2021年10月


このコーナーではわたくし「店長」が、皆様に知っていただきたい情報などを配信してまいります!

更新は不定期ですが是非お楽しみください!!

3



犬猫ににんにくは危険と言うけれど!!!
雑誌やインターネットで一度はご覧になられた事はあるかと思います。

「犬猫ににんにくを与えるのはNG!」

確かに、犬や猫はにんにくに含まれる成分の影響で、食べると中毒を起こし貧血などの症状を起こす危険性がございます。にんにく以外に、ネギやたまねぎ、ニラなどでも同じ症状が出る場合がございます。ですので、手作り食の食材としては使用を控えるべき食材となります。ですが、ドッグフードやキャットフードの原材料欄を見ていると結構な頻度で「にんにく」や「ガーリック」の文字を見かけます。と言う事は、それらのフードは犬猫にとって危険なのでは?と思われる方もおられると思いますが、犬や猫がにんにくを食べて中毒を起こす量は体重1kg当たりにんにく15g程度と言われています。「誰がそんなに食べるの?」と言う量です。ちなみに人間もにんにくを一度に大量に食べると中毒症状を起こすと言われています。と言うわけで、犬猫ににんにくを与えるのはNG!と言いますが、それは「大量に食べると危険」と言う事です。逆に適正である安全な量を食べる事は、人間に対してと同様に、あらゆる生活習慣病を予防し健康促進に役立つ食材となります。また、にんにく以外でもアボカドやぶどう、イカ、エビなどでも同じ事が言えます。もしそれらが少量でも食べてはいけない食材なのであれば、当店で扱っているフードの多くは販売が出来なくなってしまいますし、毎日多くの飼い主様から愛犬・愛猫の健康被害のご報告を頂戴している事でしょう。




犬猫にユーカリは危険と言うけれど!!!
にんにくなどと同様に犬猫には危険と言われるのがユーカリなどのハーブ。確かにユーカリには毒が含まれており、犬猫に限らず人間も大量に摂取すると中毒症状を起こすと言われています。でもその反面、ユーカリはハーブティーの原材料としても使用される事があり、抗菌作用などの効果が期待出来るので、風邪や花粉症対策として愛飲なされている方もおられると思います。また、ユーカリには虫除け効果がある為、虫除け製品にも幅広く使用されており、当店が販売しております虫除けスプレーなどにも含まれています。この場合も、ユーカリを含む虫除けスプレーは犬猫にとって有害なのでは?と思われる方がおられると思いますが、にんにく同様にそのスプレー液を「大量に飲むと危険」ではありますが、虫除けを目的として使用するにあたって、犬猫がそのスプレー液を大量に飲む事は考えにくいです。また実際に当店が販売をしております、ユーカリを含む製品による健康被害の報告は一切ございません。メーカーにも同様の報告が寄せられていない事を確認しております。ご安心ください。




生のお肉は体に良いって言うけれど・・・。
本来の食生活が生食である犬猫にとっては、生のお肉は酵素や乳酸菌がたっぷり含まれていて体にとって良い食材です。人間よりも生のお肉への耐性も強く新鮮な生のお肉は犬猫にとって安全な食材と言えます。但し、だからと言ってドライフードやウエットフードの代わりにはなりません。栄養バランスが整っているわけでは無く、過剰な量の生肉を与える事によって、肝臓や腎臓に負担が掛かってしまいます。また、犬用や猫用として売られている製品でも有害とまでは言いませんが、体に良くない製品も沢山ございます。ここ数年で代表的なのが「ペースト状のおやつ」でしょう。味付けが濃く、なめらかな食感で食べやすいので多くの犬猫が好んで食べると思いますが、このようなおやつを毎日のように与えたり、催促するからと言ってその都度与えたりすると、主食の食いつきが悪くなり食生活が乱れてしまいます。その他にも、これからの季節で増えてくる犬猫用のケーキやおせち料理なども注意が必要です。犬猫の体に有害な食材は使用されていないと思いますが、決して食べる必要がある食べ物ではありません。体に害の無い食べ物でも、必要以上に食べ過ぎると「有害」になるかも知れませんよ。くれぐれもご注意ください。また、「有害」では無いのに有害扱いされやすいビートパルプやとうもろこしに関しては下記の過去のコラムをご覧いただければ幸いです。

ビートパルプについて
とろもろこし(コーン)は本当に悪者なの?


カロリー計算の方法を調べてみました!
今回のコラムを書くにあたって改めて、インターネットで「猫 必要カロリー」と検索をしてみました。驚くほど沢山の検索結果が出てきました。当然全てに目を通す事は出来ませんでしたが、それぞれに結構な差がありました。サイトによって結構な差がある時点で、「猫 必要カロリー」の正解は無いと言う事でしょうね。でもその中で一番多く目にしたのが、「成猫の場合、体重×80(kcal)」です。あまり運動をしない室内飼育の場合は「体重×70(kcal)」と言うのが最も多かった気がします。では実際に計算をしてみて、一日必要はフードの量はどの程度なのか調べてみましょう。




一日の必要なカロリーとフードの量は?
殆どのご家庭が完全室内飼育であるであろう(そうであって欲しい願望を含む)と言う事で、「体重×70(kcal)」の計算式を使って一日に必要なカロリーとフードの量を調べていきましょう。体重を4kgとして計算をしてみると、「4(kg)x70(kcal)」となり完全室内飼育の体重4kgの猫が1日に必要なカロリーは280kcalとなりました。280kcalと言っても実感がわかないので、フードの量に換算してみます。例えば、100g当たりのカロリーが350kcalのドライフードだとします。350kcal/100gは成猫用としては一般的な数値だと思います。このフードで体重4kgの猫が1日に必要なカロリーである280kcalを摂取しようとすると、1日のフードの量は「280kcal)÷350(kcal)×100(g)=80g」となります。体重4kgの子で1日80gです。朝晩2回の食事で分けると1回40gとなります。もう少し体の小さい子で計算すると、体重3kgの子で1日60gとなり、朝晩2回の食事で1回30gとなります。結構な量ですね。




食べられなければ無理に食べさせない!
体重4kgの子に1回40gや、体重3kgの子に1回30gと言うのは結構な量になります。このようにインターネットで1日に必要なカロリーを調べて、ご愛猫がそのカロリーに相当する量を食べる事が出来なければ、「うちの子は栄養が足りていない。どうしよう。心配だなぁ。」とお悩みになられる方がおられます。その結果、朝晩2回の食事で残してしまったフードを数時間後に再び差し出したり、完食をしてくれるまで何時間も出しっぱなしにしたりしてしまいます。その結果、今まで以上に食べる量が減って行ったり、フードの選り好みをするようになったりします。これが、回数が多過ぎる食事や置きエサによる弊害です。食事の回数を増やしたり、お皿を出しっぱなしする時間を増やす事によって、食べてくれる量が増えるとお考えの方が多いですが、結果的には逆効果です。また、飽きが来ないように日替わりのように違うフードを与えるのも逆効果です。




摂取カロリーよりも体型を重視しよう!
皆さんにお聞きします。ご自身の昨日の摂取カロリーはいくらでしたか?今日の摂取カロリーの目標はいくらですか?と、このような質問をされて直ぐに答える事が出来る人は殆どおられないと思います。それよりも、昨日はいつもより食べ過ぎましたか?今日はいつもより控え目にする予定ですか?と、聞かれる方が答えやすいですよね。ここ最近の体重が気になる人はいつもより食べる量を控え目にしたり、ヘルシーな食事内容に変更したり。猫もそれで良いのです。同じ体重の猫が、同じ摂取カロリーの生活をし続けたからと言って、同じ結果になるわけではありません。運動量も違えば体質も違います。いちいち1日の摂取カロリーを計算するのでは無く、太ってくればフードの量を減らし、痩せてくればフードの量を増やせば良いのです。また、お皿に入れたフードを残したとしても痩せていなければ無理に食べさせる必要は無いのです。摂取カロリーを気にするよりも体型を気にしてあげてください。失礼ながら、「うちの子は食べない」「うちの子は食が細い」「うちの子は神経質で」「うちの子はフードのニオイに敏感で」などと言う方のご愛猫に限ってぽっちゃりな子が多い気がします。ちなみに、私の愛猫達は体重3kg程ですが、ドライフードは1回に15g程です。そこにウエットフードを10g程加えて与えています。朝晩2回の食事ですので、1日でドライフードは合計30g程です。間食は無しです。本人達は量の少なさに不満そうですが、それで体重が維持出来ているので適量だと思っています。あくまでも参考に。


体を治す為の薬のはずなのに・・・。
これもの凄く多いです。でも絶対にやってはいけません。何かと言うと、薬を飲ませる為のち●~る。月1回の投薬の際に使うならまだしも、毎日や2日に1回の投薬にち●~るを使うと、殆どの子がご飯(フード)を食べなくなります。特に膀胱炎や結石を患った際に、そのような薬の飲ませ方をしてしまうと、薬を混ぜたち●~るは食べるのに、主食のフードはガツガツ食べずに置きエサになりがちです。こうなると、薬の効果よりも食生活の乱れによる悪影響の方が勝ってしまって膀胱炎や結石を繰り返す事となります。もちろんち●~る以外にも蒸したりゆがいたりした鶏のササミに薬を混ぜたり、薬をチーズで包んだり。このような事をしないと薬を飲ませられないのなら投薬を止めて、規則正しく食事を摂った方が膀胱炎や結石は早く症状が治まる場合もあるかと。また、腎臓病のように毎日の投薬が必要の際は、薬の飲ませ方を間違うと、好き嫌いが激しくなって大切な食事療法が上手く行えなかったり、せっかく食事で制限しているたんぱく質やリンを投薬時に摂取してしまったりしてしまいます。




ウエットフードに混ぜるのは良いのですが・・・。
嫌いな薬を飲ませる為に、大好きなウエットフードに混ぜる方がおられます。混ぜること自体は問題ではございませんが、与えるタイミングを間違ってしまうと、食生活の乱れに繋がりますのでご注意ください。具体的には、大好きなウエットフードに薬を混ぜて与える際に、主食であるフードとは別に与えてしまう事があります。例えば、朝晩2回の食事の時では無く、お昼頃に薬を混ぜた大好きなウエットフードを与えたり、食事の時間に薬を混ぜた大好きなウエットフードのお皿を先に差し出して、それを食べ切ってから主食のフードのお皿を差し出す。そうなると、後から差し出す主食のフードの食いつきが悪くなるケースが多いです。このように主食のフードと薬を混ぜた大好きなウエットフードを別々のお皿で与えてしまうと、好きな方のお皿しか食べなくなってしまいます。




薬はこうやって与えましょう!
理想的な薬の与え方は、錠剤の場合は喉に直接落として飲ませる方法です。犬でも猫でも口を開けて舌の奥の方に錠剤を落として口を閉じさせます。そのまま喉付近をさすってゴックンさせる方法。難しそうに思いますが慣れると意外と簡単です。但し、口を開けさせない子や人馴れをしていない子などには難しい方法です。また、錠剤では無く、粉末や液体の薬の場合もこの方法は使えません。そのような場合は、少量のウエットフードに混ぜるのが良いでしょう。ですが、必ず主食のフードと一緒のお皿に入れて与える事。あくまでも一日にお皿を差し出す回数は2回。薬は主食と一緒に与えると言う事です。それだけを食べてもお腹が満たされない量のウエットフードに薬を混ぜて、それをドライフードと一緒に与えてください。「ドライフードとウエットフードを一緒のお皿に入れると嫌がる」や「ウエットフードで濡れてしまったドライフードは食べません」と言う方がおられますが、そのような時は「嫌なら食べなくて良い!」ってくらいの強い気持ちで向き合ってあげてください。嫌がって食べなければお皿を下げてください。そしてまた12時間後の食事の時間が来れば、また同じ内容のお皿を差し出してあげてください。1回や2回食べなかったからと言って諦めるのでは無く、1日や2日程度食べなくても問題ございませんので、正しい方法で薬が飲めるようにしてあげてください。