2023年12月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

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食べない原因は他にある!
猫に多い慢性腎不全。多いと言うかほとんどの猫が加齢とともに患います。その猫の慢性腎不全をインターネットで調べると、「多飲多尿」「食欲不振」「嘔吐」などが代表的な症状であると言う事が分かるかと思います。その為、動物病院で「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断された飼い主様は、下記のような内容で当店にお問い合わせをいただく事が多いです。

「先日、健康診断で初期の腎臓病と診断されました。腎臓病対応のフードを与えたいと考えていますが、腎臓病の影響により食欲があまり無く、腎臓病対応のフードを食べてくれません。何か良い方法や、良いフードはありませんか?」

言葉は違えど、同じような内容のご質問を非常に多く頂戴致します。ですが、、、、、




本当に食欲不振なの?
確かに腎不全を患うと食欲が低下して、何も食べる事が出来なくなります。そう!何もです。腎不全による食欲不振を舐めてはいけません。本当に何も食べる事が出来なくなるのです。それ程しんどくなる病気です。そして、そのような状態に陥るのは腎臓病の末期です。「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」では食欲不振にはなりません!例えば、BUN(尿素窒素)の値が60台や80台程度、クレアチニンの数値が2.6や2.8程度であれば、確かに「初期の腎臓病」や「軽度の腎不全」と診断がくだされるかと思いますが、何も食べる事が出来ない程の食欲不振にはならないはずです。ですので、「いつも食べているフードは食べるけれど、腎臓病対応のフードは食べてくれない。」や「数種類の腎臓病対応のフードを試してみたが、食べるのは初めの一口だけだったり、ニオイを嗅ぐだけで一口も食べないフードもあった。」などは、食欲が無いとは言いません。それは腎不全による食欲不振では無く、若い頃から甘やかして育てて来た事によるワガママです。




長生きをしてほしいのであれば厳しくしないと!
腎臓病の治療は何と言っても食事療法です。投薬をして治るような病気ではありません。1日でも長く一緒にいたいのであれば、食事を徹底するしかありません。腎臓病の場合は、「病気だから甘やかして食べたい物を食べさせる」と言ったような事は通用しません。食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせてください。過去のコラム●「愛猫が腎臓病になったので食べるフードを探している方へ!」でも書きましたが、食べるフードを探すのでは無く、探したフードを食べさせるには、ご愛猫に選択肢を与えない事が大切です。沢山のサンプルを取り寄せたり、小さなサイズの製品を買っては諦めるなどのような事はしてはいけません。

尚、「猫は好き嫌いが激しい」や「猫は同じフードを続ける嫌がる」や「猫はちょこちょこ食べしか出来ない」などは誤った情報であり、間違った飼い方(食事の与え方)や甘やかしが原因です。病気になってからでも食生活を見直す事は可能ですが、出来れば若い健康な頃から、規則正しい食生活を実践し、好き嫌いをしない子に育ててあげてくださいね。


甘やかしていると後悔しますよ!
犬でも猫でも同じ事が言えるのですが、甘やかしてしまった結果、食生活が乱れてしまうと、結果的にかわいそうな目にあうのは犬猫達です。甘やかすとは具体的にどのような事なのかと言うと、あくまでもここでは食生活においての甘やかしについてお話をしますが、最も多い甘やかしが、間食の与え過ぎです。間食とはおやつやご褒美の事を言いますが、基本的には与え無くても良い食べ物の事です。人間も同じですが、おやつは食べなくても良い物ですし、ご褒美はおやつを与えたい飼い主側の都合の良い呼び名とも言えると思います。おやつを与え過ぎるのは犬猫にとって良くない事と認識されておられるのですが、ご褒美はおやつに含まれないとお考えの方が多いです。実際に、「おやつは与えないけど、トイレのご褒美は与えています。」なんて方が多いですから。ご褒美であっても、犬猫からするとおやつです。間食を全く与えてはいけないとは思いませんが、朝晩の食事の食いつきに影響が出るほどの量や回数を与えるのは、完全な甘やかしです。結果、おやつは食べるけれどフードは食べないので、「うちの子は好き嫌いが激しい」「うちの子は食が細い」「うちの子は食に興味が無い」などとなるのですが、だいたいそのようなご家庭の犬猫達は太っていますよね・・・。




絶対やってはいけない甘やかしは置きエサです!
もう何度も何度もお伝えをしておりますが、置きエサは絶対にしてはいけません。間食の与え過ぎで朝晩2回の食事の食べが悪くなって置きエサをしているケースや、1日に3回も4回も食事を与えるが故に1回の食事への執着心が薄れて食べ残すようになって置きエサをしているケース、1回の食事の量が多過ぎるのにも関わらず完食をしないからと言って置きエサをしているケース、自動給餌器を使用して食事を与えているので食べ残しを下げる事が出来ずに置きエサになっているケースなどなど、置きエサには様々な原因が考えられますが、置きエサをすると必ず好き嫌いが激しくなります。そして、ガツガツと勢い良く食べる事が無くなりますので、食が細いと勘違いをしてしまい、ついつい甘やかしてしまって、日替わりのようにフードを変えたり、1日に何回も手のひらからフードを与えるようになったりしがちです。結果、空腹時間が短くなり、尿のpHに乱れが生じ、膀胱炎やストルバイト結石などを繰り返し発症するようになります。置きエサをしていると、必ずと言っても良いほど、膀胱炎やストルバイト結石を患います。ですので、何があっても絶対にしてはいけない甘やかしが置きエサになります。




フードの追い足しは禁物!
1日2回の食事を徹底し、食べ残しがあっても置きエサをせずにお皿を下げてしまうようにしていただいていれば、どのようなフードが出て来てもガッツいて必死になって食べるはずですなのですが、何故かフードを選り好みしたり、好き嫌いが激しくなる事があります。このようなケースで多いのが、フードの追い足しです。フードの追い足しとは、例えばAのフードをお皿に入れて差し出すとします。しかし、気に入らないのか匂いを嗅ぐだけで食べなかったり、半分程度を残したりしているので、そこにBのフードを加えたり、Cのフードを別のお皿に入れて差し出したりする事です。このような事をしていると、せっかく1日2回の食事を徹底していただいても、好き嫌いが激しくなりフードの選り好みをするようになってしまいます。ですので、一度差し出したお皿の中身に手を加えてはいけません。フードがお皿に残っているからと、そこにふりかけを追い足しするような事は絶対にしてはいけないのです。また、二つ目のお皿を追加で差し出す事も絶対にしてはいけません。うちの子は好き嫌いが激しいとお思いの方、うちの子は食が細いとお思いの方、このような甘やかしによって、苦しい思いや痛い思いをするのは愛犬や愛猫ですよ。可愛いからこそ、食生活に対しては厳しくしてあげてくださいね。