2018年5月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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腎不全は早期発見が出来ない?
ここ数年、犬猫の死因の代表格となっている慢性腎不全(CKD)。とにかく症状が出るのが遅く、重度になるまで発見出来ない事が殆どです。健康診断でも同様で、重度になるまで結果が出にくい。何と、腎臓の機能が75%以上喪失するまで分からない。それが今も主流の検査で、血中のクレアチン濃度を調べる検査です。しかし、最近では新しいバイオマーカー検査が行われる事も増え、対称性ジメチルアルギニンン(SDMA)によって、腎機能が25~40%低下したところで発見出来るようになりました。気になる方は主治医に一度ご相談ください。




腎不全急増はペットフードが原因?
腎臓は一度悪くなると再生出来ない臓器です。ここ数年、食いつき(嗜好性)重視の高たんぱくなフードが増えている一方で、腎臓や肝臓に負担を掛けてしまい若くして腎臓病や肝臓疾患、結石や膀胱炎を患う子達が多く目立ちます。また、高たんぱくな食事は腎臓に負担を掛けないと言った記事や書き込みも目にしますが、水分を殆ど含まず、消化が良いと言えない加熱されたたんぱく質を多く含む食いつき(嗜好性)重視の高たんぱくなドライフードは腎臓にとってみれば大変厄介な存在です。くれぐれもご注意ください。




腎不全には早期発見&早期対処が重要!
先にも述べました通り、腎臓は再生が出来ない臓器です。早期に腎臓の状態を把握して適切な食生活を行う事が大変重要です。また、日頃の何気ない症状やしぐさでも早期発見が可能です。「食欲が無い」や「水をよく飲む」「尿の色が薄い」「毛がパサつく」「体重が落ちやすい」「よく吐く」「口臭がきつく感じる」などは腎不全に良く見られる症状です。少しでも気になる時は一日も早く主治医にご相談ください。目に見える症状が重くなってからでは遅いです。決して軽く見ないでください。腎不全はとても怖い病気です。宜しくお願い致します。


ビートパルプとは?
ドッグフードやキャットフードでお悩みの際にインターネットを閲覧していると、必ずのように目にするビートパルプ議論。
ビートパルプが入っているフードは体に悪いとか、便を無理やり固めるので便秘になりやすいとか。。。
どこから出た情報なのか分かりませんが、当店では正確な情報を皆様にご提供したいと思います。


そもそもビートパルプとは何なのか。ビートとは「甜菜:sugar beet」の事です。サトウキビ同様にお砂糖の原材料となる植物。ドイツが発祥地と言われ、ビートを原材料としたビート糖は1747年にドイツの化学者マルグラーフが、ビートの根から砂糖を分離する事に成功したことに始まります。サトウキビは温暖地帯のお砂糖の原料で、ビートは寒冷地帯のお砂糖の原料とお考えいただければと良いと思います。。日本ではサトウキビは沖縄、ビートは北海道が生産地となります。



そのビートから糖分を抽出した繊維分は、大変貴重な食物繊維となり、腸内善玉菌の栄養源として大事な役割を持ちます。また、ビートから糖分を抽出した繊維分の名称として、日本国内では下記のように呼びます。

ビート繊維(ビートファイバー)・・・甜菜の根から抽出した、人間用食品向けに洗浄・乾燥・粉末にした天然の食物繊維
ビートパルプ・・・家畜飼料法により定められた抽出法により、厳格な基準の元に甜菜の根から製造される天然の食物繊維

尚、家畜飼料法により定められた抽出法にとは、甜菜を絞って圧力をかけて、様々な構成成分を分離し、繊維分を取り出す方法です。




嘘か本当か分からないですけど。。。

ビートパルプの中には、硫酸系の薬剤を使って、人工的に無理やり食物繊維以外の植物組織成分を溶かすというやり方で、手間を掛けずに食物繊維を抽出する方法によって製造しているものもあるとか。確かにそのような製造方法で抽出されたビートパルプであれば、様々な悪い影響を及ぼすことが安易に予想されます。但し、そのようなビートパルプは人間用や家畜用には使用が禁止されていますので、利用方法とすれば安価で粗悪なペットフードに使用すると言う事なんでしょう。従ってビートパルプを使用しているペットフードは危険だ!と、誰かが一生懸命を訴えているのでしょう。




ボッシュやハッピーキャットにもビートパルプ
当店で取り扱っておりますフードの中にもビートパルプを使用している製品は多数ございます。

ボッシュやザナベレの日本語による原材料表記にはビートパルプと明記。ハッピーキャットの場合は、英語表記ではビートパルプ。日本語表記ではビートファイバー。正規輸入元の翻訳の違いですね。
先にも述べました通り、ドイツはビートの発祥地と言われている国です。ボッシュやザナベレ、ハッピーキャットはドイツが原産国。使われていても何ら不思議ではありません。また、ドイツはペットフードの製造に使用する生の動物性材料、植物性材料、添加物ほか、全ての材料について「人間の消費に適合するものでなければいけない」と法律で規定されており、硫酸系の薬剤を使って抽出したようなビートパルプを使用する事は法律違反となります。逆に言うと、人間の消費に適合するビートパルプを使用する事によって、善玉菌の働きを活性化し、腸内環境を整え、免疫力の向上につながると言えます。

また、当店人気の発酵野菜ミックスにもビートパルプは使用されています。こちらは北海道糖業株式会社にて製造された物を使用しております。発酵野菜ミックスは人間用の酵素系サプリメントメーカーが製造している製品です。使用されております北海道糖業株式会社製造のビートパルプはもちろん安全且つ良質な食物繊維です。




ご安心ください!
硫酸系の薬剤を使って抽出したビートパルプを使用しているフードメーカーがあるとすれば、そのようなメーカーのフードはお選びになられないようにご注意ください。
少なくとも当店が取り扱っております製品にはそのようなビートパルプは使用されておりません。ご安心ください。ビートパルプをはじめとする食物繊維はプレバイオティクスと呼ばれ、乳酸菌等の腸内善玉菌のエサとなり、腸内環境の改善、リンやナトリウムなどの吸着・排出作用があり、腎臓の働きをサポートする役割も期待出来ます。腎不全など腎機能が気になる時にはビートパルプは大きな役割を果たします。誤った情報に惑わされずにご愛犬・ご愛猫に最適なお食事をお選びいただくようお願い致します。


ローテーションとは何?
良く耳にします「フードローテーション」。ひとつのフードを長期間与えるのでは無く、数種類のフードを短期間毎に切り替えて与える方法です。例えばA・B・C・Dと言った4種類のフードを用意して、1週間目はAのフード、2週間目はBのフードと言う感じで4週間でAからDまでのフードを与える方法です。もちろん1週間毎はここでの例えですので1ヶ月毎や半年毎なんて言う周期もあるでしょう。フードローテーションの必要性としては下記の複数の意見が想像出来ます。

●同じフードだと栄養の偏りが心配
●長期間同じフードを与え続けると、そのフードの原材料がアレルゲンになりやすい
●品切れの時でも困らないように食べられるフードを複数見つけておきたい
●いつも同じフードだと可哀想なので定期的に変えてあげたい
●いつも同じフードだと飽きて食べなくなるので

などなど。色々な意見があると思います。どれも気持ちは分からなくは無いですね。




愛犬・愛猫のペースに合わせてはダメ!
上記の意見の中でひとつだけ間違いがあります。それは「いつも同じフードだと飽きて食べなくなるので」です。「うちの子は好き嫌いが激しいのでフードローテーションが必要」と言う方もおられると思います。でもそれは間違いです。それは「フードローテーション」とは言いません。ワガママに付き合っているだけです。好き嫌いをして同じフードを続けて食べない子がいますが、その子に日替わりメニューのような食生活はかえって悪影響です。ますます好き嫌いが激しくなります。酷い時には最終的にどのフードも食べなくなってしまう事があります。ご注意ください。また、好き嫌いが激しい子は大抵の場合、毎日おやつを食べています。特に最近気になるのが猫用のペースト状のおやつ。あれはほんとに要注意。メーカーにもよると思いますが、大半は調味料で味が濃く出来ているのでとても良く食べると思います。但し、噛まずに美味しい物を食べられる「楽」を覚えさせるとカリカリのドライフードなんて面倒臭くて食べなくなってしまいます。食べている様子が可愛いとか、催促するとか、スキンシップになるとか色々なご意見があるかと思いますが出来ればご利用をお控えください。




結局ローテーションは必要なの?
個人的にはフードローテーションは必要が無いと考えます。してはいけないとは思いません。「栄養の偏り」や「アレルギー」を心配してのフードローテーションは必要は無いと思います。但し、プレミアムフードは輸入製品が多く一旦品切れになると長期間欠品になる事もしばしばございます。その為、「食べられるフード」を複数見つけておくのは大切かと思います。また、ペットフードに限った事ではありませんが、製品は定期的にリニューアル致します。10年も20年も内容が変わらない製品は非常に稀です。リニューアル後の製品が体質に合わなくなる事も考えられますので、「食べられるフード」が幾つかあると安心ですね。