2019年6月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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賛否両論なのは知っています。
沢山のお客様からお問い合わせと言うかご相談をいただきます。

「去勢手術(避妊手術)ってした方が良いと思いますか?」

特に初めて犬猫と生活をしだした方からいただくとても多いご相談です。結論から申し上げますと、私は去勢手術(避妊手術)賛成派です。我が愛犬愛猫は全て手術済みです。去勢手術(避妊手術)はもちろんメスを使用した外科手術になります。何も病気をしていないのにメスを入れる事に抵抗がある方のお考えは重々に承知しております。私も出来ればしたくはありません。それでも何故私が、去勢手術(避妊手術)賛成派なのかをお話ししていきたいと思います。決して、強制しているわけではありません。去勢手術(避妊手術)賛成派のいち意見としてお読みください。




去勢手術をおすすめする理由。
まず、男の子の去勢手術とはどのような手術なのか。それは2つある精巣(睾丸)を外科的に摘出する手術です。大抵の場合は、午前中に預けて夕方にお迎えです。日帰りの手術が多いです。術後2、3日は少し元気が無くなる場合がありますが、回復にはそれ程時間は要さない事が多いです。

そして問題の私が去勢手術をおすすめする理由です。去勢手術をためらっている方に多い発言が、「自然のままの体で過ごさせてあげたい。」です。分かります。本当に良く分かるのですが、「自然のまま」と言う事は動物である以上、性行為が必要なのです。生殖機能があるのに性行為が出来ないのは非常に大きなストレスになります。その結果、多いのが食欲不振です。おやつは食べるけれどご飯(フード)は食べない。要は美味しい物、好きな物しか食べなくなります。また、病気の予防にも大きな効果があります。代表的なのは犬の前立腺肥大の予防です。去勢手術をしていない男の子は10歳程度になると前立腺が肥大します。その結果、腸が圧迫され、排便が困難になり会陰ヘルニア等の病気を併発します。もちろん治療が必要ですが、その治療方法は去勢手術です。要は前立腺が肥大する前に予防として去勢手術をするか、前立腺が肥大してから治療として去勢手術をするかです。結果的には去勢手術が必要になる可能性が高いのですが、少しでも体力のある若い時期に去勢手術をなされるのが良いかと私は思います。また、10歳前後であれば去勢手術によって治療が可能ですが、もっと高齢の場合は麻酔を使用する事が出来ず、前立腺肥大の治療が出来ない場合もあります。尚、猫はあまり前立腺が肥大する事はありませんが、睾丸腫瘍や前立腺炎などの予防になり、やはり性欲によるストレス解消が期待出来ます。




避妊手術をおすすめする理由。
女の子の避妊手術には大きく分けますと2タイプあります。病院によって推奨する内容が異なる場合がございますが、ひとつは卵巣摘出手術と、もうひとつは卵巣子宮摘出手術です。言葉の通り、子宮は残し卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮の両方を摘出する手術です。どちらかと言うと後者を進める病院の方が多い気がします。男の子の去勢手術よりも傷口が大きくなりますので、男の子よりも術後の回復には時間を要する事が多いです。また、去勢手術は殆どが日帰りですが避妊手術は一泊の入院が必要になるケースも多く見られます。

そして、私が避妊手術をおすすめする理由は、子宮筋腫や子宮蓄膿症、子宮癌、卵巣腫瘍などの予防です。また、男の子同様に性欲によるストレスも解消されます。もちろん生理がなくなります。猫は元々生理がありませんが、発情は無くなります。それに伴い、食欲の安定も見られます。発情や生理の時期には食欲が落ちる事が多いです。それだけストレスが掛かっていると言う事かと思います。また、早期の避妊手術により乳腺腫瘍のリスクが大きく軽減されると言われています。避妊手術をするなら出来る限り早い方が良いのでは無いかと思います。




去勢手術(避妊手術)をすると太るって本当なの?
聞いた事のある方も多いと思います。「去勢手術(避妊手術)をすると太りやすい。」これは確かに本当です。実際に私も去勢手術(避妊手術)をした後に太ってしまった犬猫を沢山見てきました。でもこれは単純に食べ過ぎ(与え過ぎ)なだけです。体質で太りやすくなるわけではありません。もう少し詳しく説明をしたいと思います。

先にも述べました通り、去勢手術(避妊手術)をしていない子達は性欲のストレスや生理の関係で食欲不振に陥る事があります。それは一時的なものですので無理に食べさせる必要は無いのですが、飼い主様としてはやはり心配になります。それで、フードの食べる量が少ない時に嗜好性の高いトッピングをしたり、好物のおやつを多い目に与えたりしてしまいます。それが日常化してしまい、フードの好き嫌いが激しい子になってしまいます。しかし、去勢手術(避妊手術)をすると今までが嘘だったかのようにフードを食べるようになります。飼い主様としてはとても喜ばしい事ですよね。今までなかなかフードを食べなかった子が空になったお皿を舐めまわす程に食べるようになるわけですから。それで、ついついおかわりをさせたり、フードの量を増やしたり。またまた催促に負けておやつを与えたり。性欲が無くなった分、食欲に「欲」が向かいますので食べ物の催促が強まる可能性はあります。催促されても与えなければ良いですし、与えなければ催促もしなくなります。しかし、その催促に負けてついつい食べ物を与えてしまうので、「去勢手術(避妊手術)をすると太りやすい」となるのです。ですので、去勢手術(避妊手術)をしても太るか太らないかは飼い主様次第と言う事です。

最初にも言いましたが、これはあくまでも私個人の考えです。去勢手術(避妊手術)賛成派のいち意見としてお読みいただければ幸いです。


そもそも膿皮症って何?
膿皮症とは、犬や猫の皮膚にブドウ球菌などの細菌が感染する事によって生じる、痒みや赤み、水泡のようなプツプツ(膿疱)などの症状が見られる化膿性の皮膚病の事です。本来、ブドウ球菌は皮膚の常在菌であり通常は害を及ぼす事はありません。しかし、免疫力の低下や栄養の偏りや食物アレルギー等が原因で皮膚のバリア機能が低下した際に炎症が発生して膿皮症を発症します。一般的な治療は抗生物質を投与し改善を待ちますが、そもそもの原因を解消せずに治療を続けても、思うように改善が見られないケースが目立ちます。






お耳の中が赤くなっていませんか?
耳の中が赤くなると言えば外耳炎です。外耳炎と膿皮症が何故関係があるかと言いますと、このふたつの疾患は併発しているケースが多いからです。それでは何故併発するケースが多いかと言いますと、基本的な原因は共に食生活です。そもそも外耳炎の原因はマラセチア等の常在菌の異常繁殖です。異常繁殖の原因は食生活による皮膚の炎症です。外耳の皮膚が食生活の影響によって炎症を起こし、ジメジメしてくる事によってマラセチアが異常繁殖して外耳炎が発症します。一方、膿皮症の原因であるブドウ球菌も同様に食生活が原因で皮膚の健康状態が悪化した際に皮膚にイタズラをして膿皮症が発症します。






どんな食生活が原因になるの?
最も注意が必要なのはグルテンです。グルテンとは小麦に含まれているたんぱく質で、犬猫は元々グルテンの分解が苦手な為、グルテンを摂取する事によって痒みや発疹、皮膚の赤み、下痢、腹痛など様々な症状が出る場合があります。これをグルテン不耐症と言い、小麦アレルギーとは別物です。動物病院でアレルギー検査(IgE抗体検査)をうけたとしても、グルテン不耐症の場合は小麦に陽性反応は出ません。ですので、長期にわたる皮膚疾患を患っている際に、動物病院でアレルギー検査(IgE抗体検査)をうけて、小麦に陽性反応が出なかった事を理由に、パンやビスケットを与えてしまっているケースが多いです。過去のコラム(それ本当にアレルギー???)でも書きましたが、膿皮症や外耳炎などの症状はアナフィラキシーショックなどの即時型アレルギーではありませんので、アレルギー検査(IgE抗体検査)をしても全く無駄です。費用の高い検査ですので本当に必要な検査なのか見極めるのも大事です。また、こちらも過去のコラム(今更聞けない「グルテンフリー」と「グレインフリー」)でも書きましたが、フード選びの際に「グルテンフリー」は大切ですが、「グレインフリー」の必要はありません。こちらもしっかりと理解しておきましょう。






そして何よりも大切な●●力UP!
常在菌であるマラセチアやブドウ球菌は本来は悪さをしません。ですが、体が弱った際にイタズラを仕掛けてきます。その為、常にそのイタズラを跳ね返すだけの防御態勢を整えておかなければなりません。そのひとつに先に述べました食生活は非常に大切になりますが、もうひとつ大切なのが腸内環境です。腸内が悪玉菌優位の環境であると、中立の立場にある大軍の日和見菌が悪玉菌側に加勢し悪玉菌を増やしてしまいます。そうなると腸内に有害物質が溜っていき、免疫力が低下して皮膚荒れの原因に繋がります。特に犬猫は動物性たんぱく質を人間よりも多く摂取する為、人間以上に悪玉菌が増殖しやすい傾向があります。健康なうちから腸内環境を整えておく事は非常に大切と言えます。日和見菌が悪玉菌に加勢しないように常に善玉菌優位の腸内環境を目指しましょう!

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