2024年3月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

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良かれと思っている対処法がストルバイトの原因に・・・。
前回までの流れで、食事の回数が多過ぎたり、置きエサなどでダラダラ食べていたりする事が良くない事だとお分かりいただけたかと思います。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第三章

そして、ある症状の改善や緩和を目的とした誤った対処法によって、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうと言うケースも多くあります。
例えば、朝方や夕方などの空腹時に胃液を吐くので、それを防止する為に寝る前に夜食を与えたり、昼ご飯を与えたりするケース。この場合、胃液の嘔吐を抑える事が出来ても、尿がアルカリ性に傾く時間が増えますので、ストルバイトや膀胱炎発症のリスクが高くなります。動物病院でもこのような誤った食事指導をする事が多いですが、空腹時に胃液を吐くのは消化酵素不足ですので、食事回数を増やすのでは無く、1日2回の食事に消化酵素を加えて与えるようにしてください。

また、一度に沢山食べると吐き戻しをするので、少量ずつ回数を分けて食事を与えているケース。
犬や猫(特に猫)は胃の中に、ある一定の量のフードが溜まってしまうと吐き戻しをします。例えば、1回の食事量が多ければ胃の中のフードが、ある一定の量に達しますので食後に吐き戻しをします。また、食間が短くて胃の中に前回の食事(フード)が残っている状態で新たにフードを食べると胃の中のフードが、ある一定の量に達してしまい吐き戻しをします。
ですので、ごく少量のフードを1日に5回~10回程度に分けて与えると、胃の中のフードの量が、ある一定の量に達しないので吐き戻しはしませんが、空腹時間が確保出来ず尿が酸性に傾くタイミングを作る事が出来ませんので、尿がアルカリ化してストルバイトや膀胱炎を発症する事になります。なので、吐き戻しを防止する為には、しっかりと胃が空っぽになった状態で食事を与え、その際にフードの量を与え過ぎなければ大丈夫です。

そもそも与えているフードの量が多過ぎるケースが目立ちます。これはフードパッケージ記載の量や必要摂取カロリーを気にしての事になるのですが、パッケージに記載されている給与量の目安は無視してください。大半が多過ぎます。記載量の半分以下でも充分に栄養は足ります。「そんなに減らして大丈夫?栄養不足にならないの?」と思われる方がおられますが、痩せ過ぎていなければ栄養不足になんてならないです。また、必要摂取カロリーなども気にする必要はありません。人間も毎日の食事のカロリー計算なんてせずに、体型を意識したりしながら量を調節しますよね。犬や猫もそれで良いのです。痩せ過ぎない量、そして太らない量を食べれば良いのです。

また、ドライフードのみだと食い付きが悪いと言う事を理由に鶏肉や馬肉などの肉類をトッピングしているケース。肉類をトッピングすると言う事はお皿の中身が高たんぱくになる事を意味します。第二章で説明をした通り、たんぱく質の摂取量が多ければ多い程、尿のpHは大きくアルカリ性に傾きます。まずは何故、ドライフードのみだと食い付きが悪いのかをしっかりと考え直してください。おやつやご褒美を与え過ぎたり、食事回数が多過ぎたり、何か原因があるはずです。ドライフードへ肉類をトッピングをして食い付きを良くした結果、しっかりと食べてくれて喜んでいたとしても、その後には膀胱炎やストルバイトの発症が待っています。絶対にお止めください。

あと、水分補給が必要だと思い誤り、鶏スープやヤギミルクなどを食間に与えているケース。水を飲まないのは水分が足りている証拠。必要な水分は本人が一番分かっています。必要であれば飲みますし、必要が無いから飲まないのです。
たんぱく質を含んでいる鶏スープやヤギミルクを飲めば当然に胃酸が分泌され尿がアルカリ化します。ストルバイトや膀胱炎予防の為に、水分補給を目的に鶏スープやヤギミルクを与える方がおられますが、残念ながら逆効果となりますのでご注意ください。第一章でも述べましたが、水を飲む量が少なくてもストルバイトにはなりませんし、水を沢山飲んだとしてもストルバイトの予防にはなりません。

このように、良かれと思って行っている事が尿のアルカリ化の原因となって、ストルバイトや膀胱炎の発症に繋がっているケースが多くあります。ですので、如何なる理由があっても食事(間食も含む)は1日に3回以上与えてはいけません。また、1回の食事は5分程度までとして、食べが悪いからと言って、肉類をトッピングしたり、30分や1時間もお皿を出しっぱなしにしないようにしましょう。
お皿を差し出している時間が長ければ長い程、食べは悪くなるので、どれだけ残していてもお皿は5分程度で下げるようにしてください。また、どれだけ残していようが、12時間後の次の食事までは絶対に何も与えてはいけません。そうすれば徐々に食べるスピードが速くなっていきます。
食べなければお皿を下げられると言う事と、しっかりと食べないと次の食事まで何も貰えずにお腹が空いてしまう事を教えてあげてください。これはとても大切なしつけと共に、ストルバイトや膀胱炎の予防にとって大変重要なポイントとなります。
好き嫌いをするからフードローテーションをしたり、同じ食事内容を続けると飽きるので日替わりでフードを変えていたりする方がおられますが、考え方が逆です。フードローテーションをしたり、日替わりメニューにしたりするので好き嫌いをするのです。少々食べなくても気にせずに、同じフードを毎日毎食(1日に2回、1回5分)出し続ければ好き嫌いはしませんし、飽きたりもしません。
過剰な甘やかしがストルバイトや膀胱炎の原因にもなりますのでご注意ください。

今回のコラムはここまでとなります。次回に続きます。

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ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケース。
前回のコラムの最後に、尿のpHが7.5以上になる事は無く、ストルバイトや膀胱炎の発症を抑える事が出来る流れを軽く説明しましたが、今回はその反対に尿のpHが7.5以上になってしまい、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースについてお話をします。

前回のコラムはこちらからどうぞ。
ストルバイトの原因と予防について。膀胱炎も。 第二章

前回の内容と重複しますが、食事を摂ると胃酸が分泌されて尿がアルカリ性に傾きます。その後、時間が経つにつれて胃が空っぽになると、胃酸の分泌が治まって尿は酸性に戻って行きます。ですが、食事と食事の間が短かったり、おやつやご褒美を頻繁に貰っていたり、置きエサでダラダラと食べていたりすると、胃が空っぽになる時間が無くなって、尿のpHが酸性に戻るタイミングを失ってしまいます。
どう言う事なのか具体的に説明しますと、食事を摂る前の尿のpHが正常の6.0前後だったとします。この時点ではストルバイトや膀胱炎の発症は考えにくいです。ですが、食事を摂った後に、胃酸が分泌されて尿がアルカリ化して、pHが7.0程度まで上昇したとします。その後、何も食べる事が無ければ、胃が空っぽになり尿のpHは食前の6.0前後まで戻るのですが、あまり時間を空けずに次の食事を与えてしまいますと、pHが6.0前後まで戻り切らない内に、新たに胃酸が分泌され始めますので、先程は7.0程度までの上昇で抑えられていたpHが、危険水域の7.5程度まで上昇をしてしまう事になります。更に、次の食事までの時間が短く、7.5程度まで上昇した尿のpHがあまり下がっていない状態で胃酸が分泌されると、それ以上にpHが上昇してストルバイト及び膀胱炎を発症すると言う流れです。
ですので、1日3回以上食事を与えていたり、置きエサをしてダラダラと食べさせていたり、トイレのご褒美などで頻繁に間食を与えていると、尿のpHが酸性に傾く為の空腹時間を作る事が出来ずに、ストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなると言う訳です。
これが第一章で書いた、「ストルバイトを患う頭数は犬より猫の方が多いかと推測が出来ます」と「犬の場合は大型犬よりも小型犬の方が多いと思います」に繋がるのですが、犬よりも猫の方が置きエサによる食生活を行っているケースが多いですし、大型犬よりも小型犬の方が、室内でトイレをする事が多く、トイレで用を足す度にご褒美(間食)を貰っている事が多い事によって、空腹時間が短くなって尿がアルカリ化しやすいのと、人間の感覚で少量と思っている間食の量でも、体の大きさが小さい小型犬にとっては相当な量となって、フードの食べが悪くなり、ダラダラとした食生活になりがちなのが理由となります。また、しつけ教室でのトレーニング時も、ご褒美を貰う回数が多くなりがちなので要注意ですし、お散歩中に食べるおやつも無視は出来ません。

いずれにしても、ストルバイトや膀胱炎を発症させてしまう原因は「飼い方」に問題があると言う事です。獣医師が言いがちな「体質ですね」ではありません。

また、1日の食事回数が多過ぎたり、置きエサをしていたり、ご褒美を頻繁に貰っていると、フードの好き嫌い(選り好み)が激しくなっていきます。空腹時間が無いので好きな物しか食べなくなる、当然ですね。それなのに、フードを好き嫌いする原因が他にあると勘違いをして、どんどん食い付きの良いフードを探すようになり、行きつく先はお肉たっぷりの高たんぱくなフードになってしまいます。更に嗜好性を高める為にお肉をトッピングしたり・・・。そうなると、第二章で述べた「特に食べ物に含まれるたんぱく質の分解に胃酸を多く必要とする為、たんぱく質の多い食事を摂取すれば胃酸の分泌量も多くなり、尿のpHは大きくアルカリ性に傾く事となります。」の通り、空腹時間が短くて尿が酸性に傾くタイミングが無い上に、たんぱく質の摂取過多で食後のpHの振れ幅が大きくなりますので、余計にストルバイトや膀胱炎の発症リスクが高くなります。なので、ストルバイトや膀胱炎を発症した犬や猫の多くが、過度な甘やかしによって食生活が乱れてしまっています。そして次のようなケースでもストルバイトや膀胱炎を発症させてしまうケースが多いです。

今回はここまでとなり、続きは次回にお話をしたいと思います。

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