2021年11月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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水を飲む量が少ないから結石になるの?
ストルバイトなどの尿路結石になった際に獣医師から「水を沢山飲ませるようにしてください!」と言われる事が多いかと思います。また、多くの飼い主様も尿路結石の原因や解消には水を沢山飲んで尿量を増やす事が重要と考えていると思います。確かに間違いではありませんが、重要なのは「水分摂取不足が原因で結石(ストルバイト)になる訳では無い!」と言う事です。逆に言うと、水分を沢山摂取したからと言って結石(ストルバイト)を予防出来る訳ではありません。但し、「あまりお水を飲まない子は結石(ストルバイト)になりやすい!」「お水を沢山飲む子は結石(ストルバイト)になりにくい!」と言う2点は正しいです。それってどういう事???って感じになってきましたね。




水を飲まない子の共通点とは?
殆どのご家庭では愛犬愛猫の為に、お水を入れたお皿を家のどこかに置いていると思います。もちろん体の大きさによって飲む量は異なりますが、殆ど飲まない子も少なくはありません。特に小型犬や猫に多いですね。そのような殆どのお水を飲まない子には幾つかの共通点がありますので下記に書き出してみます。

●ドライフードをふやかして与えている。
●ドライフードは少ない目でウエットフードや手作り食を加えている。
●ドライフードとは別のお皿でウエットフードを与えている。
●薬を飲ませる為にウエットフードやヨーグルトなどを与えている。
●お水の摂取量を増やしたいのでスープやミルクを与えている。
●ペースト状のおやつを与えている。

以上6個のどれか1個でも当てはまる場合は、お皿からお水を殆ど飲まなくても不思議ではありません。お水のお皿以外から水分を摂取しているのですから。

但し、以上6点全てが悪いわけではありません。ドライフードをふやかしていたり、ウエットフードを使用したりして、自然と水分摂取量を増やしてあげる事は決して間違いではありません。ですが、水分を沢山摂取させたいが為に間違った事をしてしまうと、水分を沢山摂取しているのにも関わらず、結石(ストルバイト)になってしまいます。




結石になりやすい間違った水分摂取の方法とは?
間違った水分摂取の方法で最も多いのが、誤ったウエットフードの与え方です。その誤った与え方とは、ウエットフードをドライフードとは別のお皿や、別のタイミングで与えてしまう事です。もっと具体的には、ご飯の時間にドライフードが入ったお皿と、ウエットフードが入ったお皿の2つを用意して、ウエットフードが入ったお皿を先に差し出し、ウエットフードを食べ終わってからドライフードのお皿を差し出す方法。また、2つのお皿を同時に差し出す方法。どちらの方法でもウエットフードは完食してもドライフードを残し気味になる事が多いです。そのような時でも、残したドライフードをすぐに下げてしまえば問題は無いのですが、給与量に満たしていないからと言って心配になり、いつまでもお皿を置きっぱなしにすると、時間を掛けてダラダラと食べる事によって尿がアルカリ化し、結石(ストルバイト)になってしまいます。また、投薬の為にヨーグルトなどの嗜好品を使用したり、水を飲ませたいが為に味のついたスープを与えたり、喜ぶからと言ってペースト状のおやつを与えたりすると、ドライフードの食いつきが悪くなり、ドライフードを置きっぱなしになりがちです。




お皿から沢山のお水を飲ませる方法はこれだ!
以上のような余計な事をしなくてもお水をしっかりと飲んでくれる方法があります。それは「お腹を空かせる事」です。当コラムの初めに私はこう言いました。

「あまりお水を飲まない子は結石(ストルバイト)になりやすい!」「お水を沢山飲む子は結石(ストルバイト)になりにくい!」と言う2点は正しいです。

この意味は、犬や猫は空腹を紛らわす為にお水を飲むからです。誤った方法で水分を摂取させて食生活が乱れると、ドライフードの食いつきが悪くなり、置きエサになってダラダラと食べる事により、空腹を感じなくなります。お腹が空けば置きっぱなしのドライフードを食べれば済むからです。その結果、水分はお水のお皿以外から摂取していますし、空腹になる時間も殆ど無いので、空腹を紛らわす為にお水を飲む必要もありません。これが「あまり水を飲まない子は結石(ストルバイト)になりやすい!」の理由です。水を飲まないから結石になりやすいのでは無く、お皿から水を飲まないような食生活をさせているから結石になりやすいのです。逆に朝晩の食事をしっかりと食べさせて、日中や夜中は何も与えなければ当然のようにお腹が空きます。その空腹を紛らわす為に沢山のお水を飲みます。これが「お水を沢山飲む子は結石(ストルバイト)になりにくい!」の理由です。日中や夜中はしっかりと空腹時間を維持して尿のアルカリ化を防ぎましょう!


獣医さんも困る食べない本当の理由とは?
犬や猫と生活していると、「フードを食べない」「食欲が無い」「好きなおやつも食べたがらない」などの経験はどなたにもあると思います。犬や猫だけでは無く、人間でも食欲が無い時もあれば、あまり食が進まない時もあると思います。但し、何の原因も無いのに食べる意欲を失ったりはしませんよね。食欲が失われる原因が必ず何かあるはずです。例えば、何か病気が隠れていたり、大きなストレスが掛かっていたり、関節や骨に痛みが生じていたりなどなど。でもその原因が何なのかを解明するのは獣医師であっても容易ではありません。沢山の検査をしても食欲不振の原因が見つからない事も珍しくはありません。そもそも、本当に食欲が無くて食べないのか、食欲はあるけれどわがままで食べないのかは、家の様子を見ていない獣医師には判断が出来ません。




まずは飼い主だからこそ分かる健康チェック!
一言で食欲が無いと言っても様々なケースが考えられます。「元気はあるけどフードは食べない」「お皿の中身を確認しにくるけど食べない」「フードは食べないし元気も無い」「お皿を差し出しても匂いにも来ない」など、食欲以外の健康状態もしっかりと把握する必要があります。これは常に一緒に生活をしている飼い主様にしか判断が出来ない事です。動物病院の診察台の上では殆どの子が緊張をして元気が無いように見えますからね。最もリラックスが出来る環境である家の中での様子が非常に大切になってきます。まずは、「体調が悪くて食べない」のか「わがままや好き嫌いで食べない」のかを見極めてください。飼い主様なら分かるはずです。その上で、今すぐに動物病院での診察や処置が必要なのかどうかをご判断ください。




食べないからと無理矢理食べさせてはいけません!
飼い主様の判断で、「元気があるけれど、わがままや好き嫌いで食べない」と判断した際は、まずは間食を一切与えずに、朝晩2回の食事のみを差し出し、食べなくてもお皿を5分程度で下げてください。そして次の食事までは催促をしに来ても絶対に何も与えずに朝晩2回の食事を徹底してください。また、その際の朝晩2回の食事の内容は必ず同じにしてください。そうする事により、「あなたの食事はこれしかない!」と思わせる事が出来ます。その結果、2日目、3日目位から徐々に食べる量が増えていきます。簡単なようで、これが出来ない飼い主様が多いです。甘やかしは可愛がりではありません。体調が悪く無いと判断した際には是非この方法を徹底してください。但し、問題は「体調が悪くて食べない」時です。体調が悪くて食べない時は、お皿を差し出しても匂いにも来ず、元気も無いと思います。そのような時は、慌てて病院に行くよりも、まずは安静にしてください。一食を食べないからと言って、大好きなおやつを与えたり、味の濃い食べ物やお肉のかたまりなどを与えて、無理に食べさすような事はしてはいけません。半日や一日で低血糖や栄養失調にはなりません。食欲が無い時に無理に食べさせるのはやめましょう。




様子を見るのは2日目まで。特に猫には注意が必要!
前日までしっかりと食べていたのに、急に体調不良で食べなくなる時がありますが、そのような時でも次の日には何事もなかったかのように食べてくれる事があります。特にお腹が痛い時やお腹を壊している時は、丸一日絶食する事で回復する事があります。ですが、次の日も全く食欲が無い場合には注意が必要です。元気があってわがままで2日目も食べないのは問題ありませんが、体調不良で2日目も食欲が無いとなると早急に動物病院にて診察をお願いします。特に肥満気味の猫の場合は食べない日が続くと余計に食べられなくなります。太っていて蓄えがあるから大丈夫ではと思う方もおられるかと思いますが、肥満気味の猫の場合、食べない日が続くと肝機能が低下して、肝リピドーシスと言うとても怖い病気になってしまいます。いつも言いますが、太っていて得する事など何ひとつありません。また、食べ過ぎていないのに太る事はありません。去勢手術や避妊手術をしている子でも食べ過ぎていなければ太りません。パッケージに記載の給与量やカロリーを鵜呑みにせずに、愛犬愛猫にとって適切な食事量を見極めるのも飼い主様の大切な役目です。給与量にご不安の方はお気軽にご相談ください。