2019年11月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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犬や猫を飼う人間としての「当然のマナー」!
まず私個人の考え方を申し上げますと、猫を家と外を自由に行き来できる飼い方をしている方を見ると、「その子を大切に思っていないのかなぁ」と思ってしまいます。もちろん家の中にも危険はありますが、家の外は家の中とは比べ物にならないほど、沢山の危険があります。車やバイクなどとの事故や動物虐待など。犬のノーリードも同じでリードは愛犬を事故から守る為の命綱です。ノーリードで散歩をする犬を見る度に「かわいそうな子だなぁ」と思ってしまいます。それに、犬や猫を飼う人間としての「当然のマナー」でもあると思います。猫を家の外に出すと言う事は、他人の家の庭に出入りする事もあるでしょう。その庭で糞尿の排泄をする可能性もあります。他人の車の上を歩いて傷をつける可能性もあります。そのような行為は、された側からすると良い気はしません。怒りの矛先は猫に向けられるでしょう。




うちの子は元野良猫で外に出たがるから・・・
このような意見もございます。正直、そんなの関係ありません。私の子達は先代猫も含め全て元野良猫です。外に出たがるからとか、出たがらないからとかは関係ありません。飼い主のマナーとして、愛猫を守る為として、外には出してはいけないと思います。こんな言い方はふさわしく無いかも知れませんが、元野良猫を保護し、家の中に入れたにも関わらず、外に出たがるから出すと言うならば、初めから保護しなければ良いのです。保護もしないのに野良猫にご飯だけを与えている人と同じなのでは。一度でも自分の家に招き入れたのならば最期まで責任を持って欲しいと思います。




もちろん健康管理の為にも!
外に出すと言う事は、外で何を食べているか分かりません。虫を食べたり小動物を食べたり。猫の食性からすると当然の事ですがその結果、寄生虫やウイルス感染の原因になります。その他には、野良猫用に置かれているご飯を食べたり、その子を見かけた人がご飯やおやつを与える可能性もあります。実際に、当店の近くでも数軒のお宅でご飯を貰っている子がいます。自分の家でどれだけ良質なフードを食べていても、外で安価なフードを食べていれば何の意味も無くなってしまいます。また、色んな家で、色んな場所で一日に何回もご飯やおやつを食べる事によって泌尿器系の疾患のリスクも高まります。健康管理の観点では何一つメリットは無いと考えます。




運動不足で太るのでは?
猫は犬と違って散歩に連れて行かないので運動不足で太ってしまうと言うご意見。犬の飼い主様の中にも、「散歩に連れていけないので太ってしまう」と言う方がおられます。気持ちは分からなくは無いですが正直関係ありません。そもそも食べさせ過ぎなければ太りません。運動不足で太ってしまうと言うのは失礼ですが言い訳です。おそらくそのような子の場合は運動をしっかりしていても太ります。結局は食事管理です。食事の時間と量をしっかりと決めて、間食を控えて規則正しい食生活をすれば太りません。ハッキリ言うと犬猫が太ってしまうのは飼い主様の責任です。くれぐれもお気を付けください。


酸性食品を食べると尿は酸性に傾くの?
よく聞かれます。「ストルバイトと言われました。尿を酸性にする為に酸性食品を沢山与えた方が良いですか?」

もう少し詳しく説明しますと、ストルバイト結石は尿のアルカリ化が原因です。尿を酸性に傾けると症状は緩和します。その為には、酸性食品を与えて尿を酸性に傾ければ良いですか?と言う内容です。酸性食品とは、その食品を燃やして出来た灰を水に溶かした際にその水のpHが酸性に傾く食品の事で、具体的には肉や魚などのたんぱく質を多く含む食品は一般的に酸性食品となります。と言う事は先の質問は、「ストルバイトと言われました。尿を酸性にする為にお肉や魚をを沢山与えた方が良いですか?」と言う事です。




酸性食品を食べても尿は酸性に傾きません!
結論から申しますと、酸性食品を食べても尿のpHは酸性に傾きません。逆にアルカリ性食品を食べても尿のpHはアルカリ性に傾きません。これは血液も同じです。ひと昔前に、酸性食品ばかりを食べていると体が酸化して老化が進むので積極的にアルカリ性食品を食べましょう!と良く言いました。ちなみにアルカリ性食品とは主に野菜や果物です。但し、あながち間違いでは無いのが、野菜や果物には、ビタミンやポリフェノール、カロテノイドなど抗酸化作用のある栄養素が多く含まれており、健康に役立つと言う点です。何度も言いますが、アルカリ性食品だから抗酸化作用があると言うわけではありません。




フードのpHで尿のpHはコントロール出来ません!
最近のフードパッケージには製品のpHが記載されている事があります。メーカーの真意は定かではありませんが、飼い主様の中にはフードのpHが尿のpHに影響するとお思いの方も多いはず。購買意欲を高める戦略と受け取られても仕方がありません。逆に飼い主様は勘違いをなされないようにお願いします。弱酸性のフードを食べても弱酸性の尿が作り出されるわけではありませんので。また、「このフードは尿のpHを6.2~6.5に保つように設計されています。」のような表現をしている製品もありますが、そんな事は実際に食べてみないと分かりませんし、食べた直後の数値なのか空腹時の数値なのかも分かりません。参考にすらならないと考えていただいても良いと思います。




シュウ酸カルシウムでも大きな勘違いが!
犬猫にとって、ストルバイトの次に多いと言われる結石がシュウ酸カルシウム。名前がシュウ酸とカルシウムなので、シュウ酸とカルシウムの摂取を制限する必要があるとお思いの方がおられます。シュウ酸とはいわゆる「灰汁(アク)」です。シュウ酸はあらゆる食品(食材)に含まれます。完全に避けて過ごすのは不可能な事です。ですから、少なくともシュウ酸はある程度摂取してしまっても、カルシウムの摂取は可能な限り控えたいと考えてしまいます。それが大きな間違いです。シュウ酸は本来、腸でカルシウムと結合して便と一緒に排泄されます。しかし、排泄しきれなかったシュウ酸が尿中でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなってしまいます。ですから、カルシウムの摂取量が少ないと便と一緒に排泄されるシュウ酸が減り、尿中のシュウ酸濃度が高まると言う事です。人間の食事に例えると非常に分かりやすいです。人間の食品でシュウ酸を多く含む代表が、「ほうれん草」「たけのこ」「コーヒー」です。犬猫と違って、人間に最も多い結石はシュウ酸カルシウムです。それを防ぐ為に、「ほうれん草にはちりめん」「たけのこには鰹節」「コーヒーには牛乳」と、シュウ酸を多く含む食品にはしっかりとカルシウムが含まれる食品を加えています。何事にも意味があると言う事ですね。


初めて犬猫と生活する方に多いです。
私は小さい頃から家に犬がいて、その後も常に犬や猫と生活をしています。また、25年以上ペットフードの販売をしていますと、沢山の情報をお客様から教えていただけます。そうした積み重ねでお陰様で沢山の知識を得る事が出来ています。しかし、初めて犬や猫を飼う方はとても不安な事が多いと思います。自分よりもはるかに小さい体の愛犬・愛猫の事となると不安や心配になって当然だと思います。ですが、インターネット上の誤った情報により負のスパイラルにどっぷりとはまってしまうケースが多く見受けられます。当コラムでは何度もお話をしている事も含まれ、過去の内容と重複してしまう事も多いかと思いますが是非ご覧ください。




家に迎え入れてから1ヶ月ほど経った頃が要注意!
仔犬や仔猫をショップやブリーダーから家に迎え入れます。殆どの方がケージを使用されるのでは無いでしょうか。生後3ヶ月未満の子であれば、引き渡しの際に「ご飯は1日3日~4回程度に分けて与えてください。フード以外の物は与えないようにしてください。」と説明を受けると思います。フードとは、ドライフードをふやかした物であったりウエットフードだったり。家に来た当初は緊張のあまり食が進まない子もいますが、数日経てばあっという間にお皿は空っぽに。その頃は「これで足りてるのかな?」と思うほどの勢いで食べてくれます。しかし、徐々にケージから出す時間が増え、人間の食べている物に興味をしめすようになり、飼い主様もフード以外に何かを与えたくなってきます。そんな時にテレビを見ていると、犬猫用のおやつのCMであったり、ペット関連のバラエティ番組でおやつを与えている風景を目にしますと、「少し程度なら大丈夫かな?」となっておやつを与えるようになります。最初は週に1回程度と決めていても、おやつを収納している場所に行って催促する愛犬・愛猫の姿を見ると徐々におやつの回数が増えてしまいます。または、犬の場合はワクチン接種が終わり散歩に行きだすと、散歩先でお友達におやつを貰うようになったり。こうなると負のスパイラル突入です。。。




次第にご飯を残すようになります。。。
おやつを与えだして日に日におやつの量や回数が増えてくると徐々にご飯を残すようになります。お皿を差し出しても少しだけ食べてその場を去ってしまったり、お皿の中身を確認したら一口も食べずに遊びに行ってしまったり。そのような愛犬・愛猫の様子をご覧になられた飼い主様は「ずっと同じフードだから飽きたのかも?」と思ってしまいます。この発想は更なる泥沼へ突き進んでいきます。フードに飽きたと思い違うフードを与えます。そうすると以前のように勢いよく食べてくれます。「やっぱり飽きていたのね!」と思うのも束の間、数日後にはまた残したり食べなくなります。そうなんです。飽きたのでは無かったのです。おやつが美味しいのでご飯を食べたくないだけです。次はトッピングの開始です。




まさに負のスパイラル。。。
フードを変えても変えても食べるのは数回だけ。おやつは食べるのにご飯は食べない。なのに何故か飼い主様は「うちの子は食が細いなぁ」と思いインターネットで調べます。そうすると、「小型犬や猫は一気に沢山食べられないので常にお皿にフードを入れていつでも食べられるようにしてあげましょう」と。更に、それでも食べない場合は、「鶏のササミをボイルしてトッピングをしましょう!」や「お肉たっぷり使用で食いつき抜群のフード!」などが目につきます。全てが誤った方向に進んでいる事をその時は気付かないのです。そうして、常に食べられるよう置き餌をしたり、ドライフードにササミなどの肉類をトッピングしたり、お肉たっぷりの高たんぱくフードを与えること数か月。排尿の様子がおかしいと感じ出します。そうです。ストルバイト結石や膀胱炎の発症です。




どの情報が正しいかを見極める事がとても大切です!
ストルバイト結石や膀胱炎の原因や食事療法は過去のコラムに幾度となく書いてきました。まだご覧で無い方は是非ご一読ください。ストルバイト結石や膀胱炎になってしまった事は今更後悔しても仕方がありません。それよりも治療と予防が大切です。治療と予防には食事の見直しが必要です。正しい食事を正しい方法でお与えください。