2023年11月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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初めの頃を思い出してください。
子犬や子猫の頃から愛犬・愛猫と暮らし始めたと言う方は少なくは無いと思います。ペットショップで購入したり、保護団体から里子として迎え入れたり、知り合いの家で産まれた子を譲り受けたりと、経緯は様々であったとしても、家に迎え入れた当初の頃を思い出していただきたいです。その子が初めて飼ったペットであれば尚更です。当然、初めは誰でも初心者ですので、何をどのようにすれば良いか全く分からない状況だったと思います。誰かに聞いた食事の与え方や食事の内容をそのまま実践しておられたと思います。「こんな感じで良いのかな?」「これで大丈夫なのかな?」などと不安と向き合いながら接しておられたと思います。お皿に入れたフードを完食してくれれば、嬉しかったり安心したり、逆に少し残すと不安になったり。それが数ヶ月や数年経つと、当然の事ではありますが、「慣れてくる」のですよね。良い意味でも悪い意味でも。




最初は強い意志を持っていたとしても・・・。
初めて犬や猫と暮らす方でも「人間の食べる物を与えてはいけない!」と言う事はご存知だと思います。そして、実際に犬や猫と暮らし始めた当初は、「この子の健康の為にも人間の食べる物は絶対に与えない!」と強い意志をお持ちになられていたと思います。しかし、ご自身の食事中にテーブルの横で物欲しそうな目で見てくる愛犬や愛猫の姿に負けて、最初は「1回だけ!」「一口だけ!」のつもりでつい。また、ペット用のおやつに関しても当初は、「少しだけなら」と言うお気持ちで与え始めるのですが、催促に負けてついつい。そう、感覚は麻痺してくるのです。「1回だけ!」「一口だけ!」「少しだけなら」のつもりでも、絶対に量や回数は増えてしまうのです。ですが、「少しだけだから大丈夫でしょ!」と、自分に言い聞かせ、愛犬や愛猫の催促に負けて量や回数が徐々に増えて行ってしまうのです。




最終的には都合の良い解釈で・・・。
こうなってくると当然のように食事を残すようになってきます。今までは朝晩の食事を無我夢中で食べていたのに、徐々に食べる勢いがなくなって来て、完食をせずに残すようになってきます。このような時でも、既に感覚が麻痺しているので、「フードが飽きて来たのかな?」「フードの粒の色や形、香りがいつと少し違うからかな?」「成長期が過ぎて食べっぷりが落ち着いて来たのかな?」「口が大きくなって来たので小粒が食べ辛いのかな?」「暑くなって来たから夏バテかな?」などなどと、ご自身の過ちは棚に上げて、都合の良い解釈をしてしまいがちです。そうなると結果的には「置きエサ」をするようになります。いつも言っていますが、置きエサはストルバイトなどの尿路結石、膀胱炎の原因となります。この置きエサに関しても、「置きエサはしていません。完食していなくてもお皿は1時間程度で下げてしまいます。」のような事を言う方がおられますが、1時間もお皿を出しっぱなしにしていれば充分に置きエサです。また、「おやつは与えておらず食事は朝晩の2回です。寝る前にミルクを飲ませるだけです。」と言うケースも多いですが、それでは食事が3回になります。フードを与えないから食事では無いと言う解釈は間違っています。栄養を摂取していればそれは食事です。更に、「間食は与えていません!」と言う方の中には、食事を1日に4回も5回も与えている方がおられます。この多くが、食事の食べが悪く、1回の食事では少量しか食べないので、回数を多くしているのですが、食事回数を増やせば増やす程、犬や猫は食べなくなっていきます。いわゆる贅沢病です。1日に何回も食事を貰えるので、好きな食事が出て来るのを待ってしまうのです。「今回は食べなくても、次の時に食べれば良いや。美味しいご飯が出てくれば良いのにな~。」となってしまうのです。食べなくても毎回同じ内容の食事を出し続けると諦めて食べてくれるのですが、このようなケースでは大半が味変をした食事を提供してしまいます。そう、犬や猫は味変をしてくれるのを待つようになってしまうのです。結果、味変の為に、ち●~るをトッピングしたり、ボイルしたお肉をトッピングしたりして、栄養バランスの乱れた食事を与えるようになって、体調を崩してしまいます。当然ですよね。なので、毎日のように繰り返していると感覚が麻痺してきて、正しい解釈をする事が難しくなってきます。まずは、初心に戻って朝晩の食事のみの生活を取り戻すようにお願いします。


特にお悩みの無い子のフードはどうして選べば良いの?
意外とフード選びの難しいケースが、何のお悩みも無い子だったりします。尿路結石や皮膚疾患や腎臓病などのお悩みがある場合は、それらを対応としたフードを選んだり、インターネットで調べたり、ペットショップや動物病院で相談をしたりして、フードを選ぶ事が可能ですが、何のお悩みも無い子の場合は、どのようなフードを選んで良いかが分かりにくく、いざ誰かに相談しても「食い付きが良くて、綺麗な便が出ていれば良いのでは?」って言われたり、「インターネットで調べたら、●●●って言うフードが人気ランキングが1位だったよ!」、「〇〇〇のフードが評価が高かったから使ってみたら?」なんて事になり、結局は「このフードで特に体調に問題が無いので、まぁいいか。」ってなったりしがちです。確かに、現時点で健康状態に問題が無ければ、無理にフードを変える必要は無いと思いますが、間違った情報を鵜呑みにしてしまって、良くないフードを選んでしまっているケースも少なくはありません。また、そのようなフードを与えていても、1歳や2歳程度であれば健康状態に影響しない場合が殆どで、年齢を重ねるにつれて、徐々にダメージが大きくなり、健康状態に問題が生じる事が多いです。




何度も言いますが「お肉たっぷり」は危険です!
フードを選ぶにあたって、インターネット検索を使用すると、殆どのケースが「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。実際に「ドッグフード おすすめ」などのキーワードで検索すると、ドッグフードの比較サイトやランキングサイトが上位に表示されます。サイトの中身は、実際に流通しているドッグフードが何種類も紹介されており、ペットフード安全管理者や犬の栄養管理士、ペットフーディストなどの肩書きを名乗った方々が、ドッグフードの選び方や製品パッケージの見方などを語っておられたりしています。そして、最終的には「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」である製品がイチオシとして紹介されるパターンが目立ちます。これはドッグフードに限らず、キャットフードでも同じです。「キャットフード おすすめ」などのキーワードで検索すれば、ドッグフード同様に「お肉たっぷりで穀物不使用のグレインフリーフード」に辿り着きます。もう何故かはお分かりいただけますよね。消費者庁にはもう少しきちんと規制をしてもらいたいものです。




何もお悩みの無い子はこんなフードを選ぼう!
現時点で、特に健康状態にお悩みが無い子の場合は、下記のような内容のフードをお選びください。

ドッグフードの場合、成犬であればたんぱく質含有量が20~25%程度のフード、穀物は使用していても問題ありません。但し、小麦(グルテン)を使用しているフードは出来る限り避けてください。トウモロコシや米などは避ける必要はありません。穀物に含まれる食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。また、子犬であっても生後3ヶ月を過ぎれば成犬用で大丈夫です。高齢期に差し掛かってくれば、たんぱく質含有量が18~20%程度のフードに切り替えましょう。

キャットフードの場合は、子猫から高齢猫まで皆、たんぱく質含有量が30%程度のフードをお選びください。子猫用や成猫用、高齢猫用などの表示はあまり気にせず、たんぱく質含有量をチェックしてフードをお選びください。マグネシウムなどのミネラルの含有量は気にする必要はありません。尿路結石とは無関係ですので。また、キャットフードの場合も穀物を避ける必要はありません。犬同様に穀物は腸内環境整備に役立ちます。尚、腎機能の低下が見られる際は、たんぱく質を控える必要が出てきますので、たんぱく質含有量を抑えたフードへの切り替えをお願いします。

また、高齢期や腎臓ケアなどの炭水化物(穀物)を多く含むフードを与える際は、出来る限り消化酵素サプリメントを使用してください。犬や猫は炭水化物を消化するのがとても苦手ですが、消化酵素サプリメントを使用する事で、消化が苦手な食材が使用されているフードでも与えやすくなります。消化が苦手だから健康維持に不要な食材とは限りません。決して、綺麗な便が出るから良いフードと言う考え方はお止めください。宜しくお願い致します。