2019年12月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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一年を通して本当に多かったこの話題!
2019年最初のコラムはストルバイト結石について書きました。そして2019年最後のコラム(前回)もストルバイト結石とは書いていませんが、やはりストルバイト結石の原因となってしまう食生活について書きました。全く意識はしていませんでしたが結果的には、2019年の最初も最後もご飯の与え方についてでした。このコラムの題材は日頃のお客様からのお問い合わせやご質問などを参考にして書いています。それ程、この一年間はストルバイト結石についてのお問い合わせが多かったと言う事です。改めて何故ストルバイト結石が急増しているかを考えてみたいと思います。




ストルバイト結石急増の原因がこれ!
ストルバイト結石急増の大きな原因を考えるとふたつ思い浮かびます。ひとつは高たんぱく過ぎるフードの急増。高たんぱく過ぎるフードは確かに食いつきは良いです。お肉をたっぷり使用しているので。但し、たんぱく質を過剰に摂取すると尿のpHはアルカリ性に傾きやすくなり、ストルバイト結石の原因になります。また、お肉たっぷりなフードに肉類(茹でた鶏のササミや魚など)をトッピングして更に高たんぱくな食事に。更に更に間食のおやつやご褒美でたんぱく質である肉類を摂取。ストルバイト結石にならない方が不思議です。
そして、もうひとつの原因がペースト状のおやつです。あの有名なCMの。爆売れに便乗するかのように他社メーカーも類似品を発売。スーパーやホームセンターの犬猫用のおやつコーナーを覗くとぺースト状のおやつばっかりです。そのようなペースト状のおやつを与えだすと決まったようにフードの食いつきが悪くなります。味が濃くてペロペロ舐めるだけで食べられるのですから。その結果、食いつきの良い高たんぱくなフードに頼ったり、置きえさをしてダラダラ食べたり。くだらない商品を発売するメーカーもダメですが、一番の問題は飼い主様です。




可愛がると甘やかすは違いますよ!
フードの食いつきが悪くなった時は、原因はフードには無いと言う事を覚えておいてください。フードの食いつきが悪くなった原因はフード以外の食べ物です。もちろん体調不良でフードの食いつきが悪くなる場合もありますのでそれは例外です。体調が優れていてフードの食いつきが悪くなった際には、フードを変えるのでは無くフード以外の食生活を変えてください。フード以外の食生活を変えずにフードを変えても食いつきが良くなるのはフードを変えた初めだけです。それでまた別のフードに変えて初めだけ食べて徐々に残すようになり、また違うフードに変えてなんて事を繰り返していると次第にどのフードも食べなくなります。食べないからフードを変えるのは可愛がっているとは言えません。ただ単に甘やかしているだけです。フードを一種類に絞ってそれだけを与えていれば必ず食べます。当コラムでは幾度と無く書いていますが、ご飯は朝晩2回で食べなければお皿を下げる。そして間食は無し。それでも食べなければ病気です。すぐに動物病院で診察をお願いします。




2020年はペット業界全体でレベルアップを!
偉そうに聞こえるかと思いますが、日本のペット業界は残念ながらレベルが低いと感じています。もちろん私自身もそうですが、ペットショップの店員、繁殖者や獣医師もです。ストルバイト結石が、高たんぱくな食生活やダラダラ食いが原因と分かっている業界人がもっと多ければ、これ程までに日本の犬猫達がストルバイト結石に悩まされなくて済むはずです。「小型犬はダラダラ食べますからね~」や「猫は一度に沢山食べずにちょこちょこ食べますよ」なんて事を言われた飼い主様は「そうなんだ~。うちの子だけじゃ無いのね!」となります。小型犬や猫も正しく食生活を管理していれば一度にちゃんと食べます。特に獣医師は飼い主様からすると「先生」です。もう少し発言に責任を持って欲しいと思う2019年でした。皆様良いお年を。


子猫のご飯は一日何回?量はどうするの?
子猫と言っても生後数週間の子もいれば数か月の子もいます。ショップやブリーダーから来た子の場合は生後1ヶ月未満と言う事はあり得ません。現在の動物愛護管理法では、生後56日齢以降での引渡しが義務付けられています。と言う事は、ショップやブリーダーで購入した子の場合は、幼くても生後約2ヶ月以上の子だと言う事です。生後2ヶ月にもなれば離乳食では無くカリカリのドライフードを柔らかくふやかさなくても食べられます。もちろん柔らかくふやかしても結構ですし、ドライフードを使わずにウエットフードのみでも構いません。または、ドライフードにウエットフードをトッピングするような与え方でもOKです。個人的には最後のドライフードにウエットフードをトッピングする与え方がベストだと考えますが、「何を与える」かよりも「どのように与えるか」の方が大切です。




殆どのサイトが同じような事を書いていますが。。。
子猫を迎え入れた方の大半はスマホやパソコンで「子猫 ごはん 与え方」などのキーワードで検索すると思います。実際に検索してみますと、大手有名メーカーのサイトやペット用の保険会社などのサイトが沢山ヒットします。少しサイトの中身を覗いてみますと、殆どのサイトで、「生後半年くらいまでは一日に必要とするカロリーを4回~6回程度に分けて与えてください。」と書かれています。そして生後半年以上は一日に2回~3回と。正解と言えば正解かも知れませんが、その方法を貫ける飼い主様って結構少ないと思います。何故だかと言うと、自分のお家に生後2ヶ月で迎え入れて、生後半年まで一日5回程度のご飯を与えるとします。具体的には、朝・昼・夕・晩・寝る前、のようなスケジュールになるでしょうか。それを数か月続けて、生後半年になった頃にご飯の回数を朝晩2回に減らす事が出来ますか?今まで一日に5回ご飯をもらっていた子は、一日のご飯を朝晩の2回に減らした後も朝晩以外の時間帯にご飯を催促してくるでしょう。




対応を間違えるととんでもない方向に!
「催促するから与える」や「欲しがるから与える」と言った時点で大間違いなのですが。。。ご飯を一日5回から2回に減らした後に、今までご飯をもらっていた時間帯に愛猫が催促してくると、「ご飯は朝晩の2回だから、その他の時間帯はおやつを少しだけ」。よくあるケースだと思います。そうすると徐々に朝晩のご飯を残すようになります。そりゃそうですよね。催促すれば美味しいおやつをもらえるのですから。朝晩2回のご飯よりも美味しいおやつを。過去に何度もお話をしていますが、おやつは毎日与えるものではありません。おやつは欲しがるから与えるものではありません。常に主導権は飼い主様が握っていてください。結果的に見れば生後半年までに一日5回も6回もご飯を与えていた事がアダとなってしまうのです。




生後2ヶ月を過ぎればご飯は一日に2回で!
ショップやブリーダーから生後56日以上の子を家に迎え入れた際は、ご飯は朝晩2回でお願いします。正直、このような事を書いているサイトや書籍は少ないと思います。大半が上にも書いたように「生後半年までは4回~6回程度に分けて」や、回数が少なくても「3回に分けて」と書いているでしょう。しかし、多い情報が正しいとは限りません。生後1ヶ月を過ぎて離乳食を始めた頃は一日に3回でも良いと思います。それでも3回で良いと思います。もちろん食べっぷりや体調によっては異なりますが。健康状態も良くスクスクと成長している子であれば離乳期は3回でそれ以降は2回で充分です。小さい頃から「日中は何も食べない」を徹底しておくと後々楽になりますよ。