2020年6月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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猫の便秘の原因が水分摂取不足って本当?
インターネットで「猫 便秘」で検索すると、まぁ見事に殆どの記事で「猫の便秘の原因は水分摂取不足」と書かれています。更にその理由が、「猫のルーツは砂漠で生活していた為、元々あまり水を飲まない傾向がある。その為、便の水分が減少して便秘になってしまう。」と。正直言って「なんじゃそれ?」ですよ。更にそのような記事には「獣医師監修」と。元々水を飲まない習性なのであれば水を飲まなくても便秘にはならないのでは?と思いますけど。逆に「元々水を沢山飲む習性なのに、家にいる猫は水をあまり飲まないので便秘になりやすい。」と言うのならまだ分からなくはありませんが。「獣医師監修」って言葉も「当社比」や「当社調べ」レベルで信用にならない言葉ですけどね。ちゃんとした獣医師ならこんな事は言わないでしょうね。また、先日のコラム「これは獣医さんに言われてもやっちゃだめ!」でも書きましたが、水は無理に飲ます必要はありません。飲まないのは「足りている」から。必要があれば自ら飲みますので。




便秘の解消にはグレインフリーフードが良いって本当?
これも良く見かけますが、正直関係ありません。逆にたんぱく質含有量が高すぎるグレインフリーフードは便秘を悪化してしまう可能性があります。原因は腸内環境の悪化です。猫は確かに肉食動物ですが、肉食動物は「お肉も食べる」動物の事です。「お肉だけを食べる動物」ではありません。お肉を食べ過ぎる事により、腸内の悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化し、便通が悪くなる傾向があります。お肉以外にもバランス良く、炭水化物や繊維質も摂取しないといけません。とは言っても、余程の栄養の偏りがあるグレインフリーフードで無ければ問題ありません。便秘の原因は、どのようなフードを与えているかでは無く、実は別の原因が大きく影響しているのです。




腸が活発になる時間を作ってください!
食べた物はまず胃で消化されます。そしてそれを十二指腸へ送り出して、その後小腸を通過して大腸に到着して便となります。大腸では便の水分を吸収(調節)しますので、大腸での滞在時間が短い便は水分の多い軟便に、滞在期間の長い便は硬くて出にくい便になります。便秘ですね。この硬くて出にくい便を作り出してしまう、長時間の滞在原因が胃の酷使です。すなわち便秘の原因は胃の酷使と言えると思います。胃が空になった時ほど腸は活発に働くと言われています。ご飯(フード)や間食(おやつ)をダラダラ食べていると、いつまでたっても胃は空にならず、腸の働きは静かなままです。そうすると、大腸に滞在している便は必要以上に水分を搾り取られ、硬くて出にくい便になってしまいます。人間も同じで意外とダラダラと食べ過ぎてしまうと便は出にくく、半日~1日程度断食をすると便が出やすくなると言われています。便秘でお悩みの猫の場合も、食生活をお聞きすると、大半が「置きエサによるダラダラ食い」や「一日数回のおやつ」、「朝方の空腹嘔吐を防ぐ為の寝る前の夜食」などが。結石や膀胱炎の予防としても当店では1日2食を推奨していますが、実は便秘解消にも1日2食が大切になるのです。食生活は規則正しくお願いします。


みんな最初はドライフードが大好きなんです!
「うちの子はドライフードが嫌いで食べません。。。」と言う方。考え方を変えましょう。本当はドライフードが嫌いな子なんていないんです。美味しいご馳走なんです。だってみんな生後1ヶ月ほどで親のお乳から離れて離乳食を食べだします。そして無事に離乳が出来ればドライフードをふやかして食べるのです。そう、無我夢中で。みんな凄い勢いで食べます。ペットショップでの生体販売には反対ですが、一度ペットショップの子犬や子猫のご飯の時間を見に行ってみてください。ショップ店員さんがご飯の用意を始めるとみんな一斉に鳴きだします。今までガラス越しのお客様の方を見ていた子達が全員お客様にお尻を向けます。そしてお皿が目の前に来ると数秒で完食します。ペットショップ出身のあなたの愛犬や愛猫もペットショップに居てる時はドライフードが大好きだったのです。




我が子がおうちに来た頃の事を思い出して!
ショップやブリーダーさんのところからおうちにやってくるのは生後2ヶ月位でしょうか。その頃は、ほぼ全ての飼い主様がショップ店員さんやブリーダーさんに言われた事をしっかりと守り、ご飯はドライフードをふやかして、粉ミルクやサプリメントなどを加えて与えます。留守番や寝る時は指示されたようにケージに入れて、人間の食べる物は与えず、健康に育って欲しいと願って毎日過ごします。しかし、いつの頃からか、ケージは物入れになったり撤去したり、人間の食事の際につまみ食いをさせたり、ご飯は食べないからと言ってお肉や野菜をトッピングするようになったり。またまた、テレビのコマーシャルやバラエティ番組を真似しておやつを与えたりするように。思い出しましょうよ。ケージを使わないといけないとは思いませんし、おやつを与えてはいけないとも言いません。ただ、食事はあの頃のように「規則正しく」が今でも大切です。




あの頃はドライフードが一番のご馳走だったはず!
あんなに好きだったドライフードを何故食べなくなったのでしょう。思い当たる節はございませんか?原因はあなたですよ。犬や猫の好みが変わったのではありません。皆さんが良く使われる言葉の「飽きた」のでもありません。答えはひとつ、あげ過ぎなんです。ドライフードよりも美味しい物を。肉や魚、ヨーグルトやパン、焼き芋や果物、そして犬猫用のおやつ。全部ドライフードよりも美味しいんです。そんな物を与えてしまうとドライフードを食べなくなって当然です。自分のご飯の時間に出てくるドライフードよりも、他の時間に出てくる食べ物の方が美味しいんですから。でも、そんな食生活を長く続けていると・・・。




結局はドライフードに戻るんです!
今、このコラムを読んでいただいている方の中にも、「そうそう。うちもそうだった」「あの時にちゃんとしてあげていたら。。。」とお思いの方もおられるでしょう。食生活の乱れによる弊害は、早ければ2歳頃から、遅くても10歳前後には出てきます。代表的なのが、尿路結石や膀胱炎、腎不全や肝臓疾患、急性膵炎など。どの疾患も治療には食事療法が必要になります。薬だけでは治りませんし、すぐに再発します。その食事療法には主にドライフードを使用します。ウエットフードを使用する場合もございますが、今までのような食べ物を口にする事は出来なくなります。決してドライフードが「最高の食事」と言うわけではありませんが、「必要な食事」である事は間違いありません。「不要な食事」ばかりを与えて、「必要な食事」をおろそかにしていると後悔をする事になりますよ。ご注意ください。