ください。




結局は余計な物を与えない事が一番大切です!
ここまで来ると、膿皮症や外耳炎が犬に多くて猫に少ない理由がお分かりいただけるかと思いますが、猫にはパンや牛乳、果物や野菜をあまり与えません。ですが、犬にはそれらを与えているケースが非常に多いです。
また、犬用であったとしても、小麦を使用したクッキーやビスケット、パンやケーキなどは絶対に与えてはいけません。そもそも「犬用」「猫用」を信用し過ぎないようにお願いします。
「犬用に作られているから大丈夫」「猫用として売られているから安心」と言った見解は非常に危険です。
特に、ここ数年は健康を損なう恐れのある「くだらない製品」がとても多いです。売れれば良いと考えるメーカーの製品にはくれぐれもご注意ください。
「喜ぶから」「食べている姿が可愛い」「欲しがるから」などの理由でおやつを与えているときっと後悔する事になりますよ。
ですので、膿皮症や外耳炎でお悩みの際は、まずは良質なフードと消化酵素サプリメント(食物不耐症を防ぐにはこれが非常に大切です)、乳酸菌サプリメントを中心とした食生活を徹底し、余計な物は与えないようお願いします。
また、ステロイドの服用は膿皮症や外耳炎の症状を悪化させてしまう場合がございますのでくれぐれもご注意ください。


缶詰(ウエットフード)は低たんぱくですよね?
前回のコラム(ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第五章)で下記のように書きました。

ドライフードに含まれるたんぱく質20%とウエットフードに含まれるたんぱく質10%では、ウエットフードの方が高たんぱくになります。これは製品に含まれる水分量が関係しており、ウエットフードは意外と高たんぱくな食事である事の認識が必要です。

この件について何人かの方からお問い合わせをいただきましたので解説をしたいと思います。

ドライフードに含まれるたんぱく質が20%で、ウエットフードが10%だとすると、ドライフードはウエットフードの2倍のたんぱく質が含まれているように見えますが、実際はそうではありません。その理由は水分量です。
ウエットフードに含まれる水分が全体の約80%に対し、ドライフードに含まれる水分は全体のたった10%程度です。その水分を除去した状態で比較すると、ドライフードの場合は約22%がたんぱく質で、ウエットフードの場合は約50%がたんぱく質となります。よって、ドライフードよりもウエットフードの方が高たんぱくな食事であると言う事を意識してご利用いただきたいです。
但し、たんぱく質含有量が少ないウエットフードもありますので、たんぱく質の摂取量を控えたい場合は、成分値をしっかりと確認をしていただいた上で、ウエットフード選びを行っていただければと思います。




糖質を制限したいのであればウエットフードを!
たんぱく質の摂取を制限するにはドライフードの方が有効ですが、糖質の摂取を制限するにはウエットフードがおすすめです。ドライフードは全体の約30%が炭水化物であり、糖質を多く含む事が分かります。ちなみに炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせた総称ですので、「糖質+食物繊維=炭水化物」となります。
よって、全体の80%が水分であり、残りの20%がたんぱく質や脂質、繊維質で構成されているウエットフードは、炭水化物の含有量が少なく、低糖質食となりますので、糖質を制限したい時の食事としてはおすすめとなります。
但し、低炭水化物の食生活は健康維持や免疫力向上に役立つ食物繊維の摂取不足になりがちですので、別途サプリメントなどで食物繊維の補給を心掛けいただく事をおすすめ致します。ちなみに、成分表示にある「粗繊維」は食物繊維の含有量を表した項目ではありませんのでご注意ください。




ドライフードとウエットの量の違いは?
お悩みになられる方が多いのが、ドライフードとウエットフードの与える量の違いです。
例えば、今までドライフードを1日に40g与えていたとします。その一部をウエットフードに変えたい場合には、ドライフードを減らした3~4倍程度のウエットフードを加えるようにお願いします。具体的には、1日40g与えていたドライフードを1日30gに減らした場合は、減らした10gの3~4倍に当たる30g~40g程度のウエットフードを加えるようにお願いします。もちろん製品の違いや、ご愛犬やご愛猫の体調などによっては微調整が必要になってくる場合がございますが、おおよその目安としては、それ位の量でご利用いただければ結構です。宜しくお願い致します。


これを守ればストルバイトと膀胱炎は予防出来ます!
4回にわたってストルバイトと膀胱炎についてお話をしてまいりましたが、今回は最後のまとめとして、「これを守ればストルバイトと膀胱炎は予防出来ます!」と言う食事の与え方をご紹介したいと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第四章

今現在、ストルバイトや膀胱炎を発症しているか否かによっても対応が多少は異なりますが、ストルバイトや膀胱炎の心配や不安があるようであれば、まずはたんぱく質の摂取を控えた食生活をお願いします。ドライフードであれば、高齢用や結石予防のフードでお探しになられると良いです。この場合、「うちの子はまだ若いから高齢用では無く、結石予防のフードにしよう!」となる方がおられますが、高齢用よりも結石予防のフードの方が栄養バランスが悪い事が多いです。
特に犬の場合、症状の程度にもよりますが、まずは高齢犬用のフードをご利用いただき、良い結果が出ない場合は結石予防のフードをご利用いただく事をおすすめ致します。可能であれば結石予防のフードは使用せずに高齢犬用のフードをご利用いただく方が身体への負担は軽いです。但し、全ての高齢犬用のフードがストルバイトや膀胱炎の解消や予防に適しているわけではありませんのでくれぐれもご注意ください。
猫の場合、まずは結石予防のフードで1日2回の食事を徹底し、ダラダラとした食生活からの脱却をお願いします。

また、「結石予防のフードの場合は療法食の方が良いですか?」と言うお問い合わせを多く頂戴しますが、「結石予防の療法食」には何の定義も条件もありません。発売メーカーが「我が社のこの製品は結石予防の療法食です!」と言えば「結石予防の療法食」になります。ですので、「結石予防の療法食」と謳っている製品の中には、「えっ!これで結石を予防出来ると思っているの?」と言う内容のフードもあります。これは結石予防に関してだけでは無く、他の療法食にも言える事です。言い方は悪いですが、療法食と言う言葉は飼い主様の弱みにつけ込んで商売が出来るとても便利な言葉です。なので、療法食と言う文言にとらわれず、内容を吟味してフード選びが出来る知識を養う事が大切です。本来は、ペットショップの店員や動物病院の関係者が最低限身につけるべき知識なのですが、残念ながら現実はそうではありません。なので、動物病院で勧められたからと言って、正しいフード選びが出来ているとは限りません。

話を戻しますが、ストルバイトや膀胱炎が気になる場合は、ある程度たんぱく質を制限したフードを1日2回与え、食べ残しがあってもお皿は5分程度で下げて、次の食事までは何も与えないように徹底してください。もちろん間食は与えずに、1日2回の食事ですので、食間の約12時間はしっかりと空腹時間を確保して、尿の酸性化に努めるようにお願いします。また、消化を促進する目的で消化酵素の補給もお願いします。消化酵素の補給には消化酵素サプリメントをご利用いただきたいのですが、消化酵素サプリメント自体にたんぱく質を多く含む製品もあり、そのような製品はこのケースでは不適切となりますのでご注意ください。また、水分やマグネシウムの摂取量は気にする必要はございませんので過度な心配は不要です。

そして、今までの甘やかしが原因でドライフードのみだと食べが悪いからと言って、たんぱく質を制限したフードに鶏のササミや胸肉、馬肉などをトッピングする方がおられますが、折角のたんぱく質を制限したフードが台無しです。どれだけ食い付きが悪いとお感じのフードでも我慢をさせれば食べます。どうしても我慢をさせる事が出来ない場合は、たんぱく質を制限したウエットフードを少量加えてお与えください。
その際に注意が必要なのが、ドライフードとウエットフードの成分値を同じように考えてはいけません。ドライフードに含まれるたんぱく質20%とウエットフードに含まれるたんぱく質10%では、ウエットフードの方が高たんぱくになります。これは製品に含まれる水分量が関係しており、ウエットフードは意外と高たんぱくな食事である事の認識が必要です。

最後に、食べさせる量です。大半の飼い主様が食べさせ過ぎです。第4章でも書きましたが、パッケージ記載の量や必要摂取カロリーなどは気にせずに、痩せ過ぎない量、そして太らない量を食べれば良いのです。食べる量が少なければ少ない程、尿のpHは安定してストルバイトや膀胱炎の予防になります。逆に、食べれば食べるほど尿はアルカリ化します。あとはいかに厳しく且つ規則正しく出来るかです。ストルバイトや膀胱炎は、飼い主様の誤った飼い方によって、甘やかした食生活によって発症すると言っても過言ではありません。くれぐれもご注意ください。

5回にわたってストルバイトと膀胱炎についてお話をしてまいりましたが以上となります。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。


良かれと思っている対処法がストルバイトの原因に・・・。
前回までの流れで、食事の回数が多過ぎたり、置きエサなどでダラダラ食べていたりする事が良くない事だとお分かりいただけたかと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第三章

そして、ある症状の改善や緩和を目的とした誤った対処法によって、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうと言うケースも多くあります。
例えば、朝方や夕方などの空腹時に胃液を吐くので、それを防止する為に寝る前に夜食を与えたり、昼ご飯を与えたりするケース。この場合、胃液の嘔吐を抑える事が出来ても、尿がアルカリ性に傾く時間が増えますので、ストルバイトや膀胱炎発症のリスクが高くなります。動物病院でもこのような誤った食事指導をする事が多いですが、空腹時に胃液を吐くのは消化酵素不足ですので、食事回数を増やすのでは無く、1日2回の食事に消化酵素を加えて与えるようにしてください。

また、一度に沢山食べると吐き戻しをするので、少量ずつ回数を分けて食事を与えているケース。
犬や猫(特に猫)は胃の中に、ある一定の量のフードが溜まってしまうと吐き戻しをします。例えば、1回の食事量が多ければ胃の中のフードが、ある一定の量に達しますので食後に吐き戻しをします。また、食間が短くて胃の中に前回の食事(フード)が残っている状態で新たにフードを食べると胃の中のフードが、ある一定の量に達してしまい吐き戻しをします。
ですので、ごく少量のフードを1日に5回~10回程度に分けて与えると、胃の中のフードの量が、ある一定の量に達しないので吐き戻しはしませんが、空腹時間が確保出来ず尿が酸性に傾くタイミングを作る事が出来ませんので、尿がアルカリ化してストルバイトや膀胱炎を発症する事になります。なので、吐き戻しを防止する為には、しっかりと胃が空っぽになった状態で食事を与え、その際にフードの量を与え過ぎなければ大丈夫です。

そもそも与えているフードの量が多過ぎるケースが目立ちます。これはフードパッケージ記載の量や必要摂取カロリーを気にしての事になるのですが、パッケージに記載されている給与量の目安は無視してください。大半が多過ぎます。記載量の半分以下でも充分に栄養は足ります。「そんなに減らして大丈夫?栄養不足にならないの?」と思われる方がおられますが、痩せ過ぎていなければ栄養不足になんてならないです。また、必要摂取カロリーなども気にする必要はありません。人間も毎日の食事のカロリー計算なんてせずに、体型を意識したりしながら量を調節しますよね。犬や猫もそれで良いのです。痩せ過ぎない量、そして太らない量を食べれば良いのです。

また、ドライフードのみだと食い付きが悪いと言う事を理由に鶏肉や馬肉などの肉類をトッピングしているケース。肉類をトッピングすると言う事はお皿の中身が高たんぱくになる事を意味します。第二章で説明をした通り、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。まずは何故、ドライフードのみだと食い付きが悪いのかをしっかりと考え直してください。おやつやご褒美を与え過ぎたり、食事回数が多過ぎたり、何か原因があるはずです。ドライフードへ肉類をトッピングをして食い付きを良くした結果、しっかりと食べてくれて喜んでいたとしても、その後には膀胱炎やストルバイトの発症が待っています。絶対にお止めください。

あと、水分補給が必要だと思い誤り、鶏スープやヤギミルクなどを食間に与えているケース。水を飲まないのは水分が足りている証拠。必要な水分は本人が一番分かっています。必要であれば飲みますし、必要が無いから飲まないのです。
たんぱく質を含んでいる鶏スープやヤギミルクを飲めば当然に胃酸が分泌され尿がアルカリ化します。ストルバイトや膀胱炎予防の為に、水分補給を目的に鶏スープやヤギミルクを与える方がおられますが、残念ながら逆効果となりますのでご注意ください。第一章でも述べましたが、水を飲む量が少なくてもストルバイトにはなりませんし、水を沢山飲んだとしてもストルバイトの予防にはなりません。

このように、良かれと思って行っている事が尿のアルカリ化の原因となって、ストルバイトや膀胱炎の発症に繋がっているケースが多くあります。ですので、如何なる理由があっても食事(間食も含む)は1日に3回以上与えてはいけません。また、1回の食事は5分程度までとして、食べが悪いからと言って、肉類をトッピングしたり、30分や1時間もお皿を出しっぱなしにしないようにしましょう。
お皿を差し出している時間が長ければ長い程、食べは悪くなるので、どれだけ残していてもお皿は5分程度で下げるようにしてください。また、どれだけ残していようが、12時間後の次の食事までは絶対に何も与えてはいけません。そうすれば徐々に食べるスピードが速くなっていきます。
食べなければお皿を下げられると言う事と、しっかりと食べないと次の食事まで何も貰えずにお腹が空いてしまう事を教えてあげてください。これはとても大切なしつけと共に、ストルバイトや膀胱炎の予防にとって大変重要なポイントとなります。
好き嫌いをするからフードローテーションをしたり、同じ食事内容を続けると飽きるので日替わりでフードを変えていたりする方がおられますが、考え方が逆です。フードローテーションをしたり、日替わりメニューにしたりするので好き嫌いをするのです。少々食べなくても気にせずに、同じフードを毎日毎食(1日に2回、1回5分)出し続ければ好き嫌いはしませんし、飽きたりもしません。
過剰な甘やかしがストルバイトや膀胱炎の原因にもなりますのでご注意ください。

今回のコラムはここまでとなります。次回に続きます。

続きはこちら


ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケース。
前回のコラムの最後に、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来る流れを軽く説明しましたが、今回はその反対に尿のpHが7.5以上になってしまい、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについてお話をします。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章

前回の内容と重複しますが、食事を摂ると胃酸が分泌されて尿がアルカリ性に傾きます。その後、時間が経つにつれて胃が空っぽになると、胃酸の分泌が治まって尿は酸性に戻って行きます。ですが、食事と食事の間が短かったり、おやつやご褒美を頻繁に貰っていたり、置きエサでダラダラと食べていたりすると、胃が空っぽになる時間が無くなって、尿のpHが酸性に戻るタイミングを失ってしまいます。
どう言う事なのか具体的に説明しますと、食事を摂る前の尿のpHが正常の6.0前後だったとします。この時点ではストルバイトや膀胱炎の発症は考えにくいです。ですが、食事を摂った後に、胃酸が分泌されて尿がアルカリ化して、pHが7.0程度まで上昇したとします。その後、何も食べる事が無ければ、胃が空っぽになり尿のpHは食前の6.0前後まで戻るのですが、あまり時間を空けずに次の食事を与えてしまいますと、pHが6.0前後まで戻り切らない内に、新たに胃酸が分泌され始めますので、先程は7.0程度までの上昇で抑えられていたpHが、危険水域の7.5程度まで上昇をしてしまう事になります。更に、次の食事までの時間が短く、7.5程度まで上昇した尿のpHがあまり下がっていない状態で胃酸が分泌されると、それ以上にpHが上昇してストルバイト及び膀胱炎を発症すると言う流れです。
ですので、1日3回以上食事を与えていたり、置きエサをしてダラダラと食べさせていたり、トイレのご褒美などで頻繁に間食を与えていると、尿のpHが酸性に傾く為の空腹時間を作る事が出来ずに、ストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなると言う訳です。
これが第一章で書いた、「ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます」と「犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います」に繋がるのですが、犬よりも猫の方が置きエサによる食生活を行っているケースが多いですし、大型犬よりも小型犬の方が、室内でトイレをする事が多く、トイレで用を足す度にご褒美(間食)を貰っている事が多い事によって、空腹時間が短くなって尿がアルカリ化しやすいのと、人間の感覚で少量と思っている間食の量でも、体の大きさが小さい小型犬にとっては相当な量となって、フードの食べが悪くなり、ダラダラとした食生活になりがちなのが理由となります。また、しつけ教室でのトレーニング時も、ご褒美を貰う回数が多くなりがちなので要注意ですし、お散歩中に食べるおやつも無視は出来ません。

いずれにしても、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまう原因は「飼い方」に問題があると言う事です。獣医師が言いがちな「体質ですね」ではありません。

また、1日の食事回数が多過ぎたり、置きエサをしていたり、ご褒美を頻繁に貰っていると、フードの好き嫌い(選り好み)が激しくなっていきます。空腹時間が無いので好きな物しか食べなくなる、当然ですね。それなのに、フードを好き嫌いする原因が他にあると勘違いをして、どんどん食い付きの良いフードを探すようになり、行きつく先はお肉たっぷりの高たんぱくなフードになってしまいます。更に嗜好性を高める為にお肉をトッピングしたり・・・。そうなると、第二章で述べた「特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。」の通り、空腹時間が短くて尿が酸性に傾くタイミングが無い上に、たんぱく質の摂取過多で食後のpHの振れ幅が大きくなりますので、余計にストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなります。なので、ストルバイトや膀胱炎を発症した犬や猫の多くが、過度な甘やかしによって食生活が乱れてしまっています。そして次のようなケースでもストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースが多いです。

今回はここまでとなり、続きは次回にお話をしたいと思います。

続きはこちら


ストルバイトと膀胱炎の関係性。
前回のコラムの最後に「ストルバイトと膀胱炎は原因が同じなのですから。」と書きましたが、まずはその点から解説をしたいと思います。ご覧になられていない場合は先に前回のコラムからお願いします。

ストルバイトの原因と予防について 第一章

ストルバイトの根本的な原因は尿のアルカリ化(正常時は酸性を示す尿のpHがアルカリ性に傾く事)です。
また、膀胱炎の原因も同じく尿のアルカリ化です。何故、酸性であるべき尿がアルカリ化するかは後ほど説明をしますが、尿のpHが7.5程度までに上昇(アルカリ化)すると、尿中のマグネシウムやリンなどのミネラル成分が結晶化してストルバイトの結晶が作り出されます。
また、尿がアルカリ化しますと、尿中に細菌が繁殖しやすくなります。特に多くの細菌がpH7.5程度の弱アルカリ性の環境を好みますので、尿のpHが弱アルカリ性を示すタイミングで膀胱炎を発症するケースが多いです。
まさに犬や猫がストルバイトを発症しやすい尿の環境と一致する為、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られると言う事になります。
但し、更にpHが上昇しますと、細菌は死滅して膀胱炎の症状は改善に向くケースが多いです。ですが、ストルバイトはpHが上昇すればするほど悪化しますので、ストルバイトが重症化していくにつれて膀胱炎の併発は少なくなっていきます。
このような仕組みで、ストルバイトと膀胱炎の併発が多く見られるが為に、ストルバイトの原因が細菌感染(膀胱炎)であると言う説も存在しますが、その考え方は正しくありません。ストルバイトの原因が膀胱炎の発症ではありませんし、膀胱炎の原因がストルバイトの発症でもありません。原因が同じではありますが、どちらかがどちらかを誘発していると言うわけではありません。
と言う事で、本来は酸性を維持しないといけない尿のpHがアルカリ性に傾く事によって、ストルバイトや膀胱炎を発症すると言う流れになります。それでは何故、尿がアルカリ化するかを説明していきたいと思います。




尿がアルカリ化する原因。
犬や猫の尿のpHですが本来は酸性です。
但し、食べ物を食べると胃酸が分泌され、胃酸が分泌されると尿がアルカリ性に傾くと言ったシステムになっています。特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。
ですので、食事を摂る前の空腹時には酸性であった尿のpHが、食事を摂る事によってアルカリ性に傾きます。また、その傾き具合も、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、大きくアルカリ性に傾きます。
そうなると、食事を摂る事自体がストルバイトや膀胱炎の原因になるとお思いになられる方もおられると思いますが、当然の事ながら食事を摂らないと生きてはいけません。また、食事を摂った後、時間が経過して胃の中が空っぽになると、胃酸の分泌が治まり、尿のアルカリ化はストップして、尿のpHは徐々に酸性に戻って行きます。
ですので、食事を摂る際のポイントは2つあり、1つはたんぱく質を摂取し過ぎない事。その為には、高たんぱくなフードを与えない事と、食事の量を与え過ぎない事が大切です。
また、もう1つのポイントは食事と食事の間の時間をしっかりと空ける事です。

ここで少し具体的な数字を使って説明をしますと、本来あるべき尿のpHは犬猫共に6.0前後です。ですが、食事を摂ると胃酸が分泌されて、一時的に尿のpHは7.0程度まで上昇します。しかし、数時間後には胃が空っぽになり、尿のpHは食事前の6.0前後まで下がってきます。そして、尿のpHが6.0前後まで下がった状態で次の食事を迎える事が出来れば、これの繰り返しとなり、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来ると言う訳です。

ですが・・・・。

今回はここまでとなり、次回のコラムではストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについて説明をしたいと思います。

続きはこちら


まずはストルバイトとは?
当コラムでは過去にも幾度と無くストルバイトについてお話をして来ましたが、今回はストルバイトの原因から予防法までを徹底的に詳しく説明をしたいと思います。とても長くなりますので、数回にわたってお話をする事になるかと思います。最後までご覧いただけますと幸いです。

初めに、そもそもストルバイトとは何かと言いますと、ご存知の方も多いと思いますが、犬や猫の尿中に含まれるマグネシウムやリンなどのミネラル成分が膀胱や尿道などで結晶化して、血尿や排尿障害などの症状の原因となったり、重症化すると結晶が結合しあって結石となり、尿道を塞いでしまう恐ろしい下部尿路疾患の要因となる物質の名称です。病院や獣医師によってはストラバイトと発音する事もありますが同じです。また、今ではあまりの発症数の多さから、物質の名称と言うよりも「ストルバイトと診断されました」や「ストルバイトを患いました」などのように、病名として使用される事も多くなっていると感じます。当コラムでもそのような表現を使用する事もあるかと思いますが予めご了承ください。

それでは、実際にどのような子(犬や猫、年齢など)に注意が必要になる疾患かと言いますと「全員」です。「犬より猫の方がなりやすい」や「メスよりオスの方が注意が必要」や「1歳以上に発症する疾患」などと言われる事がありますが、年齢や性別は全く関係がありません。犬より猫の方がなりやすいと言う事もありません。生後数ヶ月の子犬や子猫でもなる場合があります。但し、正しい統計ではありませんが、ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます。この理由につきましては後ほど詳しく解説をしたいと思います。また、犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います。これにも明確な根拠があり、今回のコラムを全てご覧いただいた際にはご納得いただけるかと思います。それでは、何故ストルバイトになるのかを詳しく説明をしていきたいと思います。




ストルバイトの原因は何?
多くの動物病院や媒体ではストルバイトの原因を次のように述べているケースが多いです。

「体質」「飲水量が少ない」「マグネシウムやリンなどのミネラル成分の摂取過多」「運動不足」「細菌感染」「排尿回数が少ない」などなど。

ですが、残念ながら全部違います。
体質は関係ありませんし、水を飲む量も関係がありません。水を飲む量が少なくてもストルバイトにはなりませんし、水を沢山飲んだとしてもストルバイトの予防にはなりません。
また、マグネシウムなどのミネラルを沢山摂取してもストルバイトにはなりませんし、ミネラルを制限してもストルバイトの予防にはなりません。但し、ミネラルを全く摂取しなければストルバイトにはなりませんが、良好な健康状態は維持出来ません。
尚、水を沢山飲みますと当然ですが尿量は増えますので、膀胱内や尿道にあるストルバイトの結晶は排泄される尿と一緒に体外に排出されやすくはなりますが、ストルバイトの生成自体が抑制されるわけではありませんので根本的な解決策にはなりません。家中に飲み水(水の入ったお皿)を配置したり、流れる水が演出出来るフィルター付きの給水器を使用して飲水量を増やそうと努力をなされる方がおられますが、残念ながらストルバイトの予防にはなりません。
また、排尿回数が少なくてもストルバイトの原因にはなりません。逆に排尿回数が少ないのは良い事です。頻繁に尿意を感じてトイレに行って排尿の仕草をするが、尿が出ない(頻尿)のは問題ですが、トイレに行く回数が少ないのは不必要な尿意が無い証拠なので何ら心配は要りません。
水の飲む量が少ない事や、排尿の回数が少ない事を心配なされる方がおられますが逆です。飲水量が多かったり、排尿回数が多いのは何らかの健康上の事情(トラブル)が考えられますので多飲多尿の症状がある場合は注意が必要です。
また運動不足も関係がありません。ただ、ひとつだけ惜しいのが「細菌感染」です。いわゆる膀胱炎です。「ストルバイトを発症している多くの犬猫が膀胱炎を併発している」と良く言われるのですが、当然です。ストルバイトと膀胱炎は原因が同じなのですから。なので、頻尿の症状が見られる際に、動物病院で尿検査をするとストルバイトの結晶が見つかるのです。この場合の頻尿の原因はストルバイトでは無く膀胱炎です。

今回はここまでとなります。次回のコラムでは、ストルバイトと膀胱炎の原因を詳しく説明していきます。

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草食動物とは?
はじめに草食動物とはどのような動物の事を指すかをお話します。代表的な草食動物と言えば牛では無いでしょうか。シマウマやヤギなども動物園で人気の草食動物です。草食動物は特別な機会を除き、基本的には草や木の実、花や果実などの植物しか食べません。また、消化に時間が掛かる食べ物(植物)を主食としていますので、非常に長い消化器を持っており、牛や羊など一部の草食動物は、4つの胃を持ち、一度飲み込んだ食べ物を再び□の中に戻して再び咀嚼をします。その行為を反芻(はんすう)と呼び、牛や羊などを反芻動物と分類しています。牛や羊などが、常に口を動かしているのはその為です。このように牛や羊などが、一日中ダラダラと食事をしているのには理由があります。決して飼育員さんが牛や羊などを甘やかして「置きエサ」をしているわけではありません。




肉食動物はどうなの?
消化に時間が掛かる食べ物を主食としている為、長い消化器を持つ草食動物に対し肉食動物である猫は、比較的噛みやすく消化しやすい肉を主食としますので、草食動物に比べると消化器は短く、口の中に入った食べ物を咀嚼する歯を持ち合わせていません。ですので口の中に入った食べ物は丸のみで食べる事が出来、事情があって全抜歯した場合でも、硬いドライフードを問題無く食べる事が出来ます。たまにドライフードを噛まずに食べる事を心配なされる飼い主様がおられますが、それが肉食動物である猫本来の食べ方ですので心配は要りません。また、草食動物は基本的には植物しか食べない動物ですが、肉食動物は肉しか食べない訳では無く「肉も」食べる動物です。肉以外の植物も大切な栄養源となります。但し、肉食動物は体の構造上、植物を消化する事がとても苦手な為、草食動物の内臓で消化が始まっている植物を食して栄養バランスを整えています。よって、肉食動物である猫だからと言って、お肉に偏った食生活ではいけないと言う事が分かります。




毎日食べないのが肉食動物!
多くの動物園では、トラやライオン、チーターなどの肉食動物には週1回~数回の絶食日を設けています。また、食事を与える日であっても食事の回数は1日1回です。これが肉食動物の食生活です。また、野生の肉食動物も毎日狩りはしません。また、1日に何回も狩りはしません。猫も同じなのです。本来は、草食動物のように毎日食事をしたり、1日に何回もダラダラと食べたりはしないのです。それなのに、キャットフードメーカーや動物病院、ペットショップ、ペットフーディストなどの資格をお持ちの方などが、猫の食事は1日3回以上に分けて、一度に沢山与えずに少量ずつ食べさせるような食生活を推奨なされます。ですが、このような誤った食事指導によって、尿がアルカリ化して、膀胱炎やストルバイト結石などの下部尿路疾患を患う子が多くなってしまっています。資格や免許を持った人間が必ずしも正しい情報のみを発信しているわけではありません。肉食動物である猫本来の食生活を考えれば、どの情報が正しいかを判断していただく事が可能かと思います。肉食動物である猫にとって、1日3回以上の食事や、置きエサによるダラダラ食いは身体にとって害でしかありません。くれぐれもご注意ください。


与えない事も食事管理のひとつです!
まず、絶食(ぜっしょく)とは?
インターネットで検索すると次のように出てきました。「食を絶つこと。食物をまったくとらないでいること。断食(だんじき)。」
ひと昔前は絶食や断食と言うと、宗教的な精神修行のイメージがありましたが、今はファスティングなど腸活や健康管理のイメージが強くなってきたように感じます。ファスティングは「何も食べない!」と言うよりは、一定期間において固形物は食べずに、酵素ドリンクやプロテインなど、ある程度の栄養を摂取出来るドリンクは口にすると言った感じで、日頃働いてくれている胃腸や内臓、消化器官などを休ませ、体内に蓄積した老廃物や毒素の排出を促し、腸内環境を整える為に行う食事管理の事を言います。また、一定期間と言っても、時や場合、目的などによって異なり、12時間程度の絶食もあれば、数日間による場合もあります。それでは、犬や猫にとって絶食はどのような効果が期待出来るかをお話したいと思います。




まずは絶食をして様子を見て欲しい時は?!
当店では基本的に1日2回の食事を推奨しておりますので、12時間何も食べない事は絶食とは言わないです。それが当たり前の食生活になります。しかし次のようなケースでは、12時間に1回の食事も抜いて様子をご覧いただきたい場合があります。それは、頻尿が見られる時です。頻尿とは、猫に多いですが、短時間の間に何度もトイレへ行って排尿のポーズをとるが、殆ど尿が出ない事を言います。その多くの原因は膀胱炎やストルバイト結晶です。いつも言いますが、膀胱炎やストルバイトの原因は尿のアルカリ化です。また、尿のアルカリ化の原因は空腹時間の短さやたんぱく質の過剰摂取ですので、一定の期間絶食をする事で、尿が酸性を維持し、膀胱炎やストルバイトの解消に繋がります。実際には24時間~36時間程度の絶食をおすすめします。もちろんお水は常に飲めるようにご用意をお願いします。食事を摂らない分、お腹が空くので、いつも以上に水を飲むはずですのでたっぷりとご用意をお願いします。そして、その後は1日2回の食事を徹底して、食べ残しがあっても置きエサをしないようにお願いします。




こんな時も絶食が一番の特効薬!
犬や猫でも、原因不明でお腹を壊したり嘔吐をしたり、事情があって日頃は与える事は無い変わった物を食べて下痢をしたり、食べ過ぎで嘔吐をしたりする事があります。そのような時は絶食が一番の特効薬です。もちろん動物病院で診察を受けて適切な治療を施してもらう事も大切ですが、まずは慌てずに絶食をお願いします。良くある間違いが、食事を食べた後に食べた分をそのまま吐いたので、先程の食事では栄養補給が出来ていないであろうと判断し、再度食事を与えてしまうケースです。一食や二食程度、栄養補給が出来ていなくても大きな心配は要りません。それよりも、吐き気がある時に食べ物を与えると高確率で再度嘔吐をします。下痢の場合も同じです。下痢をしている時に食べ物を与えると再度下痢をする可能性が高いです。ですので、まずは絶食をお願いします。一定の期間、絶食をして胃腸を休めてあげましょう。1日や2日程度の絶食で栄養不足(栄養失調)にはなりませんのでご安心ください。また、愛犬愛猫が少しお腹を痛そうにしている時や、ゲップをしている時、おならをしていたり、お腹がキュルキュル鳴っている時なども絶食がおすすめです。規則正しく食事を与える事も大切ですが、食事を与えない事も健康管理になります。必要な時には勇気を持って食事を抜いてあげてくださいね。


食べない原因は他にある!
猫に多い慢性腎不全。多いと言うかほとんどの猫が加齢とともに患います。その猫の慢性腎不全をインターネットで調べると、「多飲多尿」「食欲不振」「嘔吐」などが代表的な症状であると言う事が分かるかと思います。その為、動物病院で「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断された飼い主様は、下記のような内容で当店にお問い合わせをいただく事が多いです。

「先日、健康診断で初期の腎臓病と診断されました。腎臓病対応のフードを与えたいと考えていますが、腎臓病の影響により食欲があまり無く、腎臓病対応のフードを食べてくれません。何か良い方法や、良いフードはありませんか?」

言葉は違えど、同じような内容のご質問を非常に多く頂戴致します。ですが、、、、、




本当に食欲不振なの?
確かに腎不全を患うと食欲が低下して、何も食べる事が出来なくなります。そう!何もです。腎不全による食欲不振を舐めてはいけません。本当に何も食べる事が出来なくなるのです。それ程しんどくなる病気です。そして、そのような状態に陥るのは腎臓病の末期です。「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」では食欲不振にはなりません!例えば、BUN(尿素窒素)の値が60台や80台程度、クレアチニンの数値が2.6や2.8程度であれば、確かに「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断がくだされるかと思いますが、何も食べる事が出来ない程の食欲不振にはならないはずです。ですので、「いつも食べているフードは食べるけれど、腎臓病対応のフードは食べてくれない。」や「数種類の腎臓病対応のフードを試してみたが、食べるのは初めの一口だけだったり、ニオイを嗅ぐだけで一口も食べないフードもあった。」などは、食欲が無いとは言いません。それは腎不全による食欲不振では無く、若い頃から甘やかして育てて来た事によるワガママです。




長生きをしてほしいのであれば厳しくしないと!
腎臓病の治療は何と言っても食事療法です。投薬をして治るような病気ではありません。1日でも長く一緒にいたいのであれば、食事を徹底するしかありません。腎臓病の場合は、「病気だから甘やかして食べたい物を食べさせる」と言ったような事は通用しません。食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせてください。過去のコラム●「愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!」でも書きましたが、食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせるには、ご愛猫に選択肢を与えない事が大切です。沢山のサンプルを取り寄せたり、小さなサイズの製品を買っては諦めるなどのような事はしてはいけません。

尚、「猫は好き嫌いが激しい」や「猫は同じフードを続ける嫌がる」や「猫はちょこちょこ食べしか出来ない」などは誤った情報であり、間違った飼い方(食事の与え方)や甘やかしが原因です。病気になってからでも食生活を見直す事は可能ですが、出来れば若い健康な頃から、規則正しい食生活を実践し、好き嫌いをしない子に育ててあげてくださいね。


甘やかしていると後悔しますよ!
犬でも猫でも同じ事が言えるのですが、甘やかしてしまった結果、食生活が乱れてしまうと、結果的にかわいそうな目にあうのは犬猫達です。甘やかすとは具体的にどのような事なのかと言うと、あくまでもここでは食生活においての甘やかしについてお話をしますが、最も多い甘やかしが、間食の与え過ぎです。間食とはおやつやご褒美の事を言いますが、基本的には与え無くても良い食べ物の事です。人間も同じですが、おやつは食べなくても良い物ですし、ご褒美はおやつを与えたい飼い主側の都合の良い呼び名とも言えると思います。おやつを与え過ぎるのは犬猫にとって良くない事と認識されておられるのですが、ご褒美はおやつに含まれないとお考えの方が多いです。実際に、「おやつは与えないけど、トイレのご褒美は与えています。」なんて方が多いですから。ご褒美であっても、犬猫からするとおやつです。間食を全く与えてはいけないとは思いませんが、朝晩の食事の食いつきに影響が出るほどの量や回数を与えるのは、完全な甘やかしです。結果、おやつは食べるけれどフードは食べないので、「うちの子は好き嫌いが激しい」「うちの子は食が細い」「うちの子は食に興味が無い」などとなるのですが、だいたいそのようなご家庭の犬猫達は太っていますよね・・・。




絶対やってはいけない甘やかしは置きエサです!
もう何度も何度もお伝えをしておりますが、置きエサは絶対にしてはいけません。間食の与え過ぎで朝晩2回の食事の食べが悪くなって置きエサをしているケースや、1日に3回も4回も食事を与えるが故に1回の食事への執着心が薄れて食べ残すようになって置きエサをしているケース、1回の食事の量が多過ぎるのにも関わらず完食をしないからと言って置きエサをしているケース、自動給餌器を使用して食事を与えているので食べ残しを下げる事が出来ずに置きエサになっているケースなどなど、置きエサには様々な原因が考えられますが、置きエサをすると必ず好き嫌いが激しくなります。そして、ガツガツと勢い良く食べる事が無くなりますので、食が細いと勘違いをしてしまい、ついつい甘やかしてしまって、日替わりのようにフードを変えたり、1日に何回も手のひらからフードを与えるようになったりしがちです。結果、空腹時間が短くなり、尿のpHに乱れが生じ、膀胱炎やストルバイト結石などを繰り返し発症するようになります。置きエサをしていると、必ずと言っても良いほど、膀胱炎やストルバイト結石を患います。ですので、何があっても絶対にしてはいけない甘やかしが置きエサになります。




フードの追い足しは禁物!
1日2回の食事を徹底し、食べ残しがあっても置きエサをせずにお皿を下げてしまうようにしていただいていれば、どのようなフードが出て来てもガッツいて必死になって食べるはずですなのですが、何故かフードを選り好みしたり、好き嫌いが激しくなる事があります。このようなケースで多いのが、フードの追い足しです。フードの追い足しとは、例えばAのフードをお皿に入れて差し出すとします。しかし、気に入らないのか匂いを嗅ぐだけで食べなかったり、半分程度を残したりしているので、そこにBのフードを加えたり、Cのフードを別のお皿に入れて差し出したりする事です。このような事をしていると、せっかく1日2回の食事を徹底していただいても、好き嫌いが激しくなりフードの選り好みをするようになってしまいます。ですので、一度差し出したお皿の中身に手を加えてはいけません。フードがお皿に残っているからと、そこにふりかけを追い足しするような事は絶対にしてはいけないのです。また、二つ目のお皿を追加で差し出す事も絶対にしてはいけません。うちの子は好き嫌いが激しいとお思いの方、うちの子は食が細いとお思いの方、このような甘やかしによって、苦しい思いや痛い思いをするのは愛犬や愛猫ですよ。可愛いからこそ、食生活に対しては厳しくしてあげてくださいね。


初めの頃を思い出してください。
子犬や子猫の頃から愛犬・愛猫と暮らし始めたと言う方は少なくは無いと思います。ペットショップで購入したり、保護団体から里子として迎え入れたり、知り合いの家で産まれた子を譲り受けたりと、経緯は様々であったとしても、家に迎え入れた当初の頃を思い出していただきたいです。その子が初めて飼ったペットであれば尚更です。当然、初めは誰でも初心者ですので、何をどのようにすれば良いか全く分からない状況だったと思います。誰かに聞いた食事の与え方や食事の内容をそのまま実践しておられたと思います。「こんな感じで良いのかな?」「これで大丈夫なのかな?」などと不安と向き合いながら接しておられたと思います。お皿に入れたフードを完食してくれれば、嬉しかったり安心したり、逆に少し残すと不安になったり。それが数ヶ月や数年経つと、当然の事ではありますが、「慣れてくる」のですよね。良い意味でも悪い意味でも。




最初は強い意志を持っていたとしても・・・。
初めて犬や猫と暮らす方でも「人間の食べる物を与えてはいけない!」と言う事はご存知だと思います。そして、実際に犬や猫と暮らし始めた当初は、「この子の健康の為にも人間の食べる物は絶対に与えない!」と強い意志をお持ちになられていたと思います。しかし、ご自身の食事中にテーブルの横で物欲しそうな目で見てくる愛犬や愛猫の姿に負けて、最初は「1回だけ!」「一口だけ!」のつもりでつい。また、ペット用のおやつに関しても当初は、「少しだけなら」と言うお気持ちで与え始めるのですが、催促に負けてついつい。そう、感覚は麻痺してくるのです。「1回だけ!」「一口だけ!」「少しだけなら」のつもりでも、絶対に量や回数は増えてしまうのです。ですが、「少しだけだから大丈夫でしょ!」と、自分に言い聞かせ、愛犬や愛猫の催促に負けて量や回数が徐々に増えて行ってしまうのです。




最終的には都合の良い解釈で・・・。
こうなってくると当然のように食事を残すようになってきます。今までは朝晩の食事を無我夢中で食べていたのに、徐々に食べる勢いがなくなって来て、完食をせずに残すようになってきます。このような時でも、既に感覚が麻痺しているので、「フードが飽きて来たのかな?」「フードの粒の色や形、香りがいつと少し違うからかな?」「成長期が過ぎて食べっぷりが落ち着いて来たのかな?」「口が大きくなって来たので小粒が食べ辛いのかな?」「暑くなって来たから夏バテかな?」などなどと、ご自身の過ちは棚に上げて、都合の良い解釈をしてしまいがちです。そうなると結果的には「置きエサ」をするようになります。いつも言っていますが、置きエサはストルバイトなどの尿路結石、膀胱炎の原因となります。この置きエサに関しても、「置きエサはしていません。完食していなくてもお皿は1時間程度で下げてしまいます。」のような事を言う方がおられますが、1時間もお皿を出しっぱなしにしていれば充分に置きエサです。また、「おやつは与えておらず食事は朝晩の2回です。寝る前にミルクを飲ませるだけです。」と言うケースも多いですが、それでは食事が3回になります。フードを与えないから食事では無いと言う解釈は間違っています。栄養を摂取していればそれは食事です。更に、「間食は与えていません!」と言う方の中には、食事を1日に4回も5回も与えている方がおられます。この多くが、食事の食べが悪く、1回の食事では少量しか食べないので、回数を多くしているのですが、食事回数を増やせば増やす程、犬や猫は食べなくなっていきます。いわゆる贅沢病です。1日に何回も食事を貰えるので、好きな食事が出て来るのを待ってしまうのです。「今回は食べなくても、次の時に食べれば良いや。美味しいご飯が出てくれば良いのにな~。」となってしまうのです。食べなくても毎回同じ内容の食事を出し続けると諦めて食べてくれるのですが、このようなケースでは大半が味変をした食事を提供してしまいます。そう、犬や猫は味変をしてくれるのを待つようになってしまうのです。結果、味変の為に、ち●~るをトッピングしたり、ボイルしたお肉をトッピングしたりして、栄養バランスの乱れた食事を与えるようになって、体調を崩してしまいます。当然ですよね。なので、毎日のように繰り返していると感覚が麻痺してきて、正しい解釈をする事が難しくなってきます。まずは、初心に戻って朝晩の食事のみの生活を取り戻すようにお願いします。


特にお悩みの無い子のフードはどうして選べば良いの?
意外とフード選びの難しいケースが、何のお悩みも無い子だったりします。尿路結石や皮膚疾患や腎臓病などのお悩みがある場合は、それらを対応としたフードを選んだり、インターネットで調べたり、ペットショップや動物病院で相談をしたりして、フードを選ぶ事が可能ですが、何のお悩みも無い子の場合は、どのようなフードを選んで良いかが分かりにくく、いざ誰かに相談しても「食い付きが良くて、綺麗な便が出ていれば良いのでは?」って言われたり、「インターネットで調べたら、●●●って言うフードが人気ランキングが1位だったよ!」、「〇〇〇のフードが評価が高かったから使ってみたら?」なんて事になり、結局は「このフードで特に体調に問題が無いので、まぁいいか。」ってなったりしがちです。確かに、現時点で健康状態に問題が無ければ、無理にフードを変える必要は無いと思いますが、間違った情報を鵜呑みにしてしまって、良くないフードを選んでしまっているケースも少なくはありません。また、そのようなフードを与えていても、1歳や2歳程度であれば健康状態に影響しない場合が殆どで、年齢を重ねるにつれて、徐々にダメージが大きくなり、健康状態に問題が生じる事が多いです。




何度も言いますが「お肉たっぷり」は危険です!
フードを選ぶにあたって、インターネット検索を使用すると、殆どのケースが「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。実際に「ドッグフード おすすめ」などのキーワードで検索すると、ドッグフードの比較サイトやランキングサイトが上位に表示されます。サイトの中身は、実際に流通しているドッグフードが何種類も紹介されており、ペットフード安全管理者や犬の栄養管理士、ペットフーディストなどの肩書きを名乗った方々が、ドッグフードの選び方や製品パッケージの見方などを語っておられたりしています。そして、最終的には「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」である製品がイチオシとして紹介されるパターンが目立ちます。これはドッグフードに限らず、キャットフードでも同じです。「キャットフード おすすめ」などのキーワードで検索すれば、ドッグフード同様に「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。もう何故かはお分かりいただけますよね。消費者庁にはもう少しきちんと規制をしてもらいたいものです。




何もお悩みの無い子はこんなフードを選ぼう!
現時点で、特に健康状態にお悩みが無い子の場合は、下記のような内容のフードをお選びください。

ドッグフードの場合、成犬であればたんぱく質含有量が20~25%程度のフード、穀物は使用していても問題ありません。但し、小麦(グルテン)を使用しているフードは出来る限り避けてください。トウモロコシや米などは避ける必要はありません。穀物に含まれる食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。また、子犬であっても生後3ヶ月を過ぎれば成犬用で大丈夫です。高齢期に差し掛かってくれば、たんぱく質含有量が18~20%程度のフードに切り替えましょう。

キャットフードの場合は、子猫から高齢猫まで皆、たんぱく質含有量が30%程度のフードをお選びください。子猫用や成猫用、高齢猫用などの表示はあまり気にせず、たんぱく質含有量をチェックしてフードをお選びください。マグネシウムなどのミネラルの含有量は気にする必要はありません。尿路結石とは無関係ですので。また、キャットフードの場合も穀物を避ける必要はありません。犬同様に穀物は腸内環境整備に役立ちます。尚、腎機能の低下が見られる際は、たんぱく質を控える必要が出てきますので、たんぱく質含有量を抑えたフードへの切り替えをお願いします。

また、高齢期や腎臓ケアなどの炭水化物(穀物)を多く含むフードを与える際は、出来る限り消化酵素サプリメントを使用してください。犬や猫は炭水化物を消化するのがとても苦手ですが、消化酵素サプリメントを使用する事で、消化が苦手な食材が使用されているフードでも与えやすくなります。消化が苦手だから健康維持に不要な食材とは限りません。決して、綺麗な便が出るから良いフードと言う考え方はお止めください。宜しくお願い致します。


絶対要らないペット用のおせち料理。。。
この時期になるとネットショップで良く見かけるのがペット用のおせち料理。立派なお重に入っていて2段重ねや3段重ねになっているような物も見かけます。確かに見た目は綺麗でおめでたいお正月にはぴったりだと思います。肝心な中身はどうかと言うと、多くが鶏肉や牛肉、馬肉や鹿肉、魚などを煮たり焼いたりしている物であったり、赤飯やおにぎりなどが入っていたりします。もちろんペット用に作られているので余計な味付けなどはされていないようです。更に謳い文句としては、「人間用食材を使用しています!」「無添加・無着色」「調味料不使用」などが掲げられているケースが多いです。

ん?????

何かおかしく無いですか?人間用食材を使用していて、無添加で無着色、調味料不使用の煮物や焼き物、おにぎりであれば、家にある食材で簡単に作れるのでは?赤飯に関しては塩を振り掛ける前の人間用と同じです。そのような物を数千円も出して買う必要ありますか?そして今回お話をしたい本題が、人間用に味付けされている食べ物は犬や猫に与えてはいけない!と言う考え方。逆に犬猫向けに味付けがされていない食べ物なら与えても大丈夫なのか。。。結構、大切な話です。




クリスマスケーキも要りません!
ペット用のおせち料理と同様に要らないのがペット用のクリスマスケーキや誕生日ケーキ。「脂肪分が多い生クリームは使っていません!」や「豆乳ホイップ使用なので消化が良い!」「砂糖・バター不使用!」「低カロリーだから安心!」などの謳い文句が目につきます。いやいや、、、そんなのどうだって良いんですよ。一年に1回しか食べないケーキなら砂糖が入っていても大丈夫です。カロリーだって低く無くても良いんです。日頃、日常的に与えるおやつやご褒美の場合は気にしないといけない事であっても、一年に1回なら気にしなくて大丈夫です。気にしないといけないのは与える量と、習慣にならない事です。犬や猫は、ペット用に作られているケーキと人間用に作られているケーキの違いを見分ける事は出来ません。誕生日やクリスマスにペット用であったとしてもケーキを貰えた(食べた)子は、次に人間用のケーキを見れば「また貰える!」「また食べたい!」と思ってしまいます。そもそも犬や猫には誕生日やクリスマスの認識すらありませんから。祝って喜んでいるのは人間だけ。そこをしっかりと理解した上で与えなければいけません。




結局は与える量と、その後の諦めさせが大切!
ペット用のおせち料理やケーキをおすすめ出来ない最大の理由が「量」です。ペット用に作られている為、味は薄いですし、人間の味覚では美味しくは感じにくいと思います。人間が食べないのであれば、誰が食べるのかと言うと犬や猫ですよね。一口だけ食べさせて残りを捨てるなんて事はしないと思います。そうなると量を多過ぎるのです。一度に沢山食べさせるか、何日間にわたって少しずつ食べさせるのかは分かりませんが、どっちにしろ食べ過ぎになるのです。添加物や調味料を使用していないからと言っても、沢山食べさせる事が出来るような内容(栄養成分など)では無いはずです。偏った栄養なのに、犬や猫からしたら、いつものフードに比べると超美味。こうなると、いつものフードの食い付きに影響が出て来てしまいます。なので、一年に1回、それも一口程度しか食べないのであれば、人間用のおせち料理やクリスマスケーキで良いのです。もちろんあげないに越した事はありませんよ。あくまでもあげるとしたらの話です。皆さんが食べておられるおせち料理やクリスマスケーキを一口だけ与えて、その後は欲しがっても諦めさせてあげてください。大切なのは与える「質」より「量」です。ペット用に作られた味付けがされていないおせち料理を沢山食べるのと、味付けがされた人間用のおせち料理を一口だけ食べるのであれば、後者の方がかなり安全です。味付けがされていなくても、お肉や魚などを沢山食べると急性膵炎などを発症する可能性もあります。前回のコラムでお話をした「低脂肪だから大丈夫」や今回の「味付けがされていないから大丈夫」の考えは非常に危険です。年末年始はくれぐれもご注意ください。


低脂肪なら良いと思っていませんか?
誤った食事指導をする獣医師やペットショップの店員に多いのですが、「フードの食いつきが悪い時は低脂肪の鶏のササミならトッピングしても大丈夫ですよ。」って。まわりにもおられませんか?低脂肪のお肉なら大丈夫って考えの人。「馬肉は低脂肪だから安心なのよね~。」「おやつで与えるなら低脂肪の鹿肉よね~。」何でしょうね?何故低脂肪なら安心してしまうのでしょうか?低脂肪と言う事は高たんぱくなのですよ!低脂肪で低たんぱくなお肉なんてありませんから。確かにおやつとして少量を与える際は低脂肪の方が好ましい場合はありますが、主食として与えるには低脂肪で高たんぱくなお肉はおすすめ出来ません。




高齢や病気で食欲が無い時には?
実際に多いのが、腎臓や肝臓に不安がある為に、低たんぱくのフードを使用してるにも関わらず、食い付きが悪いからと言って低脂肪の鶏のササミをトッピングしているケース。犬の場合なら、ドライフードはたんぱく質が15%程度に抑えられているフードを使用しているのに、水分を除去すれば70~80%はたんぱく質の鶏のササミをトッピングしているとはまさに本末転倒。そもそもお肉単体のトッピングで嗜好性を高める手法はおすすめ出来ませんが、それでも鶏のササミを使うぐらいであれば脂身の多いお肉の方がマシと言えます。ドライフードやウエットフードのたんぱく質と脂質の比率を見てお考えいただければお分かりいただけると思います。たんぱく質が15%程度に抑えられているドライフードでも10%程度の脂質は含まれています。腎臓ケアのキャットフードの場合は、たんぱく質が25%程度に対して脂質が20%程度含まれています。脂肪を沢山摂取すれば良いと言う訳ではありませんが、バランスで考えると、低脂肪のお肉は主食には向かないと言う事がお分かりいただけると思います。




太っていないからでは安心出来ません!
手作り食を食べている子の多くが、ある程度の年齢を重ねると肝臓や腎臓の数値に指摘を受ける事になります。若い時は問題が無いのですが、高齢期に差し掛かると、手作り食に使用している、高たんぱく・低脂肪のお肉が内臓に負担を掛けてしまうからです。また、手作り食を与えていると好き嫌いが激しくなる傾向がありますので、お肉の量を減らすと食べが悪くなり、ついついお肉の量が増えてしまう事があります。また、飼い主様としては低脂肪のお肉だから少々量が多くなっても大丈夫と勘違いをしてしまいます。結果、低脂肪の食事ではありますが、とても高たんぱくな食事となってしまい内臓が悲鳴を上げる事になるのです。手作り食を与える事やドライフードへのお肉のトッピングを推奨しているわけではありませんが、「低脂肪だから大丈夫!」の考えは危険ですのでくれぐれもご注意ください。低脂肪の食事で太っていないから大丈夫と思っていると危ないですよ。


ふたり(二匹)は仲良くなるのか!?
既に愛犬・愛猫とお暮しの方にとって、新しい家族を迎え入れるかどうかを考えた時に、最も不安に感じたり深く考え込んだりするのが、今居てる先住の子と新しく来る子が仲良く出来るかどうかでは無いでしょうか?先住の子がまだ子供であればそれほど不安にはならないと思いますが、2歳や3歳だったり、ましてや10歳以上の子であれば、新入りさんが来る事で体調を崩してしまうのでは無いかと心配になる方も居られると思います。「ひとり(一匹)だと寂しいのでは無いかと・・・。」と言う事で新入りさんを迎え入れたのに、結果的には先住の子にとっては迷惑な話になってしまって、取り返しのつかない事になったらどうしようかと。そのように思われるお気持ちは分からなくはありません。




犬同士、猫同士、犬と猫。相性が良いのは?
先住の子が犬で新入りさんが猫の場合や、先住の子が犬で新入りさんも犬、先住の子が猫で新入りさんも猫などと複数のケースが考えられますが、初めて新入りさんを迎え入れる際は、犬なら犬、猫なら猫、いやいや猫なら犬などと、どれが一番相性が良いのか分からず悩む方も多いのでは無いでしょうか。私は過去にどのパターンも経験していますので答えは分かっていますが、まずは新入りさんを迎え入れる事が良いのかどうかから始まり、その新入りさんはどのような子が良いのか分からず、いつまで経っても新入りさんを迎え入れる勇気が持てないと言う方も少なくは無いと思います。また、実際に新入りさんを迎え入れたとしても、先住の子との相性が悪く、いつまで経っても喧嘩ばかりの日々を過ごすようになったらどうすれば良いのか。悩みは尽きないですね。もちろん命あるものと向き合う話ですので、慎重になっていけない理由は一つもありません。ですが、決断が出来ずに困っておられる場合には・・・。




犬同士が良いのか?相性の良し悪しを見極めるには?
結論から申し上げますと、「何でもOK!」です。犬と犬、猫と猫、犬と猫、どのケースでも大丈夫です。相性も関係ありません。但し、楽観的に考える事をおすすめしているわけではありません。実際に新入りさんを迎え入れた当初から仲良く出来るかどうかは分かりません。初めから仲良く出来る子も居てるかも知れませんが、初めから喧嘩もせずに仲良く出来る子をお探しであれば新入りさんを迎え入れる事は諦めた方が良いかと私は思います。先住の子と新入りさんが仲良く出来るか分からないので、「お試し(トライアル)期間が必要」のようなお考えであれば、大変失礼ながら新入りさんを迎え入れる資格は無いと思います。「相性が悪そうだから返します。」や「もう少し相性が良さそうな子と交換してください。」のような考えが無ければお試し(トライアル)期間のような時間は必要が無いはずです。新入りさんを迎え入れる決断をしたのであれば、先住の子と新入りさん両方が幸せになれる方法を考えてあげてください。犬と犬、猫と猫、犬と猫、相性など関係無く、時間が経てば必ず仲良くなります。仲良くと言っても、一緒に遊んだり、くっついて寝たりするような事は望んではいけません。同じ屋根の下で家族みんなが幸せに暮らす事が出来れば良しとしましょう。たまには喧嘩をする事もあるでしょう。でもお互いの存在をとても大切に思うようになる事は間違いありません。焦らずに見守ってあげてくださいね。


実際に数多くの子猫を見て来た結果!
私事ですが、行き場の無い猫達を保護して、里親を探す活動をなされている方へのお手伝いとして子猫の預かりボランティアをさせていただいております。産まれて間もない子の場合はミルクを与える事から始まり、ある程度育っている子であればフードを与えて譲渡会の日が訪れるのを我が家で待っています。その為、うちの子では無い子猫が常に数匹、家に居てる環境になっています。ですので、年間に数十匹の子猫と一時的に暮らす事になるのですが、実際にどのような食事の与え方をしているかをご紹介したいと思います。子猫販売をしているペットショップの店員や動物病院、書籍やインターネットなどで紹介されている方法とは少々違っておりますが、実際に行っている食事方法ですので是非、参考にしていただければと思います。子猫の頃からの食生活が習慣化される傾向が強いので、子猫の頃の食事の与え方がとても重要になります。




一般的に紹介されている食事の与え方は。
子猫をペットショップで購入なされた際には店員から、「生後半年程度までは1日に3回~5回程度に分けて食事を与えてください。」や「1歳の誕生日までは1日に3回以上に分けて食べさせてあげてください。」などと、ある時期までは回数を多くして、その後は回数を減らすと言った食事の方法を紹介される事が多いかと思います。動物病院でも「子猫の間は数時間おきに回数を分けて食べさせなさい。」のような食事指導をする獣医師が多いです。ですが、生後2ヶ月程度で家に来てから数ヶ月間、1日5回以上や朝昼晩の3回などと食事を与えてしまうと、飼い主側の感覚でそれが常識となってしまい、いつまでたっても回数を減らす事が出来ずに、子猫の時期からの食事回数を大人(成猫)になっても続けておられる事があります。また、食事以外におやつを与えたり、1回の食事量が多過ぎたりなどで、食事への執着心が薄れ、フードを残すようになり、結果的に置きエサになっているケースが目立ちます。そうなると、当コラムをいつもご覧いただいている方はお分かりになられると思いますが、空腹時間の短さが原因となって、膀胱炎や尿路結石を患うようになったり、腸のぜん動運動が不活化し便秘になったりします。また、それらの原因が食事の与え方では無く、フードの内容にあると勘違いをし、フード選びに困った方が良くお使いになられる言葉の「フードジプシー」に陥る結果となります。大変失礼ながら、そのような方ほど「猫は肉食動物だから穀物は身体に悪い」のようなお考えでおられる反面、草食動物のようにダラダラ食べる事を許してしまっておられるように思います。1日何回も食事を摂るのは草食動物、数日に1回の食事を摂るのが肉食動物です。動物園のトラやライオンは毎日食事を摂りません。元来、猫も同じで毎日食事を摂る必要は無いのです。




成長期の子猫への正しい食事の与え方!
お待たせ致しました。前置きが長くなりましたが、成長期の子猫への正しい食事の与え方ですが、ここで言う「成長期の子猫」とは生後2ヶ月程度とお考えください。ペットショップなどの子猫販売は生後56日以上と定められています。生後2ヶ月程度の子猫を家に連れて帰って来たその日から、食事は1日2回でお願いします。そして与えるフードはお湯でふやかす必要はありません。ドライフードはカリカリのままで結構ですので、お皿に食べ切れない程度の多い目の量を入れて朝晩2回差し出してください。これがポイントです。フードパッケージには、生後2ヶ月の場合は「●●gを1日に5回」などと記載されていますが、生後2ヶ月から3ヶ月程度までは1回分の量を定めず、その時に食べる事が出来る量を食べさせてあげてください。但し、一度でもお皿から離れると、どれだけ残していようがその時の食事は終了です。それを朝晩2回行ってください。成猫にそのように量を定めず食べさせると「食べ過ぎ」となり体重超過に陥ってしまいますが、生後3ヶ月程度までは大丈夫です。1日2回の食事で1回の量は食べ放題で結構です。但し、先にも述べました通り、一度でもお皿から離れたら絶対にお皿は下げてください。そして次の食事の時間までは何も与えない。尚、生後3ヶ月を過ぎれば1回の量を定めて1日2回の食事をご継続ください。そうする事で、猫も飼い主様も「食事は1日2回」が習慣(常識)となります。結果、1日2回の食事の間の時間帯は猫から食べ物を催促してくる事はありませんので、「欲しがるのでついつい、いつまでも1日3回の食事を・・・。」と言う事にはなりません。

このような事を書いているのは当コラムだけだと思いますが、先にも述べました通り、年間に数十匹の子猫と暮らしている実績があります。そしてその子達を正しい食生活が送れるように育てて来た経験があります。決して机上の空論ではございません。1日2回の食事でしっかりと育ってくれます。小さい頃から1日2回の食事の徹底を是非おすすめ致します。これを実践していただくと、フードの選り好みをしない子に育ってくれて、腎不全など食事療法が必要になった際に「療法食を食べさせたいけど食べてくれない・・・。」なんて事にはなりませんよ。


原因が不明と言う事は・・・。
犬の蛋白漏出性腸症や腸リンパ管拡張症、犬猫共に多いIBD(炎症性腸疾患)など、病院で詳しく検査をしても原因が分からないと診断されるケースは少なくはありません。また、それらの多くは病気(疾患)と言うよりも、今現在起こっている症状を表す言葉と言う方が正しいと思います。何の病気が原因でそのような症状に陥っているのかを、動物病院ではしっかりと調べてくれると思うのですが、それでも明らかな病気は見つからずに「原因不明」となってしまうのです。例えば、食欲はあるが下痢や軟便が続くので血液検査をすると、アルブミンの数値が低く、更に詳しく調べると腸リンパ管拡張症が確認され、更なる原因を調べても腫瘍などは確認されずに、原因不明のIBD(炎症性腸疾患)となってしまうようなケースがあります。まぁ、原因が不明だからIBDとなるのですが。でも良く考えてみてください。今の獣医学や検査機器を使っても原因が見つからないようであれば、根本的な原因は食生活にあると疑ってみても良いのでは無いでしょうか。原因が分からないIBDだからと言って諦めずに是非一度ご相談ください。




実際に多くの改善例があります!
当店には毎日沢山のお悩みやご相談が届きます。下痢や便秘、フードの吐き戻しや胃液の嘔吐、尿路結石や膀胱炎など。殆どのケースが、動物病院で診察や検査を受けても原因が分からず、治まったと思っても暫くすると再発を繰り返す。もうこれはうちの子の体質なので仕方が無いと思っていた矢先に当店にたどり着いていただき、いちから食生活を見直していただいた事によって、症状が改善(緩和)した事は数え切れないほどあります。また、「吐くから」とか「下痢をするから」などで1回の食事量を減らし、食事回数を増やすなどの誤った解決策を行ってしまっているケースも多いです。「獣医師に言われた通りしているけど治らない。やはりうちの子の体質かな・・・。」と思い込んでいる方、是非一度ご相談ください。もちろん中には食生活の見直しだけでは症状に変化が無い場合もありますが、意外と良かれと思ってやっている食生活や、良いと思って選んでいたフードやサプリメントが原因になっている事もありますので。あと、当コラムでは何度も言っていますが、獣医師は病気(医学)のプロですが、食事のプロではございません。食事や食生活が関係していると思われる症状に関しては是非当店までご相談ください。




アレルゲンを気にするよりも食生活を!
以前にもコラムで書いた事がありますが、慢性的な下痢や軟便、皮膚の赤みや痒みなどがある時に、動物病院でアレルギー検査を行う事がありますが、アレルギー検査の結果は決して答え(正解)ではありません。症状の原因(アレルゲン)となっているのに陽性反応が出ない場合もあります。また、アレルギーには即時型アレルギーと遅延型アレルギーがあるので、症状に適した検査をしないと意味がありません。更に、犬猫のアレルギーの内、食物アレルギーの確率は非常に低く、お悩みの症状の原因が食物アレルギーである可能性はかなり低いです。また、アレルギーと良く似た症状が出る食物不耐症の可能性もあり、アレルギー検査で陽性反応が出たアレルゲンを全て除去した食生活を行っていても症状が改善しない場合は、良かれと思って与えていた食材が症状の原因になっている場合があったり、良かれと思って行っていた食事の与え方(1日3回以上に分けるなど)が原因で腸内環境が乱れ、免疫機能が正常に機能していない場合もあります。それらを踏まえて、一度食生活を見直すだけで症状が改善する場合があります。ご自身では気付けない点もあると思いますので是非一度ご相談ください。