コラム


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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2週間前のコラムの予想が的中してしまいました・・・。
前回のコラムでこう書きました。

「間違った水分補給をさせてしまう方が多いです。代表的なのが、ち●ーるなどのペースト状のおやつです。」

水分補給が目的で与えているわけでは無い飼い主様も多いかと思いますが、ここ数日のお悩みやご相談で必ずと言って良いほど出てきたキーワードが「ち●ーる」です。もちろん他社メーカー発売の類似品も含みます。とにかく犬も猫も喜んで良く食べるそうですね。私は一切使用した事が無いので分かりませんが、沢山のお客様のお話をお聞きしていると使った事が無い私でも想像はつきます。また、共通して言える事が、「毎日与えている」事です。その結果のお悩みやご相談が、「フードを食べない」となっています。




そのような場合にたどり着く先は?!
水分補給を目的に、ち●ーるなどのペースト状のおやつを与えて、主食となるフードを食べなくなり、水分は摂取出来ても大切な栄養が摂取出来なくなったとして、何故そのままち●ーるなどのペースト状のおやつを与え続けるのでしょうか?とても不思議です。フードは食べないのにペースト状のおやつは食べるから、ペースト状のおやつを与える量が増えたり、ペースト状のおやつをドライフードに掛けたり。そんな事をするよりもペースト状のおやつを与えるのを止めれば良いだけです。それにしても何故あのような製品が流行してしまったのでしょうね。個人的には全く与える気にならないですけど。結局、そのような場合にたどり着くのが、「膀胱炎」や「ストルバイト」です。フードは食べないので常に置きっぱなし。フードを残しているのに日中に数回のペースト状のおやつ。そりゃ病気になりますよ。




フード選びも間違った方向に!
ペースト状のおやつなどを与え過ぎなのにフードを食べなくなると、多くの飼い主様が食いつきの良いフードをお探しになられます。結果、お肉たっぷりの高たんぱくなフードに。おやつを食べ過ぎて栄養バランスが乱れているところに更なる高たんぱくなフード。更に肉類のトッピング。水分を含んだ肉類のトッピングで水分補給が出来ているにも関わらす、お皿からお水を飲んでくれないからと言って、またまたペースト状のおやつで水分補給。典型的なストルバイト発症に陥る間違った食生活です。おやつは食べるけどフードは食べないから食いつきの良いフードを探すと言った発想がそもそも間違っています。改めて考えていただくと当たり前ですよね。フードを探すよりもまずはペースト状のおやつを与えるのを止めてください。水分補給なんて気にする必要ありません。




ペースト状のおやつを与えていないあなたも要注意!
ペースト状のおやつを与えていなかったとしても、気温の上昇と共に夏バテと言う言い訳を理由にフードの食いつきが悪くなったからと言って過剰な肉類のトッピングは危険です。食べが悪くなっている原因は本当に夏バテですか?まずは朝晩2回の食事以外に与えているものを全て止めてください。これからの季節は食生活の乱れが原因のストルバイトや膀胱炎がとても多くなります。既にお問い合わせやご質問が急増しています。くれぐれもご注意ください。何度も言いますが、水分の摂取量なんて気にする必要はありません。無理に飲まさないでください。獣医師からそのような指示があっても気にしないでください。お願いします。


こんな言い訳は通用しませんよ!
太る原因。犬も猫も人間も同じです。「食べ過ぎ」です。食べ過ぎなければ太りません。食べ過ぎても太らない子もいますが。逆はありません。太っていれば食べ過ぎです。「散歩に連れて行く時間が無いので運動不足で・・・。」や「一日中寝ているので・・・。」、「避妊(去勢)手術をしているので・・・。」など色々な言い訳を耳にしますが、どれも関係ありません。原因は食べ過ぎです。正確に言うと食べさせ過ぎです。犬猫は人間に食べ物を貰わないと食べ過ぎる事はありませんからね。与え過ぎれば太りますし、与え過ぎなければ太りません。




食が細いのに体は太い???
下記のようなお問い合わせをとても良く頂戴致します。

「うちの子は食が細くてフードを殆ど食べません。何かおすすめのフードはありますか?」
「あまり食に興味が無いのかフードをお皿に入れて差し出しても食べるのは一口か二口程度で。。。」
「朝に出したご飯が夕方まで残っている・・・。」

それで、もう少し詳しくお話をお聞きしていると、「でも少し太り気味で・・・。」と。それは食が細いわけでも無く、食に興味が無いわけでもありません。食が細いのに体が太いなんてどう考えてもおかしな話です。でも飼い主様としては主食を食べないと栄養面で心配になるんですよね。それなら、まずはおやつを与えるのをやめてあげてください。決して「食が細い」わけではありません。ご飯やおやつの与え方を間違っているので「好き嫌いが激しい」だけです。犬や猫のせいにしてはいけません!




実は暑い夏場は太りすやい!
「このフードは太りやすい!」とフードを体重増加の原因にする方がおられますが、フードだけを規則正しく食べている子は殆ど太りません。また、これからの季節で多くなるのが、「夏バテでフードを食べない。。。」です。正直言って関係ありません。言い訳です。犬や猫は暑いからと言って食欲が落ちる事は殆どありません。(もちろん熱中症には気をつけてあげてください。)それでは何故暑い夏場にフードの食いつきが悪くなるのかと言うと、原因は無意味な水分補給です。熱中症対策や暑そうにしている姿を見かねて、間違った水分補給をさせてしまう方が多いです。代表的なのが、ち●ーるなどのペースト状のおやつです。水分を摂取出来たとしても余計な栄養を摂取したり、濃い味付けがされているあまりに、フードの食いつきに支障が出やすいです。他にはアイスクリームやヨーグルトの蓋の裏を舐めさせたり。フードの食いつきが悪ければ尚更余計な物を与えてしまい、大して食べてもいないフードを肥満の原因に。。。先に述べた「うちの子は食が細い」と言う方も、ち●ーるなどのペースト状のおやつなどを与えているケースが多いです。いつも言いますが、必要な水分は自ら摂取しますので無理に摂らせる必要はありません。




とにかく太っていて得する事はありません!
「犬(猫)はちょっと太っているくらいが可愛い。」たまにこのような事を言う方がおられますが、太っていて良い事なんてありません。特に歳を重ねるにつれて、「関節炎」や「心臓病」、「内臓疾患」など太っている子が患いやすい疾患が多くあります。若い頃から適正体重を意識して、太らせてしまわないようにフードやおやつの量を調節して、愛犬・愛猫の体調を管理していただく事はとても大切です。太る気配があれば、おやつを与えなければ良い事ですし、ご飯(フード)の量を減らせば良いだけです。とても簡単です。欲しがるからと言って与えていてはキリがありません。欲しがっても与えなければ良いのです。そのうち欲しがらなくなりますし。貰えるから欲しがるだけです。これからの暑くなる季節は食生活が乱れやすいのでくれぐれもご注意ください!


猫の便秘の原因が水分摂取不足って本当?
インターネットで「猫 便秘」で検索すると、まぁ見事に殆どの記事で「猫の便秘の原因は水分摂取不足」と書かれています。更にその理由が、「猫のルーツは砂漠で生活していた為、元々あまり水を飲まない傾向がある。その為、便の水分が減少して便秘になってしまう。」と。正直言って「なんじゃそれ?」ですよ。更にそのような記事には「獣医師監修」と。元々水を飲まない習性なのであれば水を飲まなくても便秘にはならないのでは?と思いますけど。逆に「元々水を沢山飲む習性なのに、家にいる猫は水をあまり飲まないので便秘になりやすい。」と言うのならまだ分からなくはありませんが。「獣医師監修」って言葉も「当社比」や「当社調べ」レベルで信用にならない言葉ですけどね。ちゃんとした獣医師ならこんな事は言わないでしょうね。また、先日のコラム「これは獣医さんに言われてもやっちゃだめ!」でも書きましたが、水は無理に飲ます必要はありません。飲まないのは「足りている」から。必要があれば自ら飲みますので。




便秘の解消にはグレインフリーフードが良いって本当?
これも良く見かけますが、正直関係ありません。逆にたんぱく質含有量が高すぎるグレインフリーフードは便秘を悪化してしまう可能性があります。原因は腸内環境の悪化です。猫は確かに肉食動物ですが、肉食動物は「お肉も食べる」動物の事です。「お肉だけを食べる動物」ではありません。お肉を食べ過ぎる事により、腸内の悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化し、便通が悪くなる傾向があります。お肉以外にもバランス良く、炭水化物や繊維質も摂取しないといけません。とは言っても、余程の栄養の偏りがあるグレインフリーフードで無ければ問題ありません。便秘の原因は、どのようなフードを与えているかでは無く、実は別の原因が大きく影響しているのです。




腸が活発になる時間を作ってください!
食べた物はまず胃で消化されます。そしてそれを十二指腸へ送り出して、その後小腸を通過して大腸に到着して便となります。大腸では便の水分を吸収(調節)しますので、大腸での滞在時間が短い便は水分の多い軟便に、滞在期間の長い便は硬くて出にくい便になります。便秘ですね。この硬くて出にくい便を作り出してしまう、長時間の滞在原因が胃の酷使です。すなわち便秘の原因は胃の酷使と言えると思います。胃が空になった時ほど腸は活発に働くと言われています。ご飯(フード)や間食(おやつ)をダラダラ食べていると、いつまでたっても胃は空にならず、腸の働きは静かなままです。そうすると、大腸に滞在している便は必要以上に水分を搾り取られ、硬くて出にくい便になってしまいます。人間も同じで意外とダラダラと食べ過ぎてしまうと便は出にくく、半日~1日程度断食をすると便が出やすくなると言われています。便秘でお悩みの猫の場合も、食生活をお聞きすると、大半が「置きエサによるダラダラ食い」や「一日数回のおやつ」、「朝方の空腹嘔吐を防ぐ為の寝る前の夜食」などが。結石や膀胱炎の予防としても当店では1日2食を推奨していますが、実は便秘解消にも1日2食が大切になるのです。食生活は規則正しくお願いします。


みんな最初はドライフードが大好きなんです!
「うちの子はドライフードが嫌いで食べません。。。」と言う方。考え方を変えましょう。本当はドライフードが嫌いな子なんていないんです。美味しいご馳走なんです。だってみんな生後1ヶ月ほどで親のお乳から離れて離乳食を食べだします。そして無事に離乳が出来ればドライフードをふやかして食べるのです。そう、無我夢中で。みんな凄い勢いで食べます。ペットショップでの生体販売には反対ですが、一度ペットショップの子犬や子猫のご飯の時間を見に行ってみてください。ショップ店員さんがご飯の用意を始めるとみんな一斉に鳴きだします。今までガラス越しのお客様の方を見ていた子達が全員お客様にお尻を向けます。そしてお皿が目の前に来ると数秒で完食します。ペットショップ出身のあなたの愛犬や愛猫もペットショップに居てる時はドライフードが大好きだったのです。




我が子がおうちに来た頃の事を思い出して!
ショップやブリーダーさんのところからおうちにやってくるのは生後2ヶ月位でしょうか。その頃は、ほぼ全ての飼い主様がショップ店員さんやブリーダーさんに言われた事をしっかりと守り、ご飯はドライフードをふやかして、粉ミルクやサプリメントなどを加えて与えます。留守番や寝る時は指示されたようにケージに入れて、人間の食べる物は与えず、健康に育って欲しいと願って毎日過ごします。しかし、いつの頃からか、ケージは物入れになったり撤去したり、人間の食事の際につまみ食いをさせたり、ご飯は食べないからと言ってお肉や野菜をトッピングするようになったり。またまた、テレビのコマーシャルやバラエティ番組を真似しておやつを与えたりするように。思い出しましょうよ。ケージを使わないといけないとは思いませんし、おやつを与えてはいけないとも言いません。ただ、食事はあの頃のように「規則正しく」が今でも大切です。




あの頃はドライフードが一番のご馳走だったはず!
あんなに好きだったドライフードを何故食べなくなったのでしょう。思い当たる節はございませんか?原因はあなたですよ。犬や猫の好みが変わったのではありません。皆さんが良く使われる言葉の「飽きた」のでもありません。答えはひとつ、あげ過ぎなんです。ドライフードよりも美味しい物を。肉や魚、ヨーグルトやパン、焼き芋や果物、そして犬猫用のおやつ。全部ドライフードよりも美味しいんです。そんな物を与えてしまうとドライフードを食べなくなって当然です。自分のご飯の時間に出てくるドライフードよりも、他の時間に出てくる食べ物の方が美味しいんですから。でも、そんな食生活を長く続けていると・・・。




結局はドライフードに戻るんです!
今、このコラムを読んでいただいている方の中にも、「そうそう。うちもそうだった」「あの時にちゃんとしてあげていたら。。。」とお思いの方もおられるでしょう。食生活の乱れによる弊害は、早ければ2歳頃から、遅くても10歳前後には出てきます。代表的なのが、尿路結石や膀胱炎、腎不全や肝臓疾患、急性膵炎など。どの疾患も治療には食事療法が必要になります。薬だけでは治りませんし、すぐに再発します。その食事療法には主にドライフードを使用します。ウエットフードを使用する場合もございますが、今までのような食べ物を口にする事は出来なくなります。決してドライフードが「最高の食事」と言うわけではありませんが、「必要な食事」である事は間違いありません。「不要な食事」ばかりを与えて、「必要な食事」をおろそかにしていると後悔をする事になりますよ。ご注意ください。


空腹嘔吐が治まってもやっちゃだめ!
早朝や夕方にお腹が空いて胃液や胆汁を吐く事があります。決して珍しい事ではありません。そのような時に動物病院に相談しますと、「ご飯の回数を増やしたり、寝る前に夜食を与えてください。」と言われる事が殆どです。確かにそれで空腹嘔吐は治まる事が多いです。ですが、別の問題が発生します。当コラムを良く読んでいただいている方ならお分かりですね。そう!アルカリ尿です。尿がアルカリ性に傾く事により、膀胱炎やストルバイト結石を発症します。そこで再度、先のアドバイスをくれた動物病院に相談すると、「今のフードが合っていないのでしょう。病院のフードを与えてください。」となります。いやいや、あなたの間違ったアドバイス「ご飯の回数を増やしたり、寝る前に夜食を与えてください。」が原因ですから。空腹嘔吐の解消には、ご飯の回数を増やしたり夜食を与えるのでは無く、食べた物をしっかりと栄養に変える事が大切。その為には、消化酵素の補給を心掛けましょう!食事回数を増やさなくても、消化酵素を補給する事で空腹嘔吐は治まるケースが多いです。




水分を摂取してくれてもやっちゃだめ!
膀胱炎や結石などの泌尿器系疾患があると、動物病院では「水分をしっかりと摂取させてくださいね。」と良く言います。それを聞いた飼い主様は、「そう言えば、うちの子はあまりお水を飲まないわ・・・。」と心配になり、フードをお水やぬるま湯でふやかしたり、真水だと思うように飲んでくれないので、「鶏スープ」や「かつお出汁」などをお水で薄めて与える方がおられます。中にはちゅーるのようなペースト状のおやつを与えたりと。もうめちゃくちゃです。そもそも膀胱炎や結石などの泌尿器系疾患の原因は水分摂取不足ではありません。カリカリのドライフードしか食べていない子はお水は良く飲みます。「そう言えば、うちの子はあまりお水を飲まないわ・・・。」と思った方は、水分を含んだ食べ物を与えているからです。台所での料理中に切った野菜や果物を与えたり、ヨーグルトの蓋を舐めさせたり、ちゅーるのようなペースト状のおやつを与えたりと。お皿からお水を飲む必要が無い程、食べ物から水分を摂取しているのです。そしてその結果、朝晩の食事はあまり食べず、ご飯の入ったお皿は置きっぱなしに。。。まぁ、そのような食生活をしているから膀胱炎や結石などの泌尿器系疾患になるのですけどね。自分自身が必要な水分量は愛犬・愛猫が一番良く知っています。無理に飲まさなくても必要があればお皿から飲みます。飲まないのは必要が無いからです。気にしないようにしましょう!




暑くなる時期に体がカイカイ→アレルギー検査は意味が無い!
これからの季節に多くなるお問い合わせで、「毎年暑くなると赤いポツポツやカイカイになります。アレルギー検査で●●と●●が陽性なので、それらが含まれていないおすすめのフードはありますか?」がございます。言葉は違えど同じような内容のお問い合わせは本当に多いです。でも残念ながら、そのアレルギー検査の結果は何の役にも立ちません。理由は、動物病院で行われる事の多い「アレルゲン特異的IgE検査」は即時型アレルギーと言われる、アレルゲンを摂取した直後に症状が出るアレルギーの原因物質を調べる検査です。その赤いポツポツやカイカイが、フードを食べた直後に出る症状であれば、「アレルゲン特異的IgE検査」は役に立ちますが、一年中同じフードを食べているのに夏場だけ症状が出たり、時間を掛けてジワジワと症状が出たり、慢性的に赤みや痒みがある場合は、「アレルゲン特異的IgE検査」とは関係の無い遅延型アレルギーの可能性が高いからです。結果、症状の原因とは関係の無いアレルゲン(食材)を避けて、逆に陽性反応が出ていないからと、症状の原因になっている食材を摂取し続けて症状が改善しないケースも生まれてしまいます。例えば、犬や猫は小麦に含まれるグルテンに非常に弱いです。「アレルゲン特異的IgE検査」で小麦に陽性反応が出ていないからと言って、小麦製品であるパンやクッキーなどを与えていてはいつまでたっても症状は治まりません。また、遅延型アレルギーのアレルゲンを調べるのに「リンパ球反応試験」と言うのがありますが、あまり正確性が高く無いと言われています。ですので、そのような症状でお悩みの際は、アレルギー検査でアレルゲンを調べるのでは無く、まずは食生活を見直す事が大切です。どのような食生活をすれば良いのかは、ここで書き出すと長くなってしまいますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。色々とお聞きしながらお話し出来ればと思いますので、お電話にてお問い合わせいただければ幸いです。


病院のフードと言う事は療法食ですね。
大手インターネットショッピングモールで「療法食」と検索すると、見事に人間用の食品は一切検索されずに、犬猫用のフードがずらり。その中でも大半が動物病院で取り扱われる事の多い2社のフードで、その他には当店でも取り扱っているようなプレミアムフードメーカーの療法食タイプのフードなどが数種類。更に病状別では、「結石」「腎臓病」「糖尿病」「消化器系」などが多いです。そして目を疑ったのが「メタボリックス ビスケット」と言う意味不明なおやつ。メタボならおやつを与えてはいけませんよ。それはさておき、このような大手インターネットショッピングモールで検索しても療法食の数は多いものの、犬用や猫用、病状別で絞っていくと、選択肢はそれほど多く無いのが分かります。




選択肢が少ないと言う事は・・・。
療法食を与えていると言う事は、何らかの疾患を持っていたり、体調面で気になる点があると言う事だと思います。食事療法の為のフードですからね。食事療法とは、食事の量やバランス、摂取成分を調節する事によって、病気の療養をはかったり、病気の臓器を守り健康管理をはかることを言います。その療法食を与えているにも関わらず、療法食にボイルしたお肉や茹で野菜などをトッピングをして与えている方がおられます。その理由で多いのが「食べない」です。そう、療法食は選択肢が少ないので、あれこれ試したり、コロコロ替えて飽きが来ないようにするには無理があります。療法食を与えないといけなくなる以前から、「飽きたら変える」や「飽きないように日替わり」などのようなフードの選び方や与え方をしていると、いざ体調を崩した際の食事療法が思うように行えなくなります。健康で元気なうちから好き嫌いをさせずに「与えられたご飯を食べる」と言う当たり前の事を徹底しておくと、食事療法もスムーズに行えます。




食べるか食べないかわからないからサンプルを!
とても多いです。当店ではサンプルのみの送付を行っておりませんが、このようなお電話をとても良く頂戴します。ですが、食事療法を行うのであれば、食べるか食べないかわからないでは無く、食べさせないといけません。もちろんその時の体調によっては、食べたくても食べられないケースもあると思います。ですが、「●●は食べるけど療法食は食べない」は許してはいけません。●●は食べるのであれば、●●を与えなければ良いのです。そもそも、療法食を使用した食事療法を行っているのに、他の物を与える事自体が間違っています。中には食事療法中なのにおやつを与える方も見受けられます。特に尿石症の愛犬・愛猫の飼い主様に多いです。それでは食事療法とは言えません。おやつを食べるのに療法食は食べなかったり、残したりと。また、お薬の与え方にも注意が必要です。お薬(錠剤)を与える際にボイルした鶏ささみやチーズの中に埋め込めて与える方がおられますが、お薬は飲めたとしても愛犬・愛猫からすると「おやつを貰えた」になります。それが原因で食事を残したり嫌がったりする事もあります。注意が必要です。




食事療法で大切な事はこれ!
食事療法は先にも述べた通り、食事の量やバランス、摂取成分を調節する事によって、病気の療養をはかったり、病気の臓器を守り健康管理をはかることを言います。その為に、フードの中身をしっかりと見極めたうえで選ぶ必要があります。ですが、それよりも大切なのが「与え方」です。栄養制限が施されている療法食を与えていたとしても、置きエサをしてダラダラ食べさせていたり、一日に何回にも分けて与えていてはいけません。また、新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、愛犬・愛猫と一緒に過ごす時間が増えている方も多いと思います。一緒に過ごす時間が増えると、ついついおやつを与えてしまったり。。。今一度ご飯の与え方を見直してみてはいかがでしょうか。


全年齢対応のフードは大丈夫?
ドッグフードもキャットフードもひと昔前は「子犬用」「子猫用」・「成犬用」「成猫用」・「高齢犬用」「高齢猫用」と必ず分かれていました。そしていつの頃からか「全年齢対応」と言うフードが登場しました。でも当初は「全年齢対応」と記載されていても「成犬用」「成猫用」と捉える方が多かったように思います。やはり成長期には「子犬用」「子猫用」を与えないと不安に思ったり、高齢期には「高齢犬用」「高齢猫用」を与えないと体に負担が掛かるのでは無いかと心配に。ですので結局、成長期には「子犬用」「子猫用」を、高齢期には「高齢犬用」「高齢猫用」をお選びになられて、それ以外の時期は「成犬用」「成猫用」「全年齢対応」をご利用になられる方が多かったように感じます。それが徐々に「全年齢対応」のフードが増えてくる事によって、皆さん慣れてこられたのか、成長期や高齢期にも「全年齢対応」のフードを選ぶ方が増えたように感じています。それでは実際に「全年齢対応」のフードは本当に全年齢に適しているのか考えていきましょう。




そもそも誰が基準を作っているの?
「全年齢対応」を考える前に、そもそも「子犬用」だとか「成猫用」の基準って一体どこから来てるかご存知ですか???実は基準はあって無いようなものです。一応昔からAAFCO(全米飼料検査官協会)の基準は参考にされてきました。ですが、あくまでも参考にしているだけで、基準に沿わないといけないわけではありません。また、AAFCO(全米飼料検査官協会)が定める基準自体が、例えばたんぱく質含有量で言うと、子犬用が22.5%以上で、成犬用が18.0%以上と、正直どのようなフードでも満たしてしまうような基準です。ですので、「子犬用」や「成猫用」の基準は各メーカーが勝手に定めているもので、メーカーによって考え方は様々です。その為、「全年齢対応」のフードの内容(栄養成分値)もメーカーによって全然違います。




年齢に見合ったフードで無くても大丈夫!
上で書いたように「子犬用」や「成猫用」などの基準は各メーカーによって全然違います。結果、A社の「子犬用」とB社の「成犬用」が同じような成分値であったり、C社の「成猫用」とD社の「高齢猫用」が同じような内容である事も決して珍しくありません。ですので、成長期に成犬用を与えてはいけない事はありませんし、成猫に高齢猫用を与えてはいけない事もありません。成長期に「成犬用」を与えたからと言って栄養が不足する事もありませんし、高齢期に「成猫用」を与えたからと言って栄養過多になるとも限りません。実際に、当店では結石予防を目的に若い子に高齢期用のフードをご利用いただいているケースも多いです。「若いのに高齢期用で大丈夫?」と思われる方も多いですが、結石予防用の療法食は高齢期用のフードよりも栄養価が低いです。少しでも栄養をしっかりと摂取して結石を予防していただきたいので、様子を見ながら結石用から高齢期用に切り替えていただくようにしています。ですので、若い子が高齢期用を食べたり、成長期の子と高齢期の子が同じフードを食べても大丈夫と言う事です。もちろん量の調節は必要ですが。




気をつけて欲しいのは成長期よりも高齢期!
「成長期の子と高齢期の子が同じフードを食べても大丈夫」と書きましたが、どんなフードでも大丈夫と言うわけではありません。特に気にしていただきたいのはフードのたんぱく質含有量です。例えば、たんぱく質含有量が20%の「高齢犬用」のドッグフードを成長期の子が食べても問題はありません。しかし、たんぱく質含有量が30%の「子犬用」のドッグフードを高齢犬が食べると内臓に負担が掛かります。猫の場合も、たんぱく質含有量が30%の「高齢猫用」のフードを成長期の子が食べても問題ありませんが、たんぱく質含有量が40%の「子猫用」のフードを高齢猫が食べると内臓に負担が掛かります。このように成長期の子が「高齢期用」のフードを食べても大丈夫ですが、逆はおすすめ致しません。ですので、「全年齢対応」のフードをご利用いただく時は、若い子に大丈夫かを考えるよりも、高齢期の子にとって問題が無いフードか否かを見極める事が大切になります。また、出来ればフード選びは、「●●用」や「●●対応」などで選ぶのではなく、我が子にとって最も適した成分値(たんぱく質:●●%など)はどの程度かを把握しておいて選ぶ方が失敗は少ないと思います。


改めて免疫とは何?
免疫は「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」と書く通り、体内で病原菌や異常な細胞を認識し、それらを攻撃する事によって自分の体を守ってくれる強力な防衛システムです。同じ環境下でも風邪やインフルエンザ等に感染する人としない人がいますが、それは免疫力の違いによるものだと言えるでしょう。体の中の最大の防御システムである免疫は、常に病原体などの外敵から体を守ってくれているのです。




免疫には2種類あります!
免疫と言っても実は2種類あります。それは、「自然免疫」と「獲得免疫」です。免疫と聞くと、「一度かかった病気は二度目はかかりにくい事」のイメージをお持ちの方が多いと思いますが、それは獲得免疫です。インフルエンザやBCGなどのワクチンは獲得免疫の仕組みを利用しています。一方の自然免疫は、ウイルスや細菌などの敵が体内に入ってくると、マクロファージや好中球、NK細胞と言った免疫細胞たちが、戦場の最前線で戦ってくれる反応の事を言います。自然免疫担当の細胞たちが戦いによって、ウイルスや病原体の特徴を覚え、獲得免疫担当の細胞たちに教えてあげる事によって獲得免疫が成り立ちます。つまり、免疫力を向上させるには、自然免疫を活発にしておく事がとても重要です。




自然免疫を活発にするには?
免疫細胞は全身に存在しますが、特に腸に集中していると言われています。理由は、呼吸をしたり飲食をしたりする際に細菌やウイルスなどの病原菌も一緒に体内へと入ってきてしまい、腸に運ばれて腸の粘膜から体内に侵入しようとするからです。その為、それらの病原菌をいち早く察知して体から排除する為に、腸には免疫細胞が集中していると言われています。また、その腸内の免疫細胞を活性化するのが腸内善玉菌である事も研究で分かっています。




腸内善玉菌を増やすには?
もうお分かりですよね。そうです。乳酸菌です。とにかく乳酸菌を積極的に摂取しましょう。また、食物繊維やオリゴ糖は、腸内に住む善玉菌のエサとなり、善玉菌を増殖させたり活性化させることが期待出来ます。ヨーグルトや納豆からも乳酸菌は摂取出来ますが、実はたいした量は摂取出来ませんし、犬猫の場合は余計な栄養分も摂取してしまいがちです。また、ヨーグルトの蓋の裏を舐めさせる飼い主様もおられますが、そのような行為は人間の食べ物を貰えると勘違いし、フードの食いつきに支障が出る事も珍しくありません。ですので、乳酸菌の摂取には栄養も添加物も含まないシンプルな乳酸菌サプリメントH&J・I・N(ジン)がおすすめです。また、乳酸菌サプリメントH&J・I・Nは飼い主様も一緒にご利用いただけます。成人で一日3包を目安にご利用ください。花粉症やウイルスが気になる今だからこそご家族一緒に乳酸菌を摂取して腸活を!


そんなに食べなくても大丈夫ですよ!
ご飯の量って悩みますよね。お問い合わせも非常に沢山いただきます。特に初めて犬猫と生活する方や、子犬・子猫の時は気になります。必要よりも少な過ぎて栄養失調や発育不良になったらどうしようと・・・。お気持ちはわからなくはありませんが、でもそんなに難しく考える必要はありません。確かに成長期となるとしっかりと栄養を摂らせないといけないと思ってしまいます。しかし、例えばの話しになりますが、「小学生1年生の男の子の晩ご飯の量」って適当ですよね。適当って言葉は聞こえが悪いですが、適当で良いのです。だって正解なんて誰もわからないのですから。犬猫も同じです。痩せてれば量を増やし、太っていれば量を減らす。それが答えになります。必要な量よりも少なく与えてしまっていても、そう簡単に栄養失調や発育不良になんてなりませんのでご安心ください。




好き嫌いをする子には徹底した我慢比べを!
フードを好き嫌いをする子。正確には好き嫌いをさせてしまう飼い主様ですが。本来、犬も猫も好き嫌いをしません。何でも食べます。でも多くの犬猫達が好き嫌いをしてしまいます。原因は飼い方です。好き嫌いをしない犬猫とお暮しの飼い主様は、別の犬猫と暮らしてもその子達は好き嫌いをしないでしょう。逆に好き嫌いをする子とお暮しの飼い主様は、別の犬猫と暮らしてもその子達は好き嫌いをするでしょう。好き嫌いは犬猫の性格が問題ではありません。飼い主様の向き合い方が問題なのです。今、好き嫌いをしてしまっている犬猫とお暮しの飼い主様は、改めて考えてみてください。思い当たる節はございませんか?可愛がる事はとても大切ですが、甘やかしてはいけません。可愛いからこそ甘やかしてはいけません。良く食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさすのです。初め嫌そうにしても我慢をさせれば必ず食べます。




フードは思い切って切り替えてもOK!
新しいフードを試す時に「1週間程度掛けて徐々に」とお思いの方が多いと思います。確かにお腹が弱い子の場合はそのような事も必要かと思いますが、大半の子の場合はその必要はありません。特に、食いつきが悪いからと言う事で新しいフードを探している方の場合は、新旧のフードを混ぜながら徐々になどは必要ありません。一気に切り替えてください。そして「今日からあなたのご飯はこれ!」と強い気持ちで向き合ってください。新しいフードに慣らす為に混ぜながら切り替える必要はありません。新しいおやつを与える時に今まで食べた事のあるおやつと混ぜたりしないですよね。人間が外国に行って現地の料理を食べる時に日本食と混ぜたりしないです。そんなに慎重になる必要はありません。どのサイトや書籍を見ても必ず「フードの切り替えは少しずつ混ぜて」と書かれていますが、当店ではあまりそれを推奨しません。




生後3~5ヶ月程度で急に食べなくなる?!
生後1~2ヶ月の子はとても良く食べます。何でも食べます。健康であれば。でも生後3~5か月程度で徐々に食べるスピードが遅くなり、場合によってはご飯を残すようになります。原因は幾つかありますが、生後3ヶ月位からおやつやしつけのご褒美を与えだして、口が肥えるのも一つの原因になりますが、おやつやしつけのご褒美を与えていない場合でも発情が原因でそのような事が起きる場合があります。メス猫なら変わった声で鳴いたり、オス犬なら腰を振る仕草をしたり。そのような時には自然と食欲が低下します。そのような場合は無理に食べさそうとしないでください。数日で落ち着いて食欲は戻りますし、時期が来て避妊去勢手術をすれば無くなります。なのに、その時にフードを変えたり、嗜好性の高いトッピングをしたりすると、それが癖になり発情が関係の無い時でもフードの食いつきが悪くなります。体調によって食欲が落ちる事は人間同様に犬猫にもありますので。

他にもご飯の与え方などにお悩みの際はお気軽にご相談ください。お待ちしております。


フード選びももちろん大切ですが。。。
頻尿や血尿、尿にキラキラとした異物を発見などから診察をうけると大半が膀胱炎かストルバイト結石との診断。そこで殆どの飼い主様が「今のフードがうちの子には合っていなかったのね・・・。」とお思いになられます。その際に動物病院からは某大手2社の結石対応の療法食タイプのフードをすすめられる事が多く、品質に不安を抱いた飼い主様はプレミアムフードで結石対応のフードをお探しになられるケースが多いです。確かにフードを選び直す事は大切だと思いますが、本当に今のフードが合わなくて結石になってしまったのでしょうか?おやつに原因はありませんか?ご飯の与え方は大丈夫ですか?フードを見直す前に食生活全般を見直す事が大切です。




おやつを食べていない子は結石にはならない?
ストルバイトのお食事についてお問い合わせをいただきますと、当店では必ず間食(おやつやご褒美)を与えるのをやめていただくようにお願いをします。これは「おやつを与える」=「ストルバイト」だからではありません。もちろんおやつを与え過ぎてストルバイトになるケースも多いですが、おやつを与えると食生活が乱れやすいからです。おやつを与える事によって、朝晩の食事の食いつきが悪くなり、フードにトッピングをしたり、食事の回数を増やしたり、お皿を出しっぱなしにしたりなりがちです。結果的に見ると、おやつを貰っていなくて、朝晩2回の食事をがっついて食べる子はあまりストルバイトにはなりません。おやつやトッピング無しで朝晩2回の食事のみでストルバイトを発症したのであればすぐにフードを見直しましょう。是非ご相談ください。




猫は一度に沢山食べる事が出来ないですって!?
良く居られます。猫は一度に沢山の量を食べる事が出来ないので回数を分けて与えたり置きエサをしたりだと。それは完全な誤解ですし、失礼ながら言い訳です。我が家の愛猫達はがっつきます。先代の子達もみんながっつきました。朝晩2回の食事で一度のご飯は1分掛かるかどうか。一度お皿に突っ込んだ顔はお皿が空っぽになるまで上げる事はありません。一度にしっかりと食べる事が出来ます。愛犬も同じです。お陰様で私の愛犬・愛猫は今も昔も結石になった事はありません。フード選びも大切ですが与え方はもっと大切です。何故、愛犬・愛猫がご飯の時間に一度に食べ切ってくれないのか、がっついて食べないのかを考えてみましょう。フードの嗜好性や粒の大きさを理由にしてはいけません。必ず原因があるはずです。





難しく考え過ぎずにもっとシンプルに!
ストルバイトなどの結石になると、フードのマグネシウム含有量を調べたり、一日に飲むお水の量を量ったりなど、難しく考え過ぎてしまう傾向があります。マグネシウムの摂取過多で結石になるわけではありません。お水の飲む量が少な過ぎて結石になるわけではありません。勘違いしないでください。まずは間食や置きエサをやめて朝晩2回の食事を徹底してください。それが難しければ、尿のpHを強制的に酸性に傾ける動物病院処方の療法食をご利用いただくしかありません。それでも再発の可能性は否めません。時間を掛けてフードを探し回るよりも食生活全般を見直す事が、愛犬・愛猫の健康を守る為に最も必要な事では無いでしょうか。


正しい情報ばかりとは限りません!
新型コロナウイルスに関連する情報が溢れかえっている状況です。マスクや除菌関連の商品が品薄になるのは予想が出来ましたが、まさかトイレットペーパーやティッシュペーパー、紙オムツまでも。デマが拡散したことによる買い占めが原因のようですが、インターネットが普及した現在、どれが正しい情報でどれが誤った情報なのかを見極める力がとても重要な時代にあると思います。




どの情報を信じてよいのか・・・。
当たり前の事ですが、メーカーサイトやショッピングサイトには商品の事は悪く書かれていません。逆に自社製品や取り扱い商品の事をとても優れた製品かのような表現を用いて宣伝します。当たり前です。それが悪いとは言いません。もちろん当店でも取り扱い商品の事を悪くは書いていません。その結果、お客様は「どれが良いのか、何が正しいのかわからない・・・。」となるのです。そりゃそうですね。こっちのサイトでは○○が良い!って書いてあるのに、こっちでは△△が良い!ってなっているわけですから。




メーカーサイトや直販サイトは参考程度の方が。。。
製造販売元や正規輸入元、またそれらの直販サイトには当然のように自社製品の内容に沿った持論が述べられています。例えば、「シニア期にも高たんぱくなフードを!」や「フードはいつでも好きな時間に食べられるように常にお皿に入れておいてください。」など。もちろんそのメーカーではそのような考え方なのでしょうから仕方がありませんが、それが正解だとは限りません。また、「メーカー」や「正規輸入元」などと聞くと、凄く詳しいスタッフが常駐しているとお思いになられるかもしれませんが、意外とあまり詳しくない事が多いです。メーカーや正規輸入元に問い合わせをなされた事がある方はお分かりかと思いますが、自社製品の事くらいしか知らない事が多いです。動物病院では某2大メーカーのフードをすすめて来る事が多いですが、獣医師である先生方はあまりフードにはお詳しく無い事が多いです。お医者様ですからね。栄養士さんではありませんから。メーカーサイトやメーカーの直販サイトでお医者様の格好をした獣医師がフードパッケージを持って「獣医師が推奨!」と言うのを良く見かけますが、あれって効果あるんでしょうか(笑)




結局何が言いたいかと言うと・・・。
ドッグフードやキャットフードに限った事では無いと思いますが、実際の経験が最も重要になると思います。色々なフードを使用したり販売したり、色々な体質の犬猫と接し、色々な結果や感想を見たり聞いたりしないと分からない事が沢山あります。当店はお客様から沢山のご相談やお問い合わせをいただきます。だからこそ知り得た情報も数多くあります。本当に有難い事です。実際に教科書通りにはいかない事も沢山あるのです。わからない事やお悩みがあれば、スマホを一日中見つめるのでは無く是非お気軽にご相談ください。穀物不使用フードのメーカーサイトには犬猫に穀物は必要が無いと書いてあるのは当たり前です。高たんぱくなフードの直販サイトにはお肉をたっぷり摂取するようにと書いてあるのは当然です。メーカーのサイトや直販サイトの情報は参考程度に読み流す方が良いかと。意外に思われるかも知れませんが、メーカーや輸入元のスタッフよりもエンドユーザーであるお客様皆様の方がフードの事は良く知っておられるような気も。


涙やけだけを解消するのであればこの方法!
以前にも少し書いた事があるのですが、今回は涙やけについて書きたいと思います。涙やけとは、溢れ出た涙によって目の下の毛が茶色く染まってしまう症状の事です。当たり前の事ですが、涙やけを解消する為には溢れ出ている涙を止めないといけません。では、何故涙が溢れ出てしまうかですが、原因の殆どが食生活です。眼球に傷がついて涙が止まらない場合などもございますが非常に稀なケースです。大半が食生活が原因となります。どのような食生活が原因となるかと言いますと、「消化の悪い食生活」です。ですので、「消化の良い食事」を与えると涙やけは解消します。犬や猫にとって消化の良い食事とは「肉」です。特に「生肉」。鶏でも牛でも鹿でも馬でもなんでも構いません。生肉のみを暫く与え続けると涙はピタッと止まります。これが涙やけだけを解消する簡単な方法です。但し、「涙やけだけ」が解消し他に弊害が生じます。そう「栄養バランス」です。




消化が苦手だからと言って「不要」ではありません!
食べ物は大きく分けると、「たんぱく質」「炭水化物」「脂肪」「繊維質」「水分」に分けられます。犬や猫はたんぱく質や脂肪を消化するのはとても得意です。かたや、炭水化物を消化するのは苦手です。ですので、水分以外の大半がたんぱく質で構成されている肉類の消化はとても得意です。結果、肉類のみを与えると涙やけが解消しますが、たんぱく質の過剰摂取となり腎機能や肝機能に負担が掛かります。ちなみに「肉食動物」は、「お肉を食べて生活する動物」では無く、「お肉も食べて生活する動物」です。肉食動物にも「草」は必要なのです。だから草食動物を襲うのです。胃の中の草を目的に。犬猫にとっても消化が苦手な炭水化物や繊維質も大切な栄養源です。でも消化が悪い為に涙やけの原因となりやすいです。。。




高たんぱく・低炭水化物のフードで涙やけ解消!だけど・・・。
今までの話の流れでお分かりかと思いますが、高たんぱく・低炭水化物のフードは涙やけの解消が期待出来ます。涙やけ以外にも軟便の解消などにも。犬猫にとっては消化の得意なたんぱく質が沢山含まれ、消化の苦手な炭水化物は制限されているのですから当然ですね。しかし、涙やけが解消されて綺麗なお顔になり、綺麗な便が出るフードが本当にその子にあった良いフードとは限りません。数か月、数年後の健康診断で答えが出るはずです。お気をつけください。




炭水化物をしっかりと消化して涙やけ解消を!
犬や猫が炭水化物の消化が苦手なのは、人間と違って唾液にアミラーゼ(炭水化物を消化分解する為の酵素)が含まれないからです。それは、炭水化物を自分の体内で消化しなくても、草食動物の胃の中にある予め消化分解済みの炭水化物を栄養源としていたからです。その結果、食事がたんぱく質に偏る事無く、炭水化物も摂取出来、栄養バランスの整った消化の良い食事となるのです。腎臓や肝臓に負担を掛けずに涙やけを解消するには、そのような食生活が必要となります。たんぱく質と炭水化物をバランス良く摂取し、アミラーゼ不足を解消すべく消化酵素をしっかりと補給してください。尚、消化酵素は下記のような製品から摂取が可能です。涙やけが気になる場合はドッグフードやキャットフードをあれこれ試すよりも、まずは消化酵素の摂取をお心掛けください。

FLORA4 ローフードトッパー スプラウトシード
スパイラルエンザイム生酵素


犬猫に適したお水はいったい何なの?
一言で「水」と言っても沢山の種類があります。まずは水道水。私も子供の頃は当たり前のように水道水を飲んでいました。小学校の休み時間には水道の蛇口を逆さまにして、みんな交代で飲んでました。中学・高校の部活の時にはやかんに水道水を入れて水分補給。それが当たり前でした。しかし、いつの間にか水道水を飲むという習慣は薄れてきました。最近では宅配型のウォーターサーバーをご利用の方も多いかと思います。通販でペットボトル型のミネラルウォーターを購入なされる方も。そして最近はペット用のお水も売られていたりします。人間は自分が納得したお水を飲めば良いですが、犬猫には一体何の水を与えれば良いのか???今回はじっくり考えていきましょう。




「安全」「美味」「栄養」何を優先するの?
お水について考えていく中で重要なのが、「安全」「美味」「栄養」の3項目だと考えます。安全かどうかで言うと日本の水道水は「飲める品質」ではございますが少々不安を感じますよね。味に関しても不味くはありませんが美味しく無いと感じる方もおられるかと思います。また、それは地域によっても異なると思います。そして栄養に関しては、お水の場合はミネラルの含有量の違いによるもので、ミネラルを多く含む水を「硬水」と呼び、ミネラルの含む量が少ない水を「軟水」と呼びますが、日本の水道水は軟水と言われています。犬猫にとっても硬水よりも軟水の方が適していると考えます。ドッグフードやキャットフードにはミネラルがしっかりと含まれておりますので、飲み水からミネラルを摂取する必要はありません。

次にペットボトル型のミネラルウォーターや宅配型のウォーターサーバーですが、これはメーカーによっても異なりますので一概には言い表せません。しかし、「安全」「美味」に関しては水道水よりも優れているとお感じになられる方が多いと思います。但し、問題は「栄養」です。そうミネラル含有量です。ペットボトル型のミネラルウォーターや宅配型のウォーターサーバーをご利用になられる際は、軟水をお選びいただく事をおすすめ致します。




お水の「pH(ペーハー)」は酸性が良いの?アルカリ性?
尿路結石が気になる子の飼い主様から頻繁に飲み水のpHに関してお問い合わせをいただきます。特にストルバイト結石の子の場合はアルカリ性のお水を飲むと尿もアルカリ化してストルバイトの結晶が生成されるのでは無いかと心配なされます。ですが、以前のコラムで尿のpHと食品のpHについてでも書きましたが、アルカリ性のお水を飲んだからと言って尿がアルカリ性に傾くわけではありません。ですので、お水のpHは気にする必要はございません。もちろん極端な強酸性水や強アルカリ水は飲めませんので。




ペット用のお水ってどうなの?
昔からペット用のお水は良く売られています。最近も当店がとてもお世話になっているメーカーからも猫用のお水が発売されました。内容はpHが弱酸性である事とミネラル成分を殆ど含まないお水です。正直悪くはありません。でも個人的には必要性を感じません。理由は高すぎる。従来のペット用のお水もそうですが、内容の割に値段が高すぎます。人間用で探せば同じような内容でもっと安く手に入ります。だから当店では売りません。先にも述べました通り、お水のpHは気にする必要はありません。ミネラル含有量を気にするのであれば「純水」でお探しください。ミネラルを全く含まないお水がペット用のお水よりも遥かに安い価格で売られています。実際に純水として売られているお水で、中身は同じなのに人間用とペット用で分けて売られている製品がございます。中身は同じなのに値段はペット用は人間用の何倍も高いです。ご注意ください。




栄養制限が必要な際は純水がおすすめ!
結論。犬や猫に与えるお水としては水道水でもペットボトル型のミネラルウォーターや宅配型のウォーターサーバーでもどれでも構いません。ですが、おすすめは軟水か純水でpHは気にする必要はありません。特に無駄に高いペット用のお水にはご注意ください。(メーカーさんごめんなさい・・・。)また、当コラムでは何度も何度も書いていますが、ストルバイト結石の原因は食事の与え方です。アルカリ性やミネラルを含むお水を警戒する必要はありません。それよりも食事の与え方を気にしてください。宜しくお願い致します。


猫だけではありません!犬の腎不全も急増しています!
前回のコラムでは猫の慢性腎不全のお食事についてお話をしましたが、数十人もの方から「犬の慢性腎不全の食事についてもお願いします!」と大変有難いお声を頂戴致しましたので、今回は犬の慢性腎不全のお食事についてお話をしたいと思います。

数年前までの感覚では慢性腎不全は猫の病気でした。しかし、ここ数年で犬の慢性腎不全が急増している感じがします。それ程多くのお客様から犬の慢性腎不全のお食事についてお問い合わせをいただきます。何故、犬の慢性腎不全が急増したかは定かではありませんが、原因のひとつには「お肉たっぷりのグレインフリーフード」が考えられます。また、それらのメーカーでは「高齢期も高たんぱくなフードを!」と謳う事も多いです。考え方は人それぞれだと思いますが、個人的には「高齢期も高たんぱくなフードを!」は反対です。




大切なのはたんぱく質の量では無く質!
確かに高齢期でもたんぱく質は必要です。とても大事な栄養です。しかしたんぱく質は体内でアミノ酸に分解出来てこそ栄養になります。どれほど沢山のたんぱく質を摂取しても体内でアミノ酸に分解出来なければ体の負担になるだけです。特に高齢期は、加齢によってタンパク質分解酵素を含む膵液の分泌量が低下しますので、若い頃よりもたんぱく質をアミノ酸に分解する力は衰えています。たんぱく質分解酵素が不足している状態で、たんぱく質をたっぷり摂取しても、肝臓や腎臓に負担を掛けるだけです。10歳近くになればたんぱく質摂取量を控え、不足してくるタンパク質分解酵素を酵素サプリメントでしっかりと補給するようにしましょう。また、たんぱく質を控えたフードは必然と炭水化物の比率が高くなり、消化不良による軟便などでお悩みになられるケースがあります。このような際でも酵素サプリメントには炭水化物分解酵素も含まれますので、炭水化物比率の高いフードでも軟便になることなくご利用いただけるかと思います。確かに犬は炭水化物よりもたんぱく質の消化の方が得意なのでたんぱく質を多く含むフードの方が綺麗な便は出ます。しかし、綺麗な便が出るフードが良いフードとは限りません。これは絶対に覚えておいてください。




10歳をこえた頃からの嘔吐は腎不全を警戒!
前回のコラムでも書きましたが、慢性腎不全は血液検査で診断します。しかし通常の血液検査では初期段階で判明しづらく、診断がくだされた時点では、既にかなり進行している場合があります。その為、ご家庭でのご愛犬の様子から判断して早い目の食事管理がとても大切になります。特に嘔吐です。元来、犬は空腹時の胃液以外はあまり吐きませんが、今までにない嘔吐が頻繁に見られるようになれば、慢性腎不全を疑ってください。また、お水の飲む量が増えたり、色の薄い尿が出ていると更に要警戒です。まずは、おやつを一切ストップして、ドッグフードを選び直してください。まずは、たんぱく質の摂取量を少し控えましょう。その時点では極端な低たんぱく食にする必要はありません。今現在お与えのドッグフードよりも少したんぱく質含有量の低いフードに切り替えてください。目安としては、10歳前後のご愛犬なら、たんぱく質含有量が18~20%程度のフードで良いと思います。また、ウエットフードを利用して水分摂取量を増やす事も効果的です。そして、ご家庭での様子や動物病院での診断に応じて食事を調節していきましょう。




絶対に甘く見ないでください!
腎不全は非常に怖い病気です。一度悪化すると良くはなりません。その為にも早期からの対策がとても大切です。食生活に妥協はしないでください。徹底した食管理で少しでも進行を遅らせてください。そして、もちろん動物病院による定期的な健康診断も非常に大切です。検査の結果次第では、腎臓病対応の低たんぱく食に切り替える必要もあります。お気軽にご相談ください。


猫の代表的な疾患である慢性腎不全とは?
ここ数年で急増した感がある猫の慢性腎不全。猫の死因で最も多いと言われています。特に高齢の子に多く、15歳以上の高齢の子に限っては3頭に1頭は慢性腎不全であると言われています。ですが、個人的な見解ではもっと多いのでは無いかと思っています。なぜなら隠れ腎不全の子が非常に多いからです。そもそも慢性腎不全であるかどうかは病院で検査をしないと分かりません。しかし、猫は性格上の問題などで病院に連れて行く事が困難な子も少なくはありません。野良猫出身で飼い主様ですら触る事が出来ない子もいます。そのような子を病院に連れて行く事は非常に難しく、そのような子も含めますと3頭に1頭どころでは無い気がします。慢性腎不全の代表的な症状としましては、多飲多尿がありますが、最も重要なのは尿の色と臭いです。健康な腎臓によって作り出された尿は色が濃く臭いもきついです。しかし、働きが弱くなった腎臓によって作り出された尿は老廃物を上手く排泄する事が出来ず、色が薄く臭いも弱いです。また、体重の減少や毛並みの割れ(毛割れ)も慢性腎不全によくみられる症状です。




少しでも慢性腎不全が気になりだしたら!
もしかしてうちの子も慢性腎不全では?と疑いがあれば、まずはすぐにでも腎臓病対応のフードをご利用ください。そして必ず病院で診察をお願いします。しかし残念ながら、通常の血液検査では腎機能の75%が失われた段階で無ければ明確な診断がくだせない事もあり、慢性腎不全の診断がくだされた時点では既に末期の状態である事も珍しくありません。ですので、通常の血液検査で「異常無し」と診断がくだされたからと言って安心は出来ません。日常の症状を見てご心配の場合は、慢性腎不全の早期発見が可能なSDMA検査を受けられる事もご検討ください。尚、結果的に検査で異常が見つからなかったとしても腎臓病対応のフードをご利用いただく事に問題はございません。メーカーによっては腎臓病対応のフードで栄養制限が施されているが故に、総合栄養食の基準を満たしていない製品もございますが、当店が取り扱います腎臓病対応フードは健康状態に問題が無い場合でも、通常食(予防食)としてご利用いただく事が可能な内容になっております。慢性腎不全が気になる際は、まずは腎臓病対応のフードに切り替え、一定期間与え続けた結果のご愛猫の体調を観察してください。また、10歳以上の子でシニア用をご利用中であれば、腎臓病対応フードを試しておいたり、混ぜて与えても良いかも知れません。予防として完全に腎臓病対応フードに切り替えても問題はありません。




よくある間違った水分のとらせ方!
慢性腎不全について調べていると、あちこちに「出来るだけ多くの水を飲ませてください」と書かれています。もちろん間違いではありません。腎臓の機能が低下していると言う事は、老廃物を排泄する効率が悪くなっていると言う事です。効率が悪い分、尿量を増やして少しでも多くの老廃物を排泄したいので、水分の摂取量を増やす事は非常に大切な事です。しかし、人間であれば1日に●●リットル飲もう!と自分の意志によって水分摂取量をコントロールする事が可能ですが、猫はそんな簡単にはいきません。元来、お水をあまり飲まない猫に、たくさんの水を飲ませようとしても無理な話です。そこでよくある間違いが、「味のついた水を飲ます」と言う行為です。例えば、鶏肉や魚の茹で汁や、野菜スープなど。水分が摂取出来ても余計な栄養まで摂取してしまいます。また、味のついたお水を飲む事によって、腎臓病対応のフードを食べなくなる事も少なくありません。水分の摂取量が増えたとしても、腎臓病対応以外のフードを食べて余計な栄養を摂取していては完全に支離滅裂です。ですので、お水を無理に飲まそうとはしないでください。苦手な子もいてるとは思いますが、水分量の多いウエットフードを使用したり、ドライフードをふやかすなどをして水分摂取量を増やしてください。それが無理なら、主治医に相談してご家庭で皮下点滴をする手段もございます。くれぐれも味のついた水を飲まして水分摂取量を増やそうとする事はしないようにお願いします。そして、「うちの子は全然水を飲んでくれない。。。」とお思いの場合も、意外と水分を摂取している事もあります。それは水分はお皿に入ったお水を飲まなくても食べ物からも摂取しているからです。ドライフードでも10%の水分が含まれますし、ウエットフードなら80%も水分が含まれています。必要な水分量はしっかりと摂取出来ているかもです。あまり気にし過ぎない方が良い場合もあります。ご注意ください。


一年を通して本当に多かったこの話題!
2019年最初のコラムはストルバイト結石について書きました。そして2019年最後のコラム(前回)もストルバイト結石とは書いていませんが、やはりストルバイト結石の原因となってしまう食生活について書きました。全く意識はしていませんでしたが結果的には、2019年の最初も最後もご飯の与え方についてでした。このコラムの題材は日頃のお客様からのお問い合わせやご質問などを参考にして書いています。それ程、この一年間はストルバイト結石についてのお問い合わせが多かったと言う事です。改めて何故ストルバイト結石が急増しているかを考えてみたいと思います。




ストルバイト結石急増の原因がこれ!
ストルバイト結石急増の大きな原因を考えるとふたつ思い浮かびます。ひとつは高たんぱく過ぎるフードの急増。高たんぱく過ぎるフードは確かに食いつきは良いです。お肉をたっぷり使用しているので。但し、たんぱく質を過剰に摂取すると尿のpHはアルカリ性に傾きやすくなり、ストルバイト結石の原因になります。また、お肉たっぷりなフードに肉類(茹でた鶏のササミや魚など)をトッピングして更に高たんぱくな食事に。更に更に間食のおやつやご褒美でたんぱく質である肉類を摂取。ストルバイト結石にならない方が不思議です。
そして、もうひとつの原因がペースト状のおやつです。あの有名なCMの。爆売れに便乗するかのように他社メーカーも類似品を発売。スーパーやホームセンターの犬猫用のおやつコーナーを覗くとぺースト状のおやつばっかりです。そのようなペースト状のおやつを与えだすと決まったようにフードの食いつきが悪くなります。味が濃くてペロペロ舐めるだけで食べられるのですから。その結果、食いつきの良い高たんぱくなフードに頼ったり、置きえさをしてダラダラ食べたり。くだらない商品を発売するメーカーもダメですが、一番の問題は飼い主様です。




可愛がると甘やかすは違いますよ!
フードの食いつきが悪くなった時は、原因はフードには無いと言う事を覚えておいてください。フードの食いつきが悪くなった原因はフード以外の食べ物です。もちろん体調不良でフードの食いつきが悪くなる場合もありますのでそれは例外です。体調が優れていてフードの食いつきが悪くなった際には、フードを変えるのでは無くフード以外の食生活を変えてください。フード以外の食生活を変えずにフードを変えても食いつきが良くなるのはフードを変えた初めだけです。それでまた別のフードに変えて初めだけ食べて徐々に残すようになり、また違うフードに変えてなんて事を繰り返していると次第にどのフードも食べなくなります。食べないからフードを変えるのは可愛がっているとは言えません。ただ単に甘やかしているだけです。フードを一種類に絞ってそれだけを与えていれば必ず食べます。当コラムでは幾度と無く書いていますが、ご飯は朝晩2回で食べなければお皿を下げる。そして間食は無し。それでも食べなければ病気です。すぐに動物病院で診察をお願いします。




2020年はペット業界全体でレベルアップを!
偉そうに聞こえるかと思いますが、日本のペット業界は残念ながらレベルが低いと感じています。もちろん私自身もそうですが、ペットショップの店員、繁殖者や獣医師もです。ストルバイト結石が、高たんぱくな食生活やダラダラ食いが原因と分かっている業界人がもっと多ければ、これ程までに日本の犬猫達がストルバイト結石に悩まされなくて済むはずです。「小型犬はダラダラ食べますからね~」や「猫は一度に沢山食べずにちょこちょこ食べますよ」なんて事を言われた飼い主様は「そうなんだ~。うちの子だけじゃ無いのね!」となります。小型犬や猫も正しく食生活を管理していれば一度にちゃんと食べます。特に獣医師は飼い主様からすると「先生」です。もう少し発言に責任を持って欲しいと思う2019年でした。皆様良いお年を。


子猫のご飯は一日何回?量はどうするの?
子猫と言っても生後数週間の子もいれば数か月の子もいます。ショップやブリーダーから来た子の場合は生後1ヶ月未満と言う事はあり得ません。現在の動物愛護管理法では、生後56日齢以降での引渡しが義務付けられています。と言う事は、ショップやブリーダーで購入した子の場合は、幼くても生後約2ヶ月以上の子だと言う事です。生後2ヶ月にもなれば離乳食では無くカリカリのドライフードを柔らかくふやかさなくても食べられます。もちろん柔らかくふやかしても結構ですし、ドライフードを使わずにウエットフードのみでも構いません。または、ドライフードにウエットフードをトッピングするような与え方でもOKです。個人的には最後のドライフードにウエットフードをトッピングする与え方がベストだと考えますが、「何を与える」かよりも「どのように与えるか」の方が大切です。




殆どのサイトが同じような事を書いていますが。。。
子猫を迎え入れた方の大半はスマホやパソコンで「子猫 ごはん 与え方」などのキーワードで検索すると思います。実際に検索してみますと、大手有名メーカーのサイトやペット用の保険会社などのサイトが沢山ヒットします。少しサイトの中身を覗いてみますと、殆どのサイトで、「生後半年くらいまでは一日に必要とするカロリーを4回~6回程度に分けて与えてください。」と書かれています。そして生後半年以上は一日に2回~3回と。正解と言えば正解かも知れませんが、その方法を貫ける飼い主様って結構少ないと思います。何故だかと言うと、自分のお家に生後2ヶ月で迎え入れて、生後半年まで一日5回程度のご飯を与えるとします。具体的には、朝・昼・夕・晩・寝る前、のようなスケジュールになるでしょうか。それを数か月続けて、生後半年になった頃にご飯の回数を朝晩2回に減らす事が出来ますか?今まで一日に5回ご飯をもらっていた子は、一日のご飯を朝晩の2回に減らした後も朝晩以外の時間帯にご飯を催促してくるでしょう。




対応を間違えるととんでもない方向に!
「催促するから与える」や「欲しがるから与える」と言った時点で大間違いなのですが。。。ご飯を一日5回から2回に減らした後に、今までご飯をもらっていた時間帯に愛猫が催促してくると、「ご飯は朝晩の2回だから、その他の時間帯はおやつを少しだけ」。よくあるケースだと思います。そうすると徐々に朝晩のご飯を残すようになります。そりゃそうですよね。催促すれば美味しいおやつをもらえるのですから。朝晩2回のご飯よりも美味しいおやつを。過去に何度もお話をしていますが、おやつは毎日与えるものではありません。おやつは欲しがるから与えるものではありません。常に主導権は飼い主様が握っていてください。結果的に見れば生後半年までに一日5回も6回もご飯を与えていた事がアダとなってしまうのです。




生後2ヶ月を過ぎればご飯は一日に2回で!
ショップやブリーダーから生後56日以上の子を家に迎え入れた際は、ご飯は朝晩2回でお願いします。正直、このような事を書いているサイトや書籍は少ないと思います。大半が上にも書いたように「生後半年までは4回~6回程度に分けて」や、回数が少なくても「3回に分けて」と書いているでしょう。しかし、多い情報が正しいとは限りません。生後1ヶ月を過ぎて離乳食を始めた頃は一日に3回でも良いと思います。それでも3回で良いと思います。もちろん食べっぷりや体調によっては異なりますが。健康状態も良くスクスクと成長している子であれば離乳期は3回でそれ以降は2回で充分です。小さい頃から「日中は何も食べない」を徹底しておくと後々楽になりますよ。


犬や猫を飼う人間としての「当然のマナー」!
まず私個人の考え方を申し上げますと、猫を家と外を自由に行き来できる飼い方をしている方を見ると、「その子を大切に思っていないのかなぁ」と思ってしまいます。もちろん家の中にも危険はありますが、家の外は家の中とは比べ物にならないほど、沢山の危険があります。車やバイクなどとの事故や動物虐待など。犬のノーリードも同じでリードは愛犬を事故から守る為の命綱です。ノーリードで散歩をする犬を見る度に「かわいそうな子だなぁ」と思ってしまいます。それに、犬や猫を飼う人間としての「当然のマナー」でもあると思います。猫を家の外に出すと言う事は、他人の家の庭に出入りする事もあるでしょう。その庭で糞尿の排泄をする可能性もあります。他人の車の上を歩いて傷をつける可能性もあります。そのような行為は、された側からすると良い気はしません。怒りの矛先は猫に向けられるでしょう。




うちの子は元野良猫で外に出たがるから・・・
このような意見もございます。正直、そんなの関係ありません。私の子達は先代猫も含め全て元野良猫です。外に出たがるからとか、出たがらないからとかは関係ありません。飼い主のマナーとして、愛猫を守る為として、外には出してはいけないと思います。こんな言い方はふさわしく無いかも知れませんが、元野良猫を保護し、家の中に入れたにも関わらず、外に出たがるから出すと言うならば、初めから保護しなければ良いのです。保護もしないのに野良猫にご飯だけを与えている人と同じなのでは。一度でも自分の家に招き入れたのならば最期まで責任を持って欲しいと思います。




もちろん健康管理の為にも!
外に出すと言う事は、外で何を食べているか分かりません。虫を食べたり小動物を食べたり。猫の食性からすると当然の事ですがその結果、寄生虫やウイルス感染の原因になります。その他には、野良猫用に置かれているご飯を食べたり、その子を見かけた人がご飯やおやつを与える可能性もあります。実際に、当店の近くでも数軒のお宅でご飯を貰っている子がいます。自分の家でどれだけ良質なフードを食べていても、外で安価なフードを食べていれば何の意味も無くなってしまいます。また、色んな家で、色んな場所で一日に何回もご飯やおやつを食べる事によって泌尿器系の疾患のリスクも高まります。健康管理の観点では何一つメリットは無いと考えます。




運動不足で太るのでは?
猫は犬と違って散歩に連れて行かないので運動不足で太ってしまうと言うご意見。犬の飼い主様の中にも、「散歩に連れていけないので太ってしまう」と言う方がおられます。気持ちは分からなくは無いですが正直関係ありません。そもそも食べさせ過ぎなければ太りません。運動不足で太ってしまうと言うのは失礼ですが言い訳です。おそらくそのような子の場合は運動をしっかりしていても太ります。結局は食事管理です。食事の時間と量をしっかりと決めて、間食を控えて規則正しい食生活をすれば太りません。ハッキリ言うと犬猫が太ってしまうのは飼い主様の責任です。くれぐれもお気を付けください。


酸性食品を食べると尿は酸性に傾くの?
よく聞かれます。「ストルバイトと言われました。尿を酸性にする為に酸性食品を沢山与えた方が良いですか?」

もう少し詳しく説明しますと、ストルバイト結石は尿のアルカリ化が原因です。尿を酸性に傾けると症状は緩和します。その為には、酸性食品を与えて尿を酸性に傾ければ良いですか?と言う内容です。酸性食品とは、その食品を燃やして出来た灰を水に溶かした際にその水のpHが酸性に傾く食品の事で、具体的には肉や魚などのたんぱく質を多く含む食品は一般的に酸性食品となります。と言う事は先の質問は、「ストルバイトと言われました。尿を酸性にする為にお肉や魚をを沢山与えた方が良いですか?」と言う事です。




酸性食品を食べても尿は酸性に傾きません!
結論から申しますと、酸性食品を食べても尿のpHは酸性に傾きません。逆にアルカリ性食品を食べても尿のpHはアルカリ性に傾きません。これは血液も同じです。ひと昔前に、酸性食品ばかりを食べていると体が酸化して老化が進むので積極的にアルカリ性食品を食べましょう!と良く言いました。ちなみにアルカリ性食品とは主に野菜や果物です。但し、あながち間違いでは無いのが、野菜や果物には、ビタミンやポリフェノール、カロテノイドなど抗酸化作用のある栄養素が多く含まれており、健康に役立つと言う点です。何度も言いますが、アルカリ性食品だから抗酸化作用があると言うわけではありません。




フードのpHで尿のpHはコントロール出来ません!
最近のフードパッケージには製品のpHが記載されている事があります。メーカーの真意は定かではありませんが、飼い主様の中にはフードのpHが尿のpHに影響するとお思いの方も多いはず。購買意欲を高める戦略と受け取られても仕方がありません。逆に飼い主様は勘違いをなされないようにお願いします。弱酸性のフードを食べても弱酸性の尿が作り出されるわけではありませんので。また、「このフードは尿のpHを6.2~6.5に保つように設計されています。」のような表現をしている製品もありますが、そんな事は実際に食べてみないと分かりませんし、食べた直後の数値なのか空腹時の数値なのかも分かりません。参考にすらならないと考えていただいても良いと思います。




シュウ酸カルシウムでも大きな勘違いが!
犬猫にとって、ストルバイトの次に多いと言われる結石がシュウ酸カルシウム。名前がシュウ酸とカルシウムなので、シュウ酸とカルシウムの摂取を制限する必要があるとお思いの方がおられます。シュウ酸とはいわゆる「灰汁(アク)」です。シュウ酸はあらゆる食品(食材)に含まれます。完全に避けて過ごすのは不可能な事です。ですから、少なくともシュウ酸はある程度摂取してしまっても、カルシウムの摂取は可能な限り控えたいと考えてしまいます。それが大きな間違いです。シュウ酸は本来、腸でカルシウムと結合して便と一緒に排泄されます。しかし、排泄しきれなかったシュウ酸が尿中でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなってしまいます。ですから、カルシウムの摂取量が少ないと便と一緒に排泄されるシュウ酸が減り、尿中のシュウ酸濃度が高まると言う事です。人間の食事に例えると非常に分かりやすいです。人間の食品でシュウ酸を多く含む代表が、「ほうれん草」「たけのこ」「コーヒー」です。犬猫と違って、人間に最も多い結石はシュウ酸カルシウムです。それを防ぐ為に、「ほうれん草にはちりめん」「たけのこには鰹節」「コーヒーには牛乳」と、シュウ酸を多く含む食品にはしっかりとカルシウムが含まれる食品を加えています。何事にも意味があると言う事ですね。


初めて犬猫と生活する方に多いです。
私は小さい頃から家に犬がいて、その後も常に犬や猫と生活をしています。また、25年以上ペットフードの販売をしていますと、沢山の情報をお客様から教えていただけます。そうした積み重ねでお陰様で沢山の知識を得る事が出来ています。しかし、初めて犬や猫を飼う方はとても不安な事が多いと思います。自分よりもはるかに小さい体の愛犬・愛猫の事となると不安や心配になって当然だと思います。ですが、インターネット上の誤った情報により負のスパイラルにどっぷりとはまってしまうケースが多く見受けられます。当コラムでは何度もお話をしている事も含まれ、過去の内容と重複してしまう事も多いかと思いますが是非ご覧ください。




家に迎え入れてから1ヶ月ほど経った頃が要注意!
仔犬や仔猫をショップやブリーダーから家に迎え入れます。殆どの方がケージを使用されるのでは無いでしょうか。生後3ヶ月未満の子であれば、引き渡しの際に「ご飯は1日3日~4回程度に分けて与えてください。フード以外の物は与えないようにしてください。」と説明を受けると思います。フードとは、ドライフードをふやかした物であったりウエットフードだったり。家に来た当初は緊張のあまり食が進まない子もいますが、数日経てばあっという間にお皿は空っぽに。その頃は「これで足りてるのかな?」と思うほどの勢いで食べてくれます。しかし、徐々にケージから出す時間が増え、人間の食べている物に興味をしめすようになり、飼い主様もフード以外に何かを与えたくなってきます。そんな時にテレビを見ていると、犬猫用のおやつのCMであったり、ペット関連のバラエティ番組でおやつを与えている風景を目にしますと、「少し程度なら大丈夫かな?」となっておやつを与えるようになります。最初は週に1回程度と決めていても、おやつを収納している場所に行って催促する愛犬・愛猫の姿を見ると徐々におやつの回数が増えてしまいます。または、犬の場合はワクチン接種が終わり散歩に行きだすと、散歩先でお友達におやつを貰うようになったり。こうなると負のスパイラル突入です。。。




次第にご飯を残すようになります。。。
おやつを与えだして日に日におやつの量や回数が増えてくると徐々にご飯を残すようになります。お皿を差し出しても少しだけ食べてその場を去ってしまったり、お皿の中身を確認したら一口も食べずに遊びに行ってしまったり。そのような愛犬・愛猫の様子をご覧になられた飼い主様は「ずっと同じフードだから飽きたのかも?」と思ってしまいます。この発想は更なる泥沼へ突き進んでいきます。フードに飽きたと思い違うフードを与えます。そうすると以前のように勢いよく食べてくれます。「やっぱり飽きていたのね!」と思うのも束の間、数日後にはまた残したり食べなくなります。そうなんです。飽きたのでは無かったのです。おやつが美味しいのでご飯を食べたくないだけです。次はトッピングの開始です。




まさに負のスパイラル。。。
フードを変えても変えても食べるのは数回だけ。おやつは食べるのにご飯は食べない。なのに何故か飼い主様は「うちの子は食が細いなぁ」と思いインターネットで調べます。そうすると、「小型犬や猫は一気に沢山食べられないので常にお皿にフードを入れていつでも食べられるようにしてあげましょう」と。更に、それでも食べない場合は、「鶏のササミをボイルしてトッピングをしましょう!」や「お肉たっぷり使用で食いつき抜群のフード!」などが目につきます。全てが誤った方向に進んでいる事をその時は気付かないのです。そうして、常に食べられるよう置き餌をしたり、ドライフードにササミなどの肉類をトッピングしたり、お肉たっぷりの高たんぱくフードを与えること数か月。排尿の様子がおかしいと感じ出します。そうです。ストルバイト結石や膀胱炎の発症です。




どの情報が正しいかを見極める事がとても大切です!
ストルバイト結石や膀胱炎の原因や食事療法は過去のコラムに幾度となく書いてきました。まだご覧で無い方は是非ご一読ください。ストルバイト結石や膀胱炎になってしまった事は今更後悔しても仕方がありません。それよりも治療と予防が大切です。治療と予防には食事の見直しが必要です。正しい食事を正しい方法でお与えください。