2018年6月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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ストルバイトの結晶が検出されても慌てない!
ストルバイトの結晶は尿がアルカリ性に傾いて生成されます。尿がアルカリ性に傾く原因は胃酸です。食べ物を食べた後に胃酸が分泌されますが、それと同時に尿がアルカリ化されます。そうすると、尿中にストルバイト結晶が生成されます。その後、胃が休み始めると尿が酸性化されます。その結果、ストルバイトの結晶は溶解されていきます。ここが重要!!!健康な子でも食後は一時的にストルバイトの結晶が生成される事は決して珍しい事ではありません。ですので、そのような際には数日後に食前で再度尿検査を受けてください。食前の尿にストルバイトの結晶が検出されなければ慌てる必要はありません。一度の尿検査でストルバイトの結晶が検出されたからと言って、「即、療法食」や「一生、療法食」と判断する病院は「療法食を売りたいだけ!」と言われても仕方がありません。




必ずしもフードが原因とは限りません!
ストルバイトの結晶が検出されたら、下記の点に当てはまらないかご確認ください。

●好き嫌いが激しいので置き餌をしている。
●一度に食べる量が少ないので何回にも(3回以上)分けて与えている。
●ドライフードの食いつきが悪いのでトッピングの量が多くなっている。
●おやつ(ご褒美を含む)を1日2回以上与えている。
●早朝に胃液を吐く事があるので寝る前に夜食を与えている。
●欲しがるのでついついフードの量が多くなっている。

これらにひとつでも当てはまる場合はフードが原因とは限りません。フードの与え方やおやつが原因かも知れません。ですので、おやつをストップして1日2回の規則正しい食生活を実践し、再度尿検査を受けていただく事をおすすめ致します。




思っているほど沢山食べなくても大丈夫です!
フードの与える量は何で決めていますか?殆どの方がフードのパッケージに記載されている「給与量の目安」を参考になされていると思います。でも実はパッケージに記載されている量の半分程度でも大丈夫な場合があります。記載されている「給与量の目安」はあくまでも目安です。日本の犬猫は基本的に運動不足の子が大半ですのでパッケージに記載の量を食べると「食べ過ぎ」になる事が多いです。食べ過ぎは胃酸を多く分泌しますのでストルバイトのリスクが高まります。特に猫は食べ過ぎの子が非常に多いです。ご飯の適正量を見極めて、量を調節するだけでもストルバイト予防に繋がります。




誤った情報に惑わされないで!
インターネットは非常に便利ですが非常に危険な面もございます。特に最近多く目立ちます。実名は控えますが、明らかに誤った情報を掲載しているメーカーもあります。そう言ったメーカーほど検索結果が上位表示されるんですよね・・・。困ったものです。ストルバイトの予防にはフードのマグネシウム含有量などあまり関係ありません。穀物不使用のフードがストルバイト予防に役立つ事もありません。誤った情報に騙されないよう、お悩みの際は是非お気軽にご相談ください!


ドライフードに毛のようなものが!
ドライフードの粒を良く見ますと、毛のようなものが突き刺さっている事があります。これはナチュラルフード特有の物です。正体は毛です。毛と言っても動物の毛であったり植物の毛だったり。

とうもろこしなどについているこれ↓↓↓など。



人間は食感が気になるので除去して食べる事が大半ですが、実はこの毛の部分には食物繊維や鉄分など栄養素が多く含まれますのでペットフードには使用される事が多いです。また、全粒粉穀物を使用しているフードでは表皮や胚芽がそのまま使用されていますのでそれらが毛のような繊維を残して粒に突き刺さっている事もあります。
動物の毛に関しては、スーパーで売られている鶏の手羽先や豚足などにも見られると思いますが、処理の段階で毛が残る事が当然ございます。この毛を薬品で溶かす事は簡単ですが、ナチュラルフードではほぼ全てのメーカーがそれらの薬品を使用しておりません。その為、動物の毛がそのまま残り粒に突き刺さっている事がございます。

例えば安全食材のオーガニックフードで人気のアーガイルディッシュのHPには下記の説明がございます。

「食肉処理の段階でどうしても一部肉の毛が残ることがございます。決して見た目が気持ちよいものではなく、混入を減らす対策を続けておりますが薬品などを使用して取り除く処理は一切行っていないため、完全には取りきれておりません。」

このように安全な製法で製造されているナチュラルフードは見た目を重視しておりません。日本人の感覚では「手抜き」や「異物混入」と感じてしまう場合があるかと思いますが、実際は犬猫の健康に配慮をした結果です。何卒ご理解ください。




夏場のドライフードの保管について
ドライフードの保管についてですが、おそらく全てのお客様がご不安にお感じになられた事があるかと思います。以前のコラムでも書きましたが、ドライフードは合成保存料を使用していないナチュラルフードだとしても、すぐに腐ると言う事はありません。

過去のコラムはこちら↓↓↓
ドライフードの保存方法に悩む。。。

大半のメーカーが下記のように記載しています。

「高温・多湿を避けて冷暗所にて保管ください。」

ボッシュやザナベレには下記のように記載されています。

「直射日光を避けて涼しい場所(25℃前後)の保存をおすすめします。」

ボッシュやザナベレの記載内容の方が具体的で分かりやすいですね。しかし、夏場に家の中で25℃前後を保てる場所が無いお宅もあると思います。でも大丈夫です。多少は構いません。とにかく直射日光を避けてしっかりと封をして保管ください。そして出来る限り小分けして開け閉めの回数を減らしてください。温度や湿度よりも「小分けして開け閉めの回数を減らす」事が重要だと思います。目安としては、大きなサイズの製品をお買い上げいただいた際は、「1~2週間分毎の小分け」をお心掛けください。

以上、話しをまとめますと、ドライフードの保管は温度や湿度よりも小分け。1~2週間程度で使い切れるサイズをお買い上げの際は、小分けの必要はありませんが、しっかりと封の出来る容器をご利用ください。(製品パッケージのジッパーは不完全な物もございますのでご注意ください。)また、大きなサイズをお買い上げの際は1~2週間程度で使い切れる量毎に封の出来る容器に移してご利用ください。ご心配になられる事案だと思いますが、あまり深く考えなくても大丈夫です!


とうもろこしって体に悪いの?
先にビートパルプについても書きましたが、今日はとうもろこしについてお話ししたいと思います。

●ビートパルプについてはこちら

ドッグフードやキャットフードに使用されます「とうもろこし」。まず皆様はとうもろこしがお好きですか?我々人間の食生活には欠かす事が出来ない程、色んなシーンで登場します。甘みがあって美味しいですよね。栄養面でも食物繊維が多く、ビタミンB1、B2、Eも豊富。オメガ6系脂肪酸のリノール酸も含む栄養価の高い食材です。人間にはもちろんですが実は犬猫にとっても大変栄養のある食材なのです。ですが、いつの頃からかとうもろこしが使用されているドッグフードやキャットフードは「粗悪」や「危険」と言われるようになりました。




何故悪者扱いをされるようになったの?
1980~1990年代は第一次ペットブームと呼ばれます。その頃のドッグフードやキャットフードには今のようにプレミアムフードと呼ばれる高品質な製品はありませんでした。ペット先進国であるドイツやイタリアのフードは皆無。アメリカやカナダのフードがポツポツ輸入され出した程度でした。その頃の日本製のドッグフードやキャットフードは決して安全なフードとは言えず、人間用食材として利用価値をを失った物が主な原材料と言われていました。そんな原材料の中に「とうもろこしの芯」を使用していると言う噂が広がり、その頃から「とうもろこし=悪者」になったと記憶しております。但し、「とうもろこしの芯」が使用されていたかどうかは定かではありません。また、その頃のドッグフードやキャットフードはとうもろこしや大豆を主原料としてお肉の色と香りをつけている物が多く、動物性たんぱく質を必要とする犬猫にとって理想的な食事では無かったと言えます。これは今現在売られている安価なフードにも同じ事が言えます。




とある事情でとうもろこしから豆へ
最近良く目立つグレインフリー(穀物不使用)フード。穀物不使用と言ってもお肉ばっかりで構成されているわけではありません。殆どのグレインフリー(穀物不使用)フードがお肉以外に豆類や芋類を使用してます。また、グレインフリー(穀物不使用)フード以外では、玄米や大麦、オーツ麦などの穀物を使用します。それでは何故とうもろこしだけ悪者扱いを受けるのでしょうか?更にそれらとうもろこしを悪者扱いする殆どがアメリカやカナダのフードメーカー。理由は2012年のアメリカで起きた歴史的な干ばつ。アメリカではとうもろこしは、食品としてはもちろん、家畜の飼料やエタノール燃料の原料としてなど使途が豊富な為、干ばつの影響でとうもろこしの価格が高騰しました。その為、アメリカやカナダのメーカーはとうもろこしの使用を停止して豆類や芋類を使用するようになりました。しかし、ドイツやイタリアなどのメーカーは今もなお、犬猫にとって良質な栄養源としてとうもろこしを使用していますので、アメリカやカナダのフードメーカーが戦略的な宣伝文句として「とうもろこし=悪者」と謳っている傾向が強いと考えられます。




とうもろこしは消化出来ないの?!
犬猫にとって、とうもろこしは消化の良い食材とは言えません。但し、それはグレインフリーフードに使用されている豆類や芋類も同じです。更に言うと、それは人間にとっても同じです。人間は米や豆、とうもろこしを生で食べません。加熱しないと消化が悪いからです。犬や猫などの動物は人間のように火(熱)を使う事が出来ません。ですので、自然界では自らとうもろこしや豆類、芋類を好んで食べませんが、草食動物の胃の中で発酵した消化の良い状態の物であれば食します。ドッグフードやキャットフードに含まれます、とうもろこしや豆類、芋類は細かく粉砕して熱処理を施していますので犬猫にとっても消化のしやすい状態になっています。結論的には、とうもろこしを批判する理由は、豆類、芋類、米などにも同じ事が言えると言う事です。それよりも実は豆類や芋類よりもとうもろこしの方が優れた食材のような気も。。。どちらにせよ、とうもろこしや大豆を主原料としてお肉を使わなかったり、お肉の使用量が極端に少ない植物性たんぱく質主体のフードはおすすめ出来ませんが、原材料にとうもろこしを使用しているからと言って、そのフードが粗悪とは限りません。また、余談になりますが、ネット上に数多く存在するのペットフードランキングサイト。信用出来るサイトが減りましたね。残念。




ビートパルプやとうもろこしよりも気をつけないといけません!
ビートパルプやとうもろこしを批判・否定するメーカーやサイトでは必ずと言って良い程、お肉たっぷりの高たんぱく・高脂肪のフードが紹介されています。犬猫達にとってお肉たっぷりの食生活が許されるのは「生食」だけです。加熱されたお肉たっぷりの食事は消化が悪く、腸内環境を悪化させ、肝臓や腎臓に負担を掛けます。その結果、尿石症や膀胱炎を引き起こし、最悪の場合は腎不全や膵炎の危険性も。実際にここ数年、急性膵炎を患う子が急増しています。ストルバイトなどの尿石症や膀胱炎も非常に多いです。ビートパルプやとうもろこしを避けて高たんぱく・高脂肪の食事をする事がかえって病気を増やしているのではと感じます。お気を付けください。