2020年12月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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心臓病とはどんな病気?
10歳を超えた小型犬に非常に多い心臓病。心臓病と言っても色々な種類がございますが、最も多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」です。読み方は「そうぼうべんへいさふぜんしょう」と読み、複数ある心臓弁膜症のひとつです。具体的には、心臓の左心房と左心室の間にある弁が上手く動かなくなってしまう病気です。その結果、血液の一部が左心室から左心房へ逆流してしまい、様々な症状を引き起こしてしまいます。尚、僧帽弁閉鎖不全症の原因は加齢です。誰にでも起こり得る事です。治療をして治る病気ではございませんが、正しい投薬と正しい食事で進行を遅らす事が大切です。




心臓病にとって正しい食事とは?
心臓病にとって最も重要なのが「肥満にならない」です。太れば太るほど血管は伸びます。血管が伸びれば伸びるほど心臓の仕事量は増えます。ですので、「太らない」事が大切なのですが、心臓病の食事療法をインターネットで調べてみると、「太る事が大切です」的な表現を良く見かけますが、これって本当でしょうか?これを鵜呑みにして、ぶくぶく太らせてしまうと心臓病は必ず悪化します。それでは何故「太る事が大切です」と言う表現を使っているのかを説明致します。




初期の心臓病は肥満に注意を!
心臓病を悪化させない為には、その時の病状に見合った正しい投薬がとても大切です。そして心臓の働きを維持する為にもしっかりと栄養を摂取しないといけません。あくまでも個人的な見解ですが、初期の心臓病には、ある程度しっかりとタンパク質を摂取すべきだと思います。ドライフードで言うと、たんぱく質含有量が18%~22%程度含まれている物をお選びください。そして、脂肪分含有量は6%~10%程度の低脂肪のフードをご利用いただき、肥満にならないように注意をしてください。とにかくこの時期はしっかりと栄養を摂取しながら、無駄に太らせない事に注意をしてください。




ある時期から痩せさせない食事を!
正しい投薬と正しい食事を続けていても残念ながら心臓病は進行します。そうすると薬の種類が増えて、利尿剤を使用するようになりますが、そうなると腎臓へ負担が掛かり、今までの食事では体重が維持出来にくくなります。これがこの時に多く見られる心臓病と腎臓病の併発です。腎臓に負担が掛かり出すと、今までのフードでは体重維持が難しくなりますので、脂肪分の摂取を増やし、腎臓への負担を軽減する為に、たんぱく質の摂取を制限する必要があります。これが、心臓病の食生活で「太る事が大切です」と言われる原因です。ですので、心臓病の初期では「太る事が大切」なわけではありません。心臓病の初期では「太らせない事」が大切で、心臓病が進行し腎臓病を併発した時には「体重を維持する事(太る事)」を大切にお考えください。


そもそも食物不耐症って何の事?
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、食物不耐症(しょくもつふたいしょう)と読みます。食物不耐症とは体内に摂り入れた食べ物を完全に消化出来ない事を言います。代表的なのが乳糖不耐症です。簡単に言うと、「牛乳を飲むと下痢をする事」です。乳糖不耐症の方は、牛乳に含まれる「乳糖(ラクトース)」を消化分解する「ラクターゼ」という消化酵素が不足しており、牛乳を飲みと乳糖を分解出来ない為に下痢を起こします。ちなみに犬猫の殆どが乳糖不耐症です。ですので犬猫に牛乳を与えるのはおすすめ出来ません。犬猫用として良く見かけるヤギミルクは、牛乳よりも「乳糖(ラクトース)」が小さい為、乳糖分解酵素である「ラクターゼ」が不足していても下痢をしにくいと言われています。




不耐症の中で最も要注意なのがこれ!
最近は人間にも非常に多くなっていますが、食物不耐症の中で最も気を付けないといけないのがグルテン不耐症です。小麦や大麦に含まれるグルテンを消化分解出来ずに起こるアレルギーに似た症状です。乳糖不耐症と同じく、殆どの犬猫がグルテン不耐症です。また、乳糖不耐症は下痢や軟便などお腹に影響が出る事が多いですが、グルテン不耐症はお腹よりも皮膚に症状が出るケースが多いです。ですので、愛犬・愛猫が皮膚疾患でお悩みの際は、まずは小麦を排除した食生活をお心掛けください。犬猫用の製品であっても、結構な確率で小麦が使用されています。皮膚疾患でお悩みの際は、フードやおやつをご購入なされる際に、しっかりと原材料チェックをお願いします。慢性的な外耳炎の原因としてもグルテン不耐症がとても多いです。




不耐症とアレルギーは別物です!
上のふたつでご紹介した、乳糖不耐症とグルテン不耐症ですが、原因となる代表的な食材は牛乳と小麦です。ですが、不耐症はアレルギーではありませんので、アレルギー検査をしても牛乳と小麦に陽性反応が出るわけではありません。また、そもそも食物アレルギーがある犬猫は実は殆どいません。人間でも食物アレルギーの何十倍も食物不耐症の有病率が高いと言われています。ですので、今までお悩みの症状の原因が食物アレルギーと思っていた場合も、実の原因は食物不耐症である可能性が非常に高いです。事実、アレルギー検査で陽性反応が出た食材を摂取してもアレルギー症状が出ない事が多いです。




アレルギーでは無く不耐症を疑え!
慢性的な痒みや皮膚の赤み、下痢軟便、外耳炎などの症状でお悩みの場合は、まずはアレルギーでは無く不耐症を疑ってください。実際のところ、殆どが不耐症が原因となっています。まずは、乳製品と小麦製品の摂取を控え、体内に摂り入れた食べ物を完全に消化出来るように、消化分解に必要な消化酵素の摂取をお願いします。消化酵素は下記のような製品から摂取が可能です。

スパイラルエンザイム生酵素
C&R ベジタブルエンザイム

もしくは、食事を加熱済みのドライフードやウエットフードでは無く、非加熱の冷凍フードやフリーズドライフードにお切り替えください。非加熱のフードには食材本来が持つ消化酵素(食物酵素)が含まれますので、体内に摂り入れた食べ物の消化が安易になります。結果、食物不耐症の症状を抑える事が出来ます。極端な話しですが、犬猫用の食事(ペットフード)を止めて、生の新鮮な牛肉ばかりを毎日毎食与えると、大半の皮膚疾患は治まります。アレルギー検査で牛肉に陽性反応が出ていてもです。それだけ、皮膚疾患の原因はアレルギーでは無く食物不耐症であるケースが多いと言う事です。但し、牛肉だけの食事だと栄養が偏りまくりですので絶対にしないでくださいね。例えばの話しですのでご注意ください。