2021年3月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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シュウ酸カルシウム結石とは?
まずシュウ酸カルシウム結石について。犬猫ではストルバイト結石に次いで2番目に多い結石かと思います。人間では一番多く見られる結石です。ストルバイト結石が尿のアルカリ化が原因で発症する結石に対し、このシュウ酸カルシウム結石は尿の酸性化が原因と言われる事もありますが、ここ数年の経験からあまり関係が無いと感じています。ですので、ストルバイト結石の予防法は、いかに尿のアルカリ化を防ぐかがポイントとなりますが、シュウ酸カルシウム結石の予防法は、必ずしも尿のpHの調節では無いと考えています。但し、ストルバイト結石同様にシュウ酸カルシウム結石も食生活が原因となるケースが多いので日頃からの規則正しい食生活がとても大切になります。




まずは人間のシュウ酸カルシウム結石予防法!
シュウ酸カルシウム結石は名前の通り、シュウ酸とカルシウムが結合しあって生成される結石です。ですので、シュウ酸とカルシウムの両方の摂取を制限すれば良いと勘違いをなされる方も多いのですが、実は摂取制限が必要なのはシュウ酸だけで、カルシウムは適度に摂取をしないといけません。これは、シュウ酸とカルシウムが結合して結石になるのは腎臓に届けられた後で、その前の腸にある段階でシュウ酸とカルシウムが結合する事によって、シュウ酸が腸から吸収されずに便として体外に排出されるからです。逆にカルシウムの摂取が少ないとシュウ酸が腸から吸収されて、尿中カルシウムと結合してシュウ酸カルシウム結石となります。例えば、シュウ酸を多く含む食品の代表格である、ほうれん草やたけのこは、しっかりと茹でて灰汁(あく)を抜く事でシュウ酸が減り、更にカルシウムを多く含む小魚や鰹節と一緒に食べる事で腸からのシュウ酸の吸収を減らす事が出来ます。また、コーヒーや紅茶などのシュウ酸を多く含む飲み物の場合は、カルシウムを多く含む牛乳を混ぜる事でシュウ酸の吸収を減らす事が出来ます。このように人間の場合は、シュウ酸の摂取を制限するのも大切ですが、シュウ酸の吸収を減らす目的でカルシウムをしっかりと摂取する事も大切な予防法となります。




それなら犬猫のシュウ酸カルシウム結石予防法は?
次に肝心な犬猫のシュウ酸カルシウム結石の予防法ですが、犬猫の場合はシュウ酸を多く摂取する機会は少ないので、シュウ酸の摂取を制限する事よりも、尿中カルシウムを増やさない事の方が大切と考えています。もちろんシュウ酸を多く含む食材で、犬猫(特に犬)に与える方が多い、キャベツやブロッコリーなどの葉野菜の与え過ぎには注意が必要です。また、さつまいもや大根などの根菜の皮部分にもシュウ酸が多く含まれますのでご注意ください。そしてポイントとなる尿中カルシウムが増えてしまう原因としては、糖分や塩分の摂取過多です。人間の食事はもちろんですが、犬猫用のおやつでも砂糖や塩が使われている物がありますので与え過ぎには注意が必要です。また、動物性たんぱく質の摂取過多も尿中カルシウムが増加すると言われています。更に、動物性脂肪を多く摂取すると、腸で脂肪とカルシウムが結合してしまい、腸内でシュウ酸と結合出来るカルシウムが無くなり、シュウ酸が便として体外に排出されずに腸から吸収されてしまいますので、動物性脂肪の摂り過ぎにも注意が必要です。




まずはストルバイト結石と同様に規則正しい食生活を!
シュウ酸カルシウム結石の予防法としては、やはりストルバイト結石同様に朝晩2回の食事で間食を与え過ぎない事が大切です。但し、食生活が原因で無くても、体質や腎機能、ホルモンなどの影響で尿中のカルシウム濃度が高くなる事があります。この場合もシュウ酸カルシウム結石が出来やすくなりますので、ストルバイト結石とは違い、シュウ酸カルシウム結石は必ずしも食生活の改善で予防が出来る訳ではありませんが、お悩みの際はお気軽にご相談ください。


そんな日もありますよ!
突然ですが皆様体調はいかがでしょうか?「今日はとても調子が良い!」「最近ちょっと疲れ気味で」「今日はちょっと食欲が無くて」などなど、色んなお声があると思います。また、特に思い当たる節は無いけれど「お腹を壊している」「食欲が無い」「ちょっとお腹が痛い」なんて事もありますよね。これって別に人間だけではありません。犬猫だって同じです。当然です。ロボットでは無いのですから。日によって体調が違って当然です。もちろん1年中365日、健康で体調が良好なのに越した事はありませんがね。なかなかそう上手くはいかないです。




お腹を壊している時にはどうすれば良いの?
昨日まで綺麗な便をしていたのに急に軟便に。。。って事ありますよね。便が緩いと言う事は多少なりともお腹に痛みや違和感があるはずです。もしかすると食欲も無くなっているかも知れません。そのような時には無理に食べさせる事はせず、いつもの食事をいつもの半分程度の量をお与えください。その時に食べたがらなければ無理に食べさせてはいけません。一食や二食、食べなくても大丈夫です。食欲が落ちているところに、日頃食べないようなご馳走を与えたり、これだったら食べると言う事で嗜好性の高いおやつやトッピングを多い目に与えたりしては余計に軟便は治まらなくなります。また、そのような行為は、軟便が治まった後の食生活の乱れにも影響を及ぼす可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。




嘔吐を繰り返している時にはどうすれば良いの?
一言で嘔吐と言っても色々な嘔吐があります。嘔吐の種類によっては対処法が異なりますが、一番多いご相談が朝方に空腹で吐く嘔吐です。この場合は食事回数を増やしたり、寝る前の夜食を与えたりはせずに、食べた物をしっかりと栄養に変える事が出来るように消化酵素を摂取させましょう。そうすれば食事の回数を増やしたり、夜食を与えたりしなくても空腹時の嘔吐は治まります。また、食後しばらくしてから吐く嘔吐は殆どが食べ過ぎです。ドライフードの形が残った状態の嘔吐や、少しふやけたドライフードの粒を吐く嘔吐の場合は、食べさせる回数や量を減らしてください。もちろんおやつの量や回数も見直す必要があるでしょう。もうひとつの嘔吐が原因不明の嘔吐です。数時間以内に複数回の嘔吐が見られ、食べた物を吐いたり、水のような物を吐いたりを繰り返します。病気による嘔吐である可能性も無視は出来ませんが、異物の誤飲や硬いおやつなどの消化不良による可能性が高いです。異物を飲み込んだ確信があるのであればすぐに動物病院へ。骨やアキレスなどの硬いおやつを与えた後や、草を食べた後や毛を吐いている場合であれば次の食事は抜いて様子を見ても良いでしょう。それでも治まらない場合は動物病院で診察をお願いします。




病気の早期発見・早期治療も大切ですが。。。
食欲不振や軟便、嘔吐などの症状から、重大な病気の早期発見・早期治療はもちろん非常に大切ですが、慌て過ぎない事も必要です。急に便が緩くなったり、嘔吐が続くからと言って、「フードが合わないのかな?」「アレルギーかな?」などと慌てて違うフードを試したり、食欲が無いからと色々なフードを与えてみたり、お肉やおやつを与えてみたりなど。そんな日もありますよ。人間もお腹を壊す日もあれば食欲が無い日もあります。胃がムカつく日もあります。まずは落ち着いて胃腸を休ませてあげましょう。半日~1日程度の絶食でリフレッシュする事も時には必要かも知れませんね。