2022年7月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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犬や猫にⅠ型アレルギーはほぼ皆無!
アレルギーと言っても症状や原因は様々です。また、アレルギーには複数の種類があります。例えば、人間に多く見られてアレルギーの代表格とも言える花粉症。この花粉症はⅠ型アレルギーに分類され、アレルギーの原因物質である花粉(アレルゲン)が体内に入った直後に症状を発症するタイプのアレルギーで即時型アレルギーとも呼ばれます。花粉症と同じ即時型のⅠ型アレルギーの重症化がアナフィラキシーショックであり、蕎麦粉アレルギーやピーナッツアレルギーなどがあります。この即時型のⅠ型アレルギーの原因物質を調べる検査がIgE抗体検査となり、動物病院で行われる、いわゆる「アレルギー検査」です。残念ながら犬や猫には即時型のⅠ型アレルギーはほぼありません。ですので、IgE抗体を調べるアレルギー検査の結果はほぼ無意味となってしまいます。ちなみに犬や猫がⅠ型アレルギーを発症するとすれば、ワクチンアレルギーくらいではないでしょうか。ワクチン接種の必要性の有無も考える必要があるかも知れませんね。




食べ物によるアレルギーを疑うならⅣ型アレルギー!
犬や猫には即時型のⅠ型アレルギーはほぼ無いと言いましたが、あるとすればⅣ型アレルギーになります。このⅣ型アレルギーは遅延型アレルギーと言われ、原因物質であるアレルゲンを体内に取り込んでから、半日や数日経って反応が起こる事が多いです。このⅣ型アレルギーの原因物質を調べる検査がリンパ球反応検査(犬のみに使用)と言います。IgE抗体検査をするよりはリンパ球反応検査をする方が良いと思います。ですが、リンパ球反応検査をしたところで答えは見つかりません。何故なら、検査結果は答えでは無く参考資料だからです。検査結果で陽性反応を示しているからと言って、必ずその物質がアレルゲンとは限りません。その為、実際は食する事が出来る物質(食材)までもを除去してしまい、食事の選択肢を失ってしまうケースもあります。また、即時型のⅠ型アレルギーよりは発症率は高いと思いますが、それでも犬猫にとってはⅣ型アレルギーも非常に稀なケースです。




陽性反応があってもアレルギー症状とは限らない!
皮膚に痒みや発疹がある時に、アレルギー検査(IgE抗体検査やリンパ球反応検査)をし、その結果いくつかの陽性反応が出たとしても、陽性反応が出た物質(食材)と発症している症状の原因が一致しているとは限りません。逆に、何の症状も出ていない時にアレルギー検査をすると、複数の陽性反応が出ます。また、その陽性反応が出た物質(食材)を摂取している事も珍しくはありません。結局は、検査結果はあくまでも参考資料で、正しいアレルゲンを調べるには実際に食べてみて反応を確認するしか方法はありません。また、先にも述べました通り、犬猫にとって食物アレルギーは非常に稀なケースです。皮膚に痒みや発疹などの症状があるからと言って、それが食物アレルギーによる症状とは限りません。これはとても重要な考え方です。




アレルギーに似ている食物不耐症!
誰もが食中毒は食物アレルギーでは無いと認識していると思います。でも食中毒で蕁麻疹の症状が見られる事も珍しくありません。食物アレルギーで無くても皮膚疾患は出るのです。決して、「皮膚疾患=食物アレルギー」とは決め付けないようしましょう。また、犬猫の皮膚疾患の原因として最も多いのが、食物アレルギーと似た症状が出る食物不耐症です。食物不耐症は、遅延型のⅣ型アレルギーと同じように原因物質(食材)を摂取してから半日や数日経って反応が起こる事が多いです。その原因は「食物不耐症は腸で起きている!」からです。本来、口から摂取したたんぱく質は体内でたんぱく質分解酵素によってアミノ酸に分解されて腸に届くのが理想ですが、たんぱく質分解酵素の不足によって、未分解のまま腸に辿り着いたたんぱく質に対して、体が反応しアレルギーと似た症状を引き起こしてしまいます。また、未分解のたんぱく質以外には有害な化学物質や農薬などにも反応する事もあります。更に意外ですが果物に含まれる糖分である果糖に反応する子もいます。ですので、食物不耐症の対策としては、安全な食事(フード)を摂る事と、たんぱく質分解酵素が不足しないように、消化酵素サプリメントを積極的に摂取する事に限ります。症状が気になる場合はアレルギー検査よりも、まずは消化酵素サプリメントをご検討ください!


缶詰(ウエットフード)って必要なの?
個人的には必ずしも猫に缶詰(ウエットフード)を与えなくてはいけないとは思いませんが、出来る事ならドライフードを与える際に少量のウエットフードを加えて与えていただければと思っています。ドライフードよりもウエットフードの方が消化は良いですし、糖質が少ないので、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐ事が出来て、体重増加(肥満)の防止に繋がります。少量しか食べていないのに体重が増えやすい子の場合は、ドライフードを減らしてウエットフードを加えた食事をおすすめ致します。ちなみに、間違いやすいですが、炭水化物=糖質ではありません。炭水化物とは、糖質と食物繊維の総称の事なので、糖質は炭水化物の一部です。また、炭水化物=穀物でもありません。穀物不使用のグレインフリーのフードでも炭水化物は含まれておりますので、もちろん糖質も含まれています。お間違いの無いようにお願いします。尚、ウエットフードを水分補給としてお与えの方もおられますが、ウエットフードを食べる事によって、食事から水分を補給しますので、飲水用のお皿からはあまり水を飲まなくなります。ですので、ウエットフードを与えている場合はお皿からお水を飲まなくても気にし過ぎないようにお願いします。いつも言っていますが、必要な水分は自ら摂取します。水を飲まないのは必要としていないからです。水を飲まないから結石や膀胱炎などの下部尿路疾患になる訳ではありませんので、それを理由としては考えないようにしてください。




そんな事をしてたらいつまでたっても・・・。
ウエットフードを食べない猫の食生活は、ドライフードが置きエサになっている事が多いです。置きエサをしていないつもりでも、差し出したお皿を30分でも放置していれば充分な置きエサです。置きエサをしていないと言うのは、猫がお皿から一度でも離れればお皿を下げる事を言います。一度お皿から離れた後に、再度数分後に戻って来てフードを食べる事が出来れば、それは置きエサです。そのような状態で、ドライフードとは別のお皿にウエットフードを入れて猫の前に差し出し、においだけ嗅いで食べようとしないからと言う事で、「うちの子は缶詰が嫌いなんだわ・・・。」と決めつけるのは間違いです。そのような子に限って、「ち●~るは食べるんですけどね~」なんて事も。実際に先日も「うちの子はカリカリが好きで缶詰は食べないんです。。。でもち●~るは喜んで食べます。」と言うお客様が。それは、ウエットフードを「ち●~るよりも美味しくないおやつだから僕は要らないよ~。」ってなっているだけです。そんな事をしていたらいつまでたってもウエットフードは食べてくれません。また、ドライフードとウエットフードを混ぜると、ウエットフードを食べないどころか、「ウエットフードのスープでふやけたドライフードまでも嫌がって食べません。」と言ったお声もございますが、もしそうであっても我慢をさせれば良いのです。嫌がるからと言って、そのお皿を下げてウエットフードを加えていない、いつも通りのドライフードだけが入ったお皿を差し出してしまうと何も進みません。サプリメントを振りかけた場合でも同じです。嫌がるからと言って直ぐに諦めてはいけません。1食や2食程度食べなくても健康状態には問題はございません。今までと違った食事に慣れさせる為には、猫も飼い主様も多少の我慢は必要です。




毎日・毎食同じメニューを出し続けて!
ウエットフードを食べさせると決めたのであれば、毎食共にウエットフードを加えた食事を出し続けてください。朝はドライフードだけで、晩はドライフードにウエットフードを加えたメニューなんて事はせずに、毎食同じ内容の食事をお願いします。そして、それを食べなければお皿を下げるだけ!お皿を下げてその時の食事は終了!!次の食事までは何も無し!!!決して、甘やかして違うお皿を差し出したり、食べるまでお皿を出しっぱなしにはしないでください。そうすればいつかは慣れます。いや、慣れると言うよりも諦めてくれます。諦めてくれれば何を差し出しても食べてくれる子に育ってくれます。成猫からでも高齢猫からでも遅くはありません!

これを読んでくださっている方の中には、「この人は何でそこまでうるさく言うのだろう?」と思う方もおられると思いますが、好き嫌いを許し、食べたがるフードや食事だけを与えていると、将来必ず困ります。特に猫は高齢期に食事療法を必要とする事が多いです。と言うか殆どの子が食事療法を必要とする時が来ます。食事療法で使用するフードは決して美味しいご飯ではありません。ですので、食事療法を必要としない時から、「好きな食事しか食べない子」では無くて、「出された食事は何でも食べる子」に育ててあげていれば、食事療法で苦労する事もありません。遅くはありません!今日からでも徹底してみましょう!サンプルをあれこれ試して、食べるフードを探していても何も解決しませんよ。食べる食事を用意するのではいけません!用意した食事を食べさせるのです!!宜しくお願い致します!!!